アレクサンドル・ソクーロフ監督の第一回監督作『孤独な声』から2011年の『ファウスト』までの名作、傑作16作品を35mmフィルムで一挙に上映する、特集上映がユーロスペースにて2月25日より開催されることとなりました。

画像1: アレクサンドル・ソクーロフの名作、傑作16作品を35mmフィルムで上映!特集上映が開催!「ソクーロフ特集2019」

上映作品

『孤独な声』
1978=1987年│ソ連│カラー│35㎜|86分│

ロカルノ国際映画祭銅豹賞
ニキータとリューバの愛の物語。タルコフスキーの擁護にもかかわらず上映禁止に。

『静かなる一頁』
1993年│露・独│モノクロ+カラー│35㎜|77分│

ストックホルム国際映画祭最優秀撮影賞
SF的ともいえる要素を加えてロシア文学の傑作「罪と罰」を大胆に解釈!

『ヒトラーのためのソナタ』
1979=1989年|ソ連|モノクロ❘35㎜|9分│

ヒトラーとスターリンの記録映像をもとに構成し、静謐さのなかにその犯罪とファシズムの恐怖を浮かび上がらせる映像詩。音楽はバッハ。説明的要素を排した黒い画面に記録映像の数々が映し出される。

『マザー、サン』
1997年❘露|カラー|35㎜|73分│

モスクワ国際映画祭タルコフスキー賞・ロシア映画批評家協会賞他
登場人物は病む老母と見守る息子の二人のみ。窓外の花、煙をなびかせながら走りゆく列車、海に漂う白い帆船。一幅の絵画のような構図に母と子がいる・・。

『痛ましき無関心』
1983年│ソ連│カラー│35㎜|96分│

モスクワ国際映画祭FIPRESCI賞
舞台は第一次世界大戦中のイギリス。上空にドイツの爆撃機が飛来する厳しい社会情勢とは無関係に、ショットヴァー船長と娘夫婦とその友人たちは、恋愛ゲームに興じていた。記録挿入など、斬新な手法が用いられている。本作もソビエト時代は上映禁止だった。

『モレク神』
1999年│露・独│カラー│35㎜|108分│

カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞他
ベルヒテスガルテンの山荘でのヒトラー、エヴァ、側近たち…。
モレク神とは、子どもを人身御供にさせた古代セム族の信仰に由来する神の名で、旧約聖書では悲惨な災いや戦火の象徴。

配給:ラピュタ阿佐ヶ谷

『日陽はしづかに発酵し…』
1988年│ソ連│カラー│35㎜|138分│

ベルリン国際映画祭審査員特別賞他多数
中央アジアの荒涼としたウラン採掘坑跡地を舞台に、ロシアと中央アジアの青年の交流を軸に、スターリンの強制移住に端を発した民族問題、イスラム教とキリスト教古儀式派との関係、核開発による自然破壊など、複雑なロシア現代史が隠喩のように込められている傑作!

『 牡牛座 レーニンの肖像』
2001年│露│カラー│35㎜|94分│

ロシア・アカデミー賞(ニカ賞)最優秀作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚本賞・撮影賞他多数
最初の脳梗塞の発作による療養中のレーニン。看病する妻と妹、権力掌握を目前にして喜色満面たるスターリン、監視する兵士など周辺の人々… ---

『ペテルブルグ・エレジー』
1989年|ソ連|モノクロ|35㎜|40分│

ソクーロフの描く家族の肖像である。
その家族とは世界的バス歌手シャリアピン(1873-1938**)の家族。

『エルミタージュ幻想』
2002年│露・独・日(NHK)│カラー│35㎜|96分 │

トロント国際映画祭最優秀造形賞 他多数数
美術品が陳列されたままのエルミタージュ美術館(世界最大所蔵品数300万点以上)内部を使い、ロシア近・現代300年間の歴史を、映画史上初の90分全篇ワンカットの手法で描いた映画史上最も贅沢な作品で、世界的に大ヒット!!

『セカンド・サークル』
1990年│ソ連│93分│カラー│35㎜|

ロッテルダム国際映画祭FIPRESCI賞父親の死で帰省した息子。入れ替わり立ち替わり訪れる役人や医者は一様に機械的で融通がきかない…。
監督は完成当時、「この映画は今のソ連(崩壊直前)を象徴する」と。

『ファザー、サン』
2003年|カラー|35㎜|97分│

カンヌ国際映画祭FIPRESCI賞他
重厚な建物の間の石畳を路面電車が走り、人々の暮らしが数百年にわたりひっそりと息づく静かな街に暮らす父と息子。父は退役軍人。父と同じ道を目指す息子・・。

『ストーン/クリミアの亡霊』
1992年│露│カラー│35㎜|88分│

夜、誰もいないはずのチェーホフ館に人影が…。番人の青年が覗くとチェーホフが服を着たまま水を浴びている!甦ったチェーホフとこの青年との交流がモノクロの映像と神秘的な音響で幻想的に描かれる。

『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
2007年│露・仏│カラー│35㎜|92分│

ロシア映画批評家協会賞最優秀女優賞 他多数
チェチェンのロシア軍基地に赴任中の孫に会いに行くアレクサンドラが見たものとは…。主演のビシネフスカヤは、チェリスト、ロストロポーヴィチ夫人で、撮影当時80歳の世界的オペラ歌手!

『ロシアン・エレジー』
1992年|露|カラー|35㎜|68分│

山形国際ドキュメンタリー映画祭特別賞
ベッドに横たわる末期癌患者から、戦闘や森林に差し込む陽光へ。ロシア的イメージが広がってゆく。音楽はチャイコフスキーによるピアノソナタ『子供のためのアルバム』のなかの「フランスの古い歌」。

『ファウスト』
2011年│露│カラー│35mm|140分│

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
『モレク神』『牡牛座 レーニンの肖像』『太陽』に続く「権力の四部作」最終章としてドイツの文豪ゲーテの代表作を映画化した本作は、悪魔のメフィストを高利貸しとして、19世紀的な世界を現代社会に敷衍させ日本でもヒットを記録した。
配給:セテラ・インターナショナル

画像: 上映作品

企画:パンドラ
企画協力:ユーロスペース/セテラ・インターナショナル

上記配給会社の記載のないものは全て 配給パンドラ

アレクサンドル・ソクーロフ

Aleksandr Nikolayevich Sokurov

1951年シベリア生まれ。ロシアを代表する巨匠であるが、ソ連時代の全作品は公開禁止だった。第一回監督作『孤独な声』(1978=1987年)はロカルノ国際映画祭銅豹賞、『モレク神』(1999年)でカンヌ国際映画祭最優秀脚本賞、『エルミタージュ幻想』(2002年)で90分ワンカット撮影に成功し、『ファウスト』(2011年)でヴェツィア国際映画祭金獅子賞受賞。フィクションとノンフィクションの枠を超えて40年以上も第一線で旺盛に作品を発表。映像と音、音楽、役者が一体となり構成される作風は一幅の絵画であり、映画界のみならず、音楽や文学など広い分野にわたり、世界中で高く評価されている。

2019年2月23日(土)~3月8日(金)
3月12日(火)~3月15日(金)
渋谷ユーロスペースにて開催!

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