歌川国芳と月岡芳年らの弟子たちの作品150点を紹介

幕末から明治にかけて活躍した人気浮世絵師・歌川国芳 (1797-1861) は、旺盛な好奇心と柔軟な発想、豊かな表現力を武器として、奇抜で豪快な武者絵や戯画(滑稽な絵)に新機軸を打ち出し、幕末からの浮世絵界にさらなる活性化をもたらしました。

今日では「奇想の絵師」としてその人気は不動のものとなっている国芳ですが、意外なことにその存在は浮世絵史上で長く埋れてしまい、再びスポットが当てられたのは1996年に生誕200年記念として開催された初の大規模な個展によってでした。

親分肌の国芳を慕って70人以上の弟子が集まり、家族のような深い絆で結ばれていたそうですが、なかでも「最後の浮世絵師」と称される月岡芳年 (1839-92) は国芳の奇想をよく受け継ぎ、さらに和洋の融合を推し進めた作品群で近年再び高く評されるようになっています。

同展では、国芳、芳年のほか、芳年とともに国芳門下の双璧とされた落合芳幾 (1833-1904) などにもスポットを当て、国芳が切り開いた様々な新生面を弟子たちがいかに継承、変化させていったのかを名古屋市博物館が所蔵する浮世絵 150 点によってたどります。

人々の嗜好に合わせ最後まで新しい画題と表現に挑み続けた国芳を領袖とする「芳ファミリー」の世界を是非お楽しみ下さい。

国芳の自画像 ↓。猫好きの国芳ならではの構図です。

歌川国芳「浮世よしづくし」より国芳自画像 名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)

なお展示作品には少々残虐な絵も含まれます。心の準備を!

第1章 ヒーローに挑む

国芳が名声を手にするのは30歳を過ぎてからで、出世作は「水滸伝」に登場するヒーローを一図ずつ武者絵として描いた「通俗水滸伝豪傑百八人之一人」のシリーズでした。
その後も歴史上や物語に登場するヒーローの勇ましい姿を描いた「武者絵」は、国芳が最も得意とするジャンルの一つとなります。

国芳の武者絵の魅力は、躍動感あふれる筋骨隆々たる漢たちのダイナミックな描写と緊張感、独自の迫力ある画面構成によって生み出されています。
またその血脈は、弟子たちに確実に引き継がれていきます。

この章では、国芳や弟子たちが逸話やヒーローたちをどのように表現したのかをご覧下さい。

第2章 怪奇に挑む

ヒーローの勇ましさを強調するためには、彼らが対峙する怪奇をいかに恐ろしく表すかということが重要です。また状況が異常であればあるほど画中のドラマ性は高まります。

国芳は血がほとばしる残虐な場面を描いた作品を描いていますが、怖いもの見たさは世の常のうえ時代の要請もあったのでしょう、弟子もまたその路線を受け継ぎました。

この章ではそうした怪奇を描いた作品や、「血みどろ絵」と呼ばれる作品を紹介します。

国芳の大判錦絵3枚続きの作品の中でも最も有名な大作 ↓。
原作では無数の骸骨が登場する場面 。国芳は巨大な骸骨を写実的に描き怪奇性を演出しました。

画像: 歌川国芳「相馬の古内裏」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)

歌川国芳「相馬の古内裏」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)

血みどろ絵の傑作「英名二十八衆句」全点を一挙公開!

残虐な物語の一場面を描いた「血みどろ絵」は、講談や落語、見世物といった他の文芸を母胎として幕末に流行しました。

その代表である「英名二十八衆句」シリーズ全29図(うち目録1図)を展示替えなしで一挙公開!

国芳の弟子である芳年と芳幾の巧みな画面構成力と、当時の精緻な摺と彫の技術があいまって、劇的な場面が表現されています。
凄惨さだけではなくそれらがいかに生み出されているのか、彼らの工夫にも着目します。

会場では「血みどろ絵」の観覧を希望されない方のための短絡路も設けております。
ご安心を。

月岡芳年の「血みどろ絵」↓。現代の劇画にも通じる、動きまでが見えるような作品です。

画像: 月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

落合芳幾の「血みどろ絵」↓。凄惨な場面にドラマを感じます。

画像: 落合芳幾「英名二十八衆句 げいしや美代吉」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

落合芳幾「英名二十八衆句 げいしや美代吉」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

第3章 人物に挑む

国芳が描く美人像は、現実味にあふれ、ハツラツとした明るさを放っています。
一方で芳年の描く美人は妖艶な雰囲気をたたえています。

この章では、美人画を中心に役者絵も含めたそれぞれの人物表現を見ていきます。

コレクション紹介「好き」をつらぬく

同展の核となるコレクションを形成した高木繁氏と尾崎久弥氏は、いずれも大正から収集をはじめ、まだ評価が低かった国芳らの魅力を普及するよう力を尽くしています。

他の評価に左右されることなく自分の「好き」をつらぬいた両氏の収集熱をご紹介します。

同展は、名古屋市博物館が所蔵する浮世絵の二大コレクションー国文学者・尾崎久弥 (1890-1972)の幕末浮世絵を中心とする収集作品 ( 尾崎久弥コレクション ) と、医学者・高木繁 (1881-1946) の国芳武者絵が大半を占める収集作品 ( 高木繁コレクション ) ーの計 2100 タイトルほかより抜粋した名古屋市博物館の所蔵品から構成されるものです。

