カンヌ国際映画祭のパルムドールから、世界から最も注目を浴びている作品となった『万引き家族』。この感動は、ヨーロッパのみならず世界各国に広がり、ついにはアメリカの最高峰の映画賞ゴールデングローブ賞の外国語映画賞での最終ノミネート作品5作品として選ばれました。
今回、残念ながら、受賞には至りませんでしたが、授賞式に出席した是枝裕和監督が現在の心境を語っています。

『万引き家族』是枝裕和監督 ゴールデン・グローブ賞授賞式前のインタビュー

●今回ゴールデン・グローブ賞にノミネーションされた感想を教えてください。

20年ぐらいのキャリアの中で、初めての経験なので本当に楽しんでいます。

日本国内だけで限らず、僕の作品の中では一番世界的にも広く、深く届いている作品だと思っているので、このアメリカにも良い形で届いているので幸せだと思っています。

画像1: (C)2018『万引き家族』 製作委員会

​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

●パルム・ドールを受賞してから、何か変化はありましたか?

もし変わるとするとまだこれからだと思いますが、自分のキャリアを積み重ねていく上で、多分色んな選択肢が広がったと思います。

●この作品は日本のごく普通のとある生活風景の一片が描かれていますが、作品の中に存在するメッセージは世界中の人々にも伝わっています。

日ごろからインターナショナルとかグローバルという事を考えずに、自分の立っているローカルにこだわっていく、そこのディテールをきちんと見ていくということが、結果的に多くの人に伝わるのだと言う事が、映画制作を通して実感している事なので、今回もそれを実践していきました。

画像: ゴールデングローブ授賞式を前に語った是枝裕和監督

ゴールデングローブ授賞式を前に語った是枝裕和監督

●子役たちは国際的にも評価されていますが、そのことについてはどう感じていますか?

とても喜んでいると思います。続編を撮ってくれと言われています(笑)

●それを聞いて?

考えると言っています(笑)

画像2: (C)2018『万引き家族』 製作委員会

​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

●作家として、国際的に認められることによって影響を受けたことはありますか?

映画をつくっていく作業自体は、全くデビューの時から変わっていないつもりでいて、これからも変わらないと思います。ただありがたいことに、日本国内だけでなく、海外の方たちとのコラボレーションが可能性として広がったので、ヴィジョンを共有できる方たちと国境を越えて映画つくりをしていきたいなと思っています。

●この作品が、観客に伝わったと感じた瞬間はいつですか?

ワールドプレミアをカンヌで行って、その直後から感想を伝えてくれる方たちの言葉の中に“ムーブ”、“タッチ”という言葉がすごく多かったんです。経験上、その2つの言葉の多い映画は届いているという実感があるので、今回はすぐそれが分かりました。

●“家族の絆”を描いていく事は、何故大事なのでしょうか?

個人的にはこの10年で両親を亡くして、子供が出来てと言う大きな変化が家族を巡ってあったので、そのモチーフ、テーマというのが自分にとって切実だったからだと思うんです。

勿論そこに限って映画をつくっていくわけではないのですが、この10年はそういう意識でした。

画像3: (C)2018『万引き家族』 製作委員会

​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

画像4: (C)2018『万引き家族』 製作委員会

​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

●ゴールデン・グローブ賞、その後アカデミー賞を受賞するかもしれませんが、今後アメリカでキャリアを積む準備は万端ですか?

これがスタートラインだと思っているので、この先に良い形で現地のキャスト、スタッフ達と一緒に映画をつくれる可能性が生まれると良いなと思っています。

是枝裕和監督『万引き家族』本予告

画像: 是枝裕和監督『万引き家族』本予告 youtu.be

是枝裕和監督『万引き家族』本予告

youtu.be

残念ながら、ゴールデングローブ賞では最終ノミネーションから受賞には至らなかったものの、22日はアカデミー賞の外国語映画賞部門のノミネーションが発表されます。

<STORY>

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、
治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。
彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、
万引きで稼いでいた。
社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、
互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。
体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。
だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と
切なる願いが次々と明らかになっていく──。

監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ 
   松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
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配給:ギャガ
​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

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