『クマのプーさん』の二人の生みの親

ハチミツ好きの食いしん坊、おっちょこちょいだけど心優しい、世界で一番有名なクマ「プーさん」の原点の鉛筆原画を中心に世界巡回で紹介する展覧会が、ロンドン、アトランタ、ボストン、東京を経て、ついに大阪にやってきました!

「プーさん」はディズニーキャラクターとしても大人気ですが、原作は90年以上前のイギリスを代表する児童文学で、時に「クラッシック・プー」とも呼ばれ、今日でも世界中の多くの年齢層の人々を魅了し、愛されているキャラクターです。

原作は、イギリス人の作家アラン・アレクサンダー・ミルン(A.A.ミルン)が、我が子クリストファー・ロビンのために、息子と息子の大切な仲間たち(ぬいぐるみのプー、コブタ、イーヨー、トラー、カンガーとルー)をモデルに紡いだ物語に、同じくイギリス人の画家アーネスト・ハワード・シェパード(E.H.シェパード)が挿絵担当として加わることによって完成します。

ミルンのユーモアたっぷりの言葉遊びに、シェパードの表現豊かで優しく温かい挿絵が出会い、文章と挿絵が一体になるという機知とユーモアに溢れるこの上なく楽しい物語として誕生した、二人の共同作品なのです。そして瞬く間に世界中の人々を虜にし、誕生から90年以上経った今でも不動の人気を誇っています。

今回の展覧会は、ミルンとの共作を果たしたシェパードが、晩年に自身の挿絵原画や資料の270点以上を寄贈したイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に保管されている貴重なコレクションを中心に企画された、初めての「クマのプーさん展 」です。
シェパードの鉛筆素描画をはじめ、カラー原画、貴重な初版本などを含む約200点を中心に展示されています。
そのうえ大阪会場では独自に、物語の雰囲気を表現した楽しい造作物など盛り沢山の展示で、「クマのプーさん」の世界感を盛り上げています。

展示作品の原画は、作品保護のため、この大阪会場の展示後最低10年間はイギリスで保管され、非公開となることが既に決定しています。

是非この貴重な最後の機会をお見逃しなく、足をお運び下さい。

英国ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(略称V&A)は、1852年に設立され、5千年にわたる人類の創造活動を紹介する、芸術、デザインおよびパフォーマンスの分類で比類ないコレクションを有する世界屈指の博物館です。
シェパードが鉛筆で描いたプーさんの原画を世界最大規模で所蔵しています。

作者のA.A.ミルンと一人息子で物語のモデルのクリストファー・ロビン・ミルンとクリストファーのプーさん。↓

A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年
© National Portrait Gallery, London.

川に枝を落とす遊びをするクリストファー・ロビンとプーとコブタ ↓。
コブタが小さすぎてプーさんにつかまっている様子が愛らしい。
こちらの絵の場面は、トップ画像の造作展示でもお楽しみ頂けます。造作展示には川の流れにちょっとした仕掛けがあります。お見逃しなく!

画像: 「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、 『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、 ジェームス・デュボース・コレクション © The Shepard Trust

「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、
『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、
ジェームス・デュボース・コレクション © The Shepard Trust

第1章 さて、お話ははじまります

この章は、ミルンと物語の背景を紹介しています。

プーが最初に階段を下りてきて ↓以来、ミルンの本は世界中で何百万冊も売れ、百町森の住人たちも、世界中の読者の心の中に住みついています。

画像: 「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、 『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust

「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、
『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust

『クマのプーさん』のお話のモデルは、ミルンの一人息子であるクリストファー・ロビンに母ダフネが1歳の誕生日に贈った、手足が長くおなかを押すとうなり声をたてる大きなぬいぐるみのクマで、クリストファーの大のお気に入りでした。クリスマスにはロバのイーヨーが、お隣からはコブタが、更にダフネによってカンガーとルー親子と最後にはトラーが子ども部屋には加わります。
遊んでいるクリストファーを見ながら、ミルンは彼らの冒険を記録します。
(ウサギとフクロは、物語を膨らませるためのミルンによる創作だそうです。)

『クマのプーさん』の物語の仲間であるクリストファー・ロビンの宝物のぬいぐるみの複製たち ↓ と、そのぬいぐるみをスケッチしたシェパードの原画 ↓。
ボロボロのぬいぐるみたちを見ると、クリストファー・ロビンにとってどれほど大切な友だちだったかがよくわかります。