第4章 話題に挑む

国芳の戯画はバリエーションの豊富さとアイデアの奇抜さにおいて他の追随を許しません。
第1章の武者絵と並んで彼が浮世絵界に残した新機軸といっていいでしょう。

一見ユーモラスに見える国芳の戯画ですが、幕末の「天保の改革」により遊女や歌舞伎役者を浮世絵に描いたり贅沢な風俗を描写したりすることを幕府によって禁じられた際、雀を擬人化して遊郭を描いたり、猫に似せた役者絵を描いたりと、巧みな手法で禁令の網をすり抜け幕府を風刺するという、実に豪胆な裏事情が潜んでいます。
もちろん当時の大衆は大いに溜飲を下げ、人気に拍車がかかったとか。

この章では、当時話題となった見世物に取材したものや、世相をネタにした戯画などの作品を紹介します。
国芳が時代をどう捉え、いかに商品としたのか、その挑戦を見ていただきます。

画像: 歌川国芳「としよりのよふな若い人だ」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

歌川国芳「としよりのよふな若い人だ」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

終章「芳」ファミリー

新機軸を次々と産みだし晩年に至ってもなお浮世絵界を活性化させた国芳には、芳年の他にも画号に「芳」のつく弟子が沢山いました。
『新聞錦絵』で印象深い「芳幾」、『パノラマ歴史画』で秀作を残す「芳艶」のほか、「芳虎」、「芳盛」、「芳員」、「芳藤」などが出て明治の浮世絵を彩ります。

この章では、弟子による明治浮世絵の展開に目を向け、浮世絵最後の光芒をお確かめ下さい。

画像: 月岡芳年「東名所墨田川梅若之古事」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

月岡芳年「東名所墨田川梅若之古事」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)

写真撮影について

名古屋会場は写真撮影OKです。

ただしフラッシュ・三脚・自撮り棒禁止他のお客様の肖像権に配慮する、等の条件があります。
ルールを守って気持ち良く記念撮影を楽しんで下さいね。
詳細は会場または公式サイトをご確認下さい。

音声ガイドは声優の鳥海浩輔さん

音声ガイドは「刀剣乱舞」の三日月宗近役や「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」のグイード・ミスタ役、「うたの☆プリンスさまっ♪シリーズ」の愛島セシル役などでおなじみの声優・鳥海浩輔さんです。
「芳」ファミリーの活躍を耳からもお楽しみ下さい。

当日貸出価格)600円(税込。お一人様一台)

展示説明会

講師)名古屋市博物館学芸員 津田卓子
日にち)①2019年3月8日(金) ②2019年3月16日(土)
開演)13時30分(開場は13時00分)
会場)1 階展示説明室
※ 参加費無料、事前申込不要(当日先着 100 名 )

特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ
開催概要

会場)名古屋市博物館
〒467-0806 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通 1-27-1

会期)開催中〜4月7日(日)

開館時間)9 時 30 分〜17 時(入場は 16 時 30 分まで)

休館日)毎週月曜日、第 4 火曜日
3 月 11 日(月)、18 日(月)、25 日(月)、26 日(火)、4 月 1 日(月)

料金)一般 1,300(1,100)円、高大生 900(700)円、小中生 500(300)円

※ ( ) 内は20 名以上の団体料金。
※ 名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来館された方は当日料金より 100 円割引。
※ 身体等に障害のある方または難病患者の方は、手帳または受給者証のご提示により、本人と介護者 2 名まで 当日料金の半額。
※ 各種割引は重複してご利用していただくことはできません。ご了承ください。

主催)名古屋市博物館
協賛)野崎印刷紙業

お問い合わせ)
TEL:052-853-2655
http://www.museum.city.nagoya.jp/

公式サイト)http://www.chunichi.co.jp/event/yoshiyoshi/

【巡回展】
〈第 2 会場〉広島県立美術館 2019 年 4 月 13 日(土)〜 5 月 26 日(日)予定
〈第 3 会場〉福岡市博物館 2019 年 11 月 16 日(土)〜 12 月 22 日(日)予定
ほか 2020 年以降も全国を巡回予定。

cinefil 読者チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「国芳から芳年へ」プレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効のこの招待券は非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2019年3月16日 24:00 日曜日

〈記載内容〉
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
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抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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