第40回ぴあフィルムフェスティバルにてグランプリ・ひかりTV賞を獲得後、なら国際映画祭学生部門NARA-waveではゴールデンKOJIKA賞と観客賞をダブル受賞など、数々の映画祭を席巻した珠玉の作品。
2018年横濱インディペンデントフィルムフェスティバルにおいてcinefil賞を受賞した『オーファンズ・ブルース』が5/31(金)よりテアトル新宿にて公開いたします。

「夏は終わったのではなく、死んでしまったのではないだろうか?」寺山修司

終わらない夏に終末感が漂う中で、誰もが誰かの背中を追い、誰かを待っている。
カセットテープを巻き戻していくかのような旅が今、始まる。

異常な高温が続き、誰もが汗ばむある夏の日々を描いた本作は、寺山修司著書の一節から着想された、当時22歳の女性監督 工藤梨穂が手掛けた渾身のロードムービーである。

画像: 永遠の夏に誰かの姿を追い求めた彼らを描く“希望“の青春ロードムービー。2018年cinefil賞受賞・工藤梨穂 監督長編デビュー『オーファンズ・ブルース』公開!

永遠の夏に、彼らは光を呼吸する。

こぼれ落ちていく記憶と対峙する主人公エマを務めるのは、「赤い玉、」や「クマ・エロヒーム」で圧倒的な存在感を放つ村上由規乃。第19回TAMA NEW WAVEにてベスト女優賞を本作で獲得した彼女の演技は、各地で絶賛の嵐を巻き起こしている。

エマを受け入れ、共に生きていこうとする少年バン役に上川拓郎。はつらつとして時に切ない彼の姿を丁寧に演じきった。

また、脇を固める俳優陣の圧巻した演技にも目が離せない。エマへ傾いていくバンを振り向かせようとする恋人のユリを演じるのは、映画「温泉しかばね芸者」やドラマなどで活躍する一方、監督作「ぱん。」などが話題の辻凪子。ヤンの妻であり、どこか不気味さを感じさせるペンションの女主人ルカに、「嵐電」の窪瀬環。ペンションに滞在する謎の浮浪人アキを「DRILL & MESSY」、「ウィッチ・フウィッチ」などに出演の佐々木詩音が務める。
そして、「赤い玉、」や「ベー。」の吉井優が物語の軸となる人物、ヤンに挑んだ。

ひとつの季節に閉じ込められ、やがて明瞭になっていく彼らの孤独を独特の世界観で描き出した本作。“忘れゆく”、あるいは“忘れられてしまう”という絶望の中に、この映画は、ある光を映しだした。

スクリーンの中で生き続けていく彼らの姿は決して忘れられない。

アジアの異国を思わせる中華街や市場、そして鮮やかな新緑の草原など彼らの旅路を彩る様々なロケーションの移ろいは、観る人を日常からどこかへと連れ出してゆく。日本の見慣れた街並みから外れた“無国籍”な雰囲気が取り巻くこの世界で、私たちは彼らの愛、そして希望を目撃するだろう。

画像: 永遠の夏に、彼らは光を呼吸する。

映画界からのコメント

「さすらいの青春」は死語だが、その実態であるエゴは永遠に美しい。
その永遠に『オーファンズ・ブルース』は不可能な1ページを書き加えた。
ー青山真治(映画監督)

俳優たちの何気ない小さな仕草の積み重ねだけで、約90分の時間をぐいぐい引っ張る工藤監督の才能に感服!
ー暉峻創三(映画批評家)

主人公たちは成長ホルモンを自我の強化に注ぎ込んだ結果、みんな童顔のまま大人になってしまったようだ。その姿があまりに美しくて目がクラクラしてしまいました。映画祭の審査員なんて本当は誰もやりたくないんです、でも引き受けてしまうんです。なぜなら『オーファンズ・ブルース』みたいなすごい映画に誰よりも早く出会えるから。
ー冨永昌敬(映画監督)

映画界の素晴らしい未来への希望がここにある。この作品に関わった全ての方々に、心からの賞賛を送りたい。
ー永瀬正敏(俳優)

記憶が長くはもたないらしい村上由規乃を追いかけていく前半20分を見るだけで、「新しい日本映画」というフレーズは、このチームにこそふさわしい言葉だと思わされるはず。必見です。
ー安川有果(映画監督)

剥き出しで痛々しくも優しい愛のカタチをスケッチしたせつない映画だった。
独自の映画センスは私の心を射抜き、いつか見た懐かしい場所に連れて行ってくれた。
ー行定勲(映画監督)

映画「オーファンズ・ブルース」予告編

画像: 映画「オーファンズ・ブルース」劇場版予告編 youtu.be

映画「オーファンズ・ブルース」劇場版予告編

youtu.be

〈STORY〉

夏が永遠のように続く世界で生きるエマ。

最近、物忘れがひどい彼女はノートを手放さず、家にもあらゆるメモを貼っている。そんなある日、彼女の元に、孤児院時代の幼馴染であり現在行方不明のヤンから象の絵が届く。エマはその消印を手掛かりに彼を探す旅に出た。

道中で彼女は、ヤンと同様に幼馴染であったバンに邂逅し、その恋人であるユリとも知り合う。タヒチへ高飛びする計画が失敗した彼らは、ずるずるとエマの旅についていくこととなる。その一方で、エマはヤンへの思いを募らせ、また自らの記憶の喪失が加速していることを恐れ始めていた…。

村上由規乃
上川拓郎
辻凪子
佐々木詩音
窪瀬環
吉井優

監督・脚本・編集:工藤梨穂

撮影:谷村咲貴 録音:佐古瑞季
照明:大﨑和 美術:柳芽似 プロムムアン・ソムチャイ
衣装:西田伸子 メイク:岡本まりの
助監督:遠藤海里 小森ちひろ
制作担当:池田有宇真 谷澤亮

2018/日本/カラー/16:9/5.1ch/89分

配給・宣伝:アルミード

Twitter: @orphans_blues
Instagram: orphansblues

5/31(金)~6/6(木)テアトル新宿にて公開!他全国順次公開予定

This article is a sponsored article by
''.