史上最高のフィルメックスとも、噂された第19回東京フィルメックスの受賞結果が発表されました。また、それぞれ受賞作品の選考理由も合わせて以下のように発表されています・。

【第19回東京フィルメックス コンペティション 受賞結果】

第19回東京フィルメックス コンペティション審査員

ウェイン・ワン(審査委員長:米国/映画監督)
モーリー・スリヤ(インドネシア/映画監督)
エドツワキ(日本/イラストレーター、アート・ディレクター)
ジーン・ノ(韓国/ジャーナリスト)
西澤彰弘(日本/東京テアトル株式会社映画興行部長)

【スペシャル・メンション】 
『夜明け』 His Lost Name
監督:広瀬奈々子(HIROSE Nanako)

日本 / 2018 / 120分

画像: 【スペシャル・メンション】 『夜明け』 His Lost Name 監督:広瀬奈々子(HIROSE Nanako)

授賞理由
審査員は広瀬奈々子監督の「夜明け」をスペシャルメンションとしたい。
本作は、見事な脚本と演出により、柳楽優弥が人生を模索する青年を力強く演じるファミリードラマである。この若い女性監督の明晰なデビュー作品は日本映画の未来への一条の明るい光となった。

【審査員特別賞】 
『轢き殺された羊』 Jinpa
監督:ペマツェテン(Pema Tseden)

中国 / 2018 / 86分

画像: 【審査員特別賞】 『轢き殺された羊』 Jinpa 監督:ペマツェテン(Pema Tseden)

授賞理由
「私の夢を教えても、おそらくあなたは忘れるだろう。私が夢に従って行動すれば、あるいはあなたは覚えるかもしれない。ただ、私の夢にあなたを巻き込めば、それはあなたの夢にもなる。」
このチベットに箴言に始まるこのポップな西部劇ロードムーヴィは二人ともジンパという名の謎の人物とココシリへと私たちを誘う。一人は復讐のために人殺しを企て、もう一人は誤って殺してしまった羊の済度を求める。
息をのむ映像で神秘的でオペラのような夢の如く物語は語られ、チベット語で歌われる「オーソレミオ」で強調される。

【最優秀作品賞】
『アイカ(原題)』Ayka
監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)

ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国 / 2018 / 100分

画像: 【最優秀作品賞】 『アイカ(原題)』Ayka 監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)

授賞理由
最優秀作品賞はセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督の「アイカ」に贈る。出産後新生児を残して病院を逃げた25歳のキルギス人の女性の物語。借金を返そうと様々な仕事に就こうとするがうまくいかない。
本作はこの女性に降りかかる過酷な現実とモスクワで移民として生き抜いて行こうする彼女の意志を見事に描いている。ドキュメンタリー映画出身の監督は残酷な境遇を核心的でリアルなやり方で捉えている。各シーンは緊張に満ちていて見る者の心を打つ。

学生審査員賞
『ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)』
Long Day’s Journey into Night
監督:ビー・ガン(BI Gan)

中国、フランス / 2018 / 140分

画像: 学生審査員賞 『ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)』 Long Day’s Journey into Night 監督:ビー・ガン(BI Gan)

授賞理由
男と女、2人の究極的な愛は、地球の自転にも抗った。
男が誰と出会ったのか、本当に出会ったのかさえ不確かだが。
ようやく縫い合わせた錆びた記憶の欠片たちと、眠ってしまったのかと錯覚してしまう夢のような一時。
「意味」は遥か先に隠され、どこを探しても見つけらない。
僕らは宇宙からやってきた監督に別世界に、別の宇宙に連れ去られた。
大冒険は終わったのか、まだ帰ってきているのかも分からない。
映画表現へのこの革命的ギャンブルは、新たな扉を叩いただろう。
そして、映画に対する確固たる愛と覚悟を見せつけ、僕らの背中も大きく押してくれた。

● 学生審査員:
石井達也(東放学園映画専門学校卒)、池本ミナミ(大阪芸術大学映像学科卒)、久米修人(日本映画大学)

全上映作品を対象にした観客賞

観客賞
『コンプリシティ』 Complicity
監督:近浦啓 (CHIKAURA Kei)

日本、中国 / 2018 / 116分 製作:クレイテプス

画像: ©2018 Creatps / Mystigri Pictures

©2018 Creatps / Mystigri Pictures

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