交差する視点 – 日仏インディペンデント映画特集
ユベール・ヴィエル × 清原惟

12月8日開催

近年の写実的な潮流を好むフランス映画に対抗し、寓話的で瑞々しいポエジーを蘇らせたユベール・ヴィエル監督の奇跡のような長編処女作『アルテミス、移り気なこころ』の待望の再上映とともに、日本の映画史を更新する鮮烈な手法と天才的な感性で観る者を魅了する清原惟監督の劇場デビュー作『わたしたちの家』をお届けします。

★『わたしたちの家』上映後、
清原惟監督諏訪敦彦監督によるアフタートークを予定しています。
(司会:坂本安美/アンスティチュ・フランセ日本映画プログラム主任)

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『アルテミス、移り気なこころ』 Artémis, cœur d’artichaut
 

<2013年ブリィヴ・ヨーロッパ中編映画祭グランプリ受賞>

画像: © Les Artisans du Film

© Les Artisans du Film

(フランス/2013年/59分/モノクロ/デジタル/フランス語/日本語字幕)

監督:ユベール・ヴィエル
出演:フレデリック・バレー、ノエミ・ロセ、ユベール・ヴィエル

月の女神アルテミスが、現代社会に舞い降りた。美術学校の学生となったアルテミスは、ちょっと内気で変わった女の子。ある日、学校の食堂で快活で奔放なカーリイと出会い、人生が一変する。2人で海辺でキャンプをしたり、気になる男の子に話しかけたり、現実と寓話が同居しながら、かけがえのない時間を過ごす友情を描いたガールズロードムービー。メタフィクション的な語りとスーパー8のモノクロ映像が、ヌーヴェル・ヴァーグの瑞々しさを感じさせながら、初期映画のようなコミカルさも併せ持つ、映画づくりの煌きに満ちた珠玉の一本。

「かつてはみな子どもで、嘘も本当も、神も人間も、楽しさも悲しさも、映画の魔法のなかで一緒だった。灰色の21世紀に輝く宝石のような映画。アルテミスとカーリイの二人にありったけの愛を込めて!」野本幸孝(編集者)

16:50

『わたしたちの家』 Our House
 

<2017年PFFアワードグランプリ受賞>

画像: © 東京藝術大学大学院映像研究科

© 東京藝術大学大学院映像研究科

(日本/2017年/80分/カラー/デジタル/日本語)

監督:清原惟
出演:河西和香、安野由記子、大沢まりを、藤原芽生、菊沢将憲、古屋利雄、吉田明花音、北村海歩、平川玲奈、大石貴也、小田篤、律子、伏見陵、タカラマハヤ

セリはもうすぐ14歳。父親が失踪して以来、母親の桐子と2人暮らし。最近、お母さんに新しい恋人ができて複雑な気持ちになっている。さなは目覚めるとフェリーに乗っており、自分に関する記憶がなくなっていた。彼女は船内で出会った女性、透子の家に住まわせてもらうことになる。セリとさな、2人の別々の物語が、ひとつの「家」の中で交錯する…。ベルリン国際映画祭、香港国際映画祭、バルディビア国際映画祭など、海外からの招聘も相次いでいる。

「1+1が2になるのではなく、互いに依存することも葛藤することもなく、ただ1と1としてあることで世界を開いてゆく。 その“開かれ”に風が吹き込むとき、ふたつの淡い物語の旋律はやがてひとつの響きとなって、世界をみずみずしく息づかせるのだ。」― 諏訪敦彦(映画監督)

「一方が現実なら、もう一方はマボロシで、そっちが現在なら、あっちは過去だということになるのだが、いやひょっとすると全員が幽霊!?… 一軒の日本家屋を舞台にして、目もくらむような物語の迷宮が展開される。まるでヨーロッパの前衛小説を読んでいるようだ。」― 黒沢清(映画監督)

監督プロフィール

ユベール・ヴィエル Hubert Viel
1992年生まれ。ノルマンディー地方出身。エリック・ロメールやジャン=リュック・ゴダール、ギリシャ神話などにインスパイアを受け、2013年にスーパー8で撮影した初めての長編コメディー『アルテミス、移り気なこころ』を発表し、同年ブリィヴ・ヨーロッパ中編映画祭にてグランプリを受賞。2015年には2作目となる長編作品『Les Filles au Moyen Âge(原題)』を手掛け、少女たちが中世に生きる大人たちをシニカルかつチャーミングに演じた本作は、同年ボルドー国際インディペンデント映画祭にて準グランプリを受賞し、好評を博した。

清原惟 Yui Kiyohara
1992年生まれ。東京都出身。武蔵野美術大学映像学科卒。同大学在学中に監督した『暁の石』がPFFアワード2014に入選。同卒業制作の『ひとつのバガテル』がPFFアワード2015に2年連続で入選、第16回TAMA NEW WAVEにノミネートされる。その後、東京藝術大学大学院映像研究科にて黒沢清監督・諏訪敦彦監督に師事し、修了制作として撮影した初長編作品『わたしたちの家』がぴあフィルムフェスティバル2017でグランプリを受賞、ベルリン国際映画祭、香港国際映画祭など海外からの招聘も相次いでいる。

一般1200円/アンスティチュ・フランセ会員・学生:600円/東京藝術大学の学生無料
(同日2作品セットでのご購入は、一般1800円)
045-201-1514
東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室
〒 〒231-0005
横浜市 中区本町 4-44
★チケット販売
前売券の販売はございません。当日券は、会場の東京藝術大学(横浜・馬車道校舎)にて1本目の開演30分前より販売、現金支払いのみ。
*開場は、1本目開演30分前、2本目開演20分前より。1本目と2本目のチケットを同時にご購入いただけます。
*全席自由・番号順でのご入場・各回入替制。
*プログラムはやむを得ない事情により変更される場合がございますが、予めご了承ください。

交差する視点日仏インディペンデント映画特集 

主催:アンスティチュ・フランセ日本

助成:アンスティチュ・フランセパリ本部

アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム オフィシャル・パートナー:CNC、笹川日仏財団、TV5 MONDE

フィルム提供及び協力:愛知芸術文化センター、Les Artisans du Film、シネマテーク・フランセーズ、シネマテーク・ドゥ・トゥールーズ、同志社大学今出川校地学生支援課、パトリック・デュヴァル、Ecce Films、EYES FILMS、レ・フィルム・デュ・ロザンジュ、フィリップ・ガレル、小森はるか+瀬尾夏美、HEADZ、マーメイドフィルム、Migrant Birds Association カプリコンフィルム、Pigdom, ピラミッド・インターナショナル、ジャッキー・レイナル、槻舘南菜子、ザジフィルムズ、ボルドー国際インディペンデント映画祭、広島国際映画祭実行委員会、TAMA映画フォーラム実行委員会、第31回東京国際映画祭、ユニフランス、手束紀子

後援:横浜市文化観光局

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