映画『セメントの記憶』が来年3月23日(土)よりユーロスペースほか全国劇場で公開が決定しました。

ベイルートの超高層ビルの建設現場を映した黙示録!!

本作品は長い内戦を乗り越え、バブル経済真っ只中のベイルートの超高層ビルの建設現場を捉えたドキュメンタリー作品となります。

映画は、地上32階の高さのビルで働くシリア人移民労働者の映像と、建設ラッシュに沸くベイルートの美しい街並み、そして戦争で破壊された労働者の祖国の映像を交互に映し出し、戦争と再建を繰り返す人間の愚かさと、終わらない戦争の悲しみを伝えます。

画像: ベイルートの超高層ビルの建設現場を映した黙示録!!

元シリア政府軍の兵士だったジアード・クルスーム監督は、2011年に市民デモ鎮圧のため派兵された首都ダマスカスで市民が兵士によって殺害されるのを目撃し、その後、政府軍を脱退しベイルートに亡命して本作品を完成させました。(現在ベルリン在住)

これまで世界60カ国、100以上の映画祭で上映され、ヨーロッパ映画賞2017、アジア太平洋映画賞2017、ドイツ映画賞2018、シネマ・アイ・オナーズ2018、など栄誉ある賞への公式セレクトと、34の国際映画祭のグランプリを受賞しています(更新中)。

超高層ビルの内部を記録した黙示録

シリアと同じく長い内戦(75年-90年)で廃墟と化したベイルートは、現在は近代建築と歴史的建造物が混在した美しい街並みに復興している。
建設ラッシュで沸く海岸沿いには超高層ビルが立ち並び、その現場では戦争で家を破壊された多くのシリア人移民労働者が働いている。映像は破壊と再建を繰り返す人間の愚かさを炙り出す。

子供の頃、世界は苦い味がすると思っていた

中東のパリ、ベイルート。
地中海を眺望する超高層ビルの建設現場でシリア人移民・難民労働者たちは静かに働いている。ある男が、出稼ぎ労働者だった父がベイルートから持ち帰った一枚の絵の記憶を回想する。絵には白い砂浜、青い空、そして2本のヤシの木が描かれていた。男が少年の頃初めて見た海の記憶だ。
待ち焦がれていた父の帰還に少年ははしゃぐ。顔を撫でてくれた父の手はセメントの味がした。父は少年に語った。
“労働者は戦争が国を破壊し尽くすのを待っているんだ”。男は異国で父への想いを巡らせる。

終わらない戦争の悲しみ

戦争と建設のイメージ。
破壊と創造の概念。喪失と悲しみの記憶を詩的情緒豊かに紡ぐ圧倒的な映像美は、自らが生きている世界と同じ地平の中に傷ついた人たちがいるという事実に無自覚であったことを伝える。
祖国を亡命した若き元シリア兵のジアード・クルスーム監督が果敢に創り上げた核心的ドキュメンタリー作品!!

監督・脚本:ジアード・クルスーム
撮影監督:タラール・クーリ 
音楽:アンツガー・フレーリッヒ

2017|ドイツ、レバノン、シリア、アラブ首長国連邦、カタール|ドキュメンタリー|アラビア語|88分|英題TASTE OF CEMENT|日本語字幕:吉川美奈子|
配給:サニーフィルム

3月23日(土)よりユーロスペース公開決定!!

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