「クマのプーさん展 」大阪会場 展示風景
photo©︎cinefil

クリストファーの探検の舞台となったのは、1925年からミルン一家が週末をすごすようになった別荘に近いアッシュダウンの森でした。
クリストファーは来る日も来る日この森を探検し、家に戻ってはこの冒険譚を話しました。
ミルンは、物語の挿絵を依頼したシェパードもここに招待し、シェパードは森やクリストファーのおもちゃをスケッチしました。(但しシェパードは、自身の息子グレアムと、そのおもちゃのクマ「グラウラー」から絵の着想を得ています。)

そうして誕生したのが、ミルンの言葉とシェパードの絵が響き合って生まれた名作『クマのプーさん』(1926年)と『プー横町にたった家』(1928年)。 世界中を魅了する『クマのプーさん』の世界の原点は、全 20 編の短編からなるこの2冊の児童文学です。

第2章 お話は、どうかな?

この章は、原画を通してプーさんの物語を紹介。

『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』の2冊の短編20話のうちの12話を展示。
原画に合わせて物語を一緒に楽しめるようになっています。↓
特にすでに原作を読んだことがある人にとっては懐かしくも嬉しいお宝展示です。

「クマのプーさん展 」大阪会場 展示原画
photo©︎cinefil

画像: 「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、 E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust

「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust

第3章 物語る術

鋭い観察者で、どんな細かなディテールにも気を配るシェパードは、ミルンと並んでプーの生みの親です。

この章では、原画を通してE.H.シェパードの技を紹介します。

劇作家で詩人で小説家であるミルンは、プーさんの物語に会話を多用し、あえてあまり多くを語らない余韻を残した文章にしていますが、それをシェパードが、書かれた物語を解釈し、挿絵によって文章を補い、生き生きとした場面に仕上げています。
特に物語の仲間たちは、表情や正面向きの絵ではなく、ちょっとした仕草や体の傾きでそれぞれの心情を上手く表現しています。それが多くの読者の心に響き、成功の鍵ともなります。

画像: 「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust

「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、
クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust

プーとコブタの足跡が⁉︎ ↓ 大阪会場独自の、上の原画 ↑ をイメージした造作展示。
プーさんの世界観が楽しい、大人も子どももワクワクする空間です。
こちらの足元の黄色いテープで仕切られた枠内から写真撮影も可能です。

画像2: 「クマのプーさん展 」大阪会場 展示風景 photo©︎cinefil

「クマのプーさん展 」大阪会場 展示風景
photo©︎cinefil

第4章 プー、本になる

1926年に出版されて以降、50以上の言語に翻訳され、全世界で5000万部以上のシリーズ本が出版されている『クマのプーさん』ですが、ミルンとシェパードの二人は、最終的に本として印刷されるにあたって言葉と絵がどのように配置されるかというページレイアウトにもこだわりました。そしてシリーズの初版本から独創的で遊び心に満ちた画面で読者を魅了しました。

左の『クマのプーさん』のページは、予定と違ってシェパードが丸ごと1ページの挿絵を描いてしまったものをあえて採用し、ミルンが当初の文章に加筆して完成させました。
右は『クマのプーさん』の貴重な初版本 ↓。文章と絵が巧みにデザインされた1ページ。
プーはどんどん木を登って行くのに反して、文字を上から下へと読み進める遊び心満点の構図です。縦書きの日本語訳本ではどうしてもその遊び心が活かせないのが残念ですが、こんな秘密を教えてもらったら、今度本を開いたときのお楽しみが増えます。

左:『クマのプーさん』第2版、右:『クマのプーさん』初版本
「クマのプーさん」展 大阪会場 展示本
photo©︎cinefil

ミルンの『クリストファー・ロビンのうた』(1924年)、『クマのプーさん』(1926年)、『クマのプーさんとぼく』(1927年)そして『プー横丁にたった家』(1928年)は、クリストファー・ロビン本として知られるようになり、1928年には、これらの本は「児童文学におけるユニークな地位」を獲得しています。

しかしミルンは、この4冊をもって子どもの本を書くことを辞め、劇作家、作家としての活動に専念します。理由の一つは、物語の主人公となった息子のクリストファー・ロビンの成長に配慮したとも言われています。

一方シェパードは、求められるままにその都度プーさんの絵を手がけます。そして1970年代に晩年を迎えてから、自身のプーさんの原画に彩色を試みます。
90歳を過ぎているとは思えないしっかりとした彩色で、でも柔らかくて優しい色合いで、プーらしい世界が広がっています。

画像: 「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、 E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵 © E.H. Shepard colouring 1970 and 1973 © Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited

「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、
E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵
© E.H. Shepard colouring 1970 and 1973 © Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited

プーさんと日本 翻訳家 石井桃子の功績

1940年、『クマのプーさん』は翻訳家で編集者の石井桃子(1907-2008)によって日本語に翻訳され、岩波書店から『熊のプーさん』と題して初めて出版されました。1942年には続編の『プー横丁にたつた家』も同社から出版されています。
石井はミルンの言葉遊びやプーたちの言い間違いをわざと誤ったスペルで表したものを翻訳する際、違和感なく味わい深い日本語として表現してみせ、日本の読者に原作と遜色ない翻訳本として届けます。
石井の翻訳本は版を重ね、再販の際に改訳しながらも、今なお日本の読者に愛され続けています。

左:『プー横丁にたつた家』1942年、真ん中:『熊のプーさん』1940年、右:『Winnie-the-Pooh』1930年
「クマのプーさん展 」大阪会場 展示本
photo©︎cinefil

第5章 世界中で愛されているクマ

ミルンの本の人気を見込んで、1930年に、アメリカの起業家スティーヴン・スレジンジャーは、プーとその仲間をもとに、商品開発に乗り出しました。1966年、ディズニーはプーの物語をアニメ化。プーは、世界中に知られる、大人気のキャラクターになったのです。
物語は50以上の言語に訳され、ありとあらゆるキャラクターグッズが生み出されています。

世界中のプーさん本と関連グッズが壁一面にぎっしり!↓ 見比べるだけかなり楽しい空間です!

画像3: 「クマのプーさん展 」大阪会場 展示風景 photo©︎cinefil

「クマのプーさん展 」大阪会場 展示風景
photo©︎cinefil

クマのプーさん展よりプレゼント

SNS 投稿キャンペーン(数量限定)

「クマのプーさん展」大阪展に関する写真(看板、会場内フォトスポット、チケット、グッズなど)をご自身のSNS にハッシュタグ「#クマのプーさん展大阪」をつけて投稿してください!あべのハルカス美術館ミュージアムショップレジにて投稿画面をご提示された方に、非売品ステッカーを差し上げます。(数量限定)

※ お一人様1回限り
※ ご自身で撮影された写真に限ります

「8」のつく日ははちみつデー!先着100名様にプレゼント

本展会期中、日付に「8」がつく日にご来場の先着100名様に、「クマのプーさん展」非売品ステッカーをプレゼントします。

開催日)5月28日(火)、6月8日(土)、6月18日(火)、6月28日(金)
対象)ご入場される先着100名様
配布場所)クマのプーさん展入り口

開幕記念!本展図録をご購入の方にプレゼント(数量限定)

あべのハルカス美術館ミュージアムショップでクマのプーさん展図録をご購入された方に、非売品ステッカーをプレゼントします。
(数量限定。配りきり次第、終了とさせていただきます)

※プレゼントする非売品ステッカーは、どの企画も同じものになります。

クマのプーさん展
開催概要

会場)あべのハルカス美術館
〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階

会期)2019年4月27日(土) 〜 2019年6月30日(日)

開館時間)火〜金:10時〜20時、月土日祝:10時〜18時(入館は各閉館の30分前まで)

観覧料(税込)
一般:1,500円(1,300円)、大学・高校生:1,100円(900円)、中学・小学生:500円(300円)
※()は団体で15名様以上。
※ 障がい者手帳をお持ちの方は、美術館チケットカウンターでご購入されたご本人と付き添い1名様まで当日料金の半額。

【相互割引】
同展のチケット(半券可)のご提示で、グランフロント大阪イベントラボで開催される「スヌーピーミュージアム展」(4/13~6/16)の当日券を100円引きでご購入いただけます。
※ 1枚につきお一人様1回限り有効、他割引との併用不可。

また、「スヌーピーミュージアム展」のチケット(半券可)をお持ちの方は、あべのハルカス美術館でクマのプーさん展の当日券ご購入の際、当日料金から100円引きでご購入いただけます。
※ 1枚につきお一人様1回限り有効、他割引との併用不可。

主催)あべのハルカス美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
後援)大阪市教育委員会
協力)ウォルト・ディズニー・ジャパン、東京子ども図書館、日本航空、岩波書店

お問い合わせ)06-4399-9050 ( あべのハルカス美術館 )

公式ホームページ)https://wp2019.jp

cinefil 読者チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「クマのプーさん大阪展」プレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効のこの招待券は非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス:info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2019年6月8日 24:00 日曜日

〈記載内容〉
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
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抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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