舞台と映画、設定は同じなのに全く違うストーリー!
異色の作品『ONLY SILVER FISH–WATER TANK OF MARY’S ROOM』、今回が初メガホンの西田大輔監督と、出演した松田凌・玉城裕規に作品の見どころをインタビューした。

この(脚)本は自分にしかわからないけど、こう撮りたいというのは全部ある。

:今回の作品を作るきっかけは何ですか?

西田:元々は舞台でしたが、映画と連動してやってみないかというお話を頂きました。ですが、舞台のために作ったものを映像にトレースするのはちょっと違うなと思い、全く新しい物語を映像を撮るために書き下ろしたいということで、この映画を作りました。

:映画の公開は舞台の後ですよね。撮影はいつ行われたんですか?

西田:舞台の稽古前でした。

:意外と映画のほうが先なんですね。この映画を見る方は、舞台のことがものすごく気になると思うんですがその点はいかがですか?

西田:映画も舞台も共通してることは一点だけ。世界に一匹だけの魚がいる。水槽にいるその魚の名前を知ることができれば過去を振り返ることができるという設定です。そこに集う人たちの物語なんですが、舞台の方は1910年代のイギリスなので、全員イギリス人という設定があるんです。映画に関してはあえて時代は明確にしていないんですけど、いわゆる現代日本と捉えて頂ければ。特にぼかしてはいないんですけれど、ちょっとそういう意図はありますね。

画像: 左より西田大輔監督、出演の松田凌さん・玉城裕規さん

左より西田大輔監督、出演の松田凌さん・玉城裕規さん

:松田さんと玉城さんは映画を撮ってから舞台を演じたということですよね。オファーを頂いた時や脚本を読んだ印象はいかがでしたか。

松田:心躍りましたよ。自分はもともと演劇から出てきた人間で、あまりやったことのない映画という場所に足を踏み入れられるまたとない機会ですよね。脚本は映画の方を先に読んだんですけど、全くわからなかったです。訳が分からないとかではないんですよ。深く読もうとすればするほど引っかかりも出てくるし、そこに対して何かちょっと追求したい気持ちも出てきて。そういうのがすごく重なりあって、何から整理して行こうかなという新しい物の見方ができたかなと思います。現場の人や(西田)大輔さんと話すことが自分にとってキーになっていました。

画像: 松田凌さん

松田凌さん

玉城:西田さんと初めて映画を撮るということで、それだけですごく楽しみでした。(松田)凌ちゃんとできる楽しみもあって。舞台と映画で連動している作品は何度かやっているんですけど、設定だけ一緒で他がまるっきり違うのが初めてだったので、やっていてすごく新鮮でした。今まで自分の中に入ってきた作品とはまた違う入り方をしましたね。

:西田さんは、お二人についてはどのような印象でしょうか。

西田:今、本当に活躍している俳優さん達なので。舞台でこの二人が揃うというのもなかなかないことです。僕の中では、映像でやるという意味でこの二人がいるのはものすごく心強かったです。勝算はあって、これで行けるなという思いはありましたね。映画の撮影中、二人から、監督何をやりたいんですかみたいなことを聞かれたんです。僕、思っていることがあって。世界的に考えればただの無名の人間たちだけど、なんか訳わからないものを作りたいんだよと。それを一言言ったら、あっ分かりましたって、二人ともさっと行けるんですよ。その言葉でポンと行けるこの二人はやっぱりすごいなと思いましたね。

画像: 西田大輔監督

西田大輔監督

:松田さんは、西田監督についてはどのような印象でしたか。

松田:大輔さんが初めてメガホンを取るということで、脚本を見た時にこれどう撮るんだって正直思ったのが強かったんです。ただ、今までの作品、演劇からそうだったけど、西田大輔という人の中での、頭の中なのか心の中なのかわからないけど、誰も知り得ないような世界があるんですよね。その箱を開けられた時、自分たちは有無を言えなくなるというか、納得せざるを得ないものが出てきてしまうという。天才とかカリスマ性があるとか、そういった言葉にはまとめられないぐらいの可能性を役者として感じてしまう。この人と一緒に作品を作っていく上で、何か違うところを見れるぞこれは、という。そういったものをものすごく役者にも与えてくださるし、それがおそらくお客様に伝わっているから、今回初めてメガホンを取るという機会にもなったと思うんです。

:玉城さんはどうですか、西田さんとご一緒して。

玉城:凌ちゃんが言っていたのもそうなんですけど、舞台の世界において、西田大輔という人間はある種確立してるものがある。映画の現場では、西田監督は初めてじゃないですか。わからないことはすぐ聞くんですよ、役者にもスタッフさんにも、全員に聞くんですよ。わからないことを聞くって、言ったら変なプライドなんか無く、全部落としてひとつの作品作りのためにやる作業なんですよね。こうやって吸収してこの西田大輔という人間はどんどん膨らんでいってるんだな、だからこそ未知数なんだなと改めて思いました。人間力、高いです。

画像: 玉城裕規さん

玉城裕規さん

:さて、作品の見どころも教えてください。

西田:この映画は彼ら全員の物語ではあるんですけれども。僕は水槽が主役かなとも思っていて。水槽を主人公にした、彼らがどうありたいのかということを問うだけの簡単な設定なんだなという思いはあるんです。ある意味シンプルである意味訳が分からないという。

松田:色。一つは色を見て欲しいですね。娯楽でも芸術でも、別に何でもないんです。ただ映画。これを見て、皆さんが何を一番初めに思うのかが知りたい。すごくそれに僕自身も興味があります。この謎を誰か一人でいいから解いてみてほしい。解ける人がいるんだったら是非手を挙げてほしい。僕たちに伝えてくれたら、それが答えになるかもしれない。

玉城:舞台よりも、より具体的に西田さんが描く脳内が垣間見えている作品だなと思います。あくまでも僕、個人的な意見ですが、人間の醜い部分の違う形を見れたかなとは思います。見方によっては各々違うと思うんで、いろんな見方をして頂けたらなと思います。

画像: この(脚)本は自分にしかわからないけど、こう撮りたいというのは全部ある。

:最後に、これまでの仕事の中でこの映画が担う役割はどのようなものでしょうか。

西田:僕はこれが初めての映画なんで。一番開きたかった扉が開いたと思っています。世界に行きたいですね。その目標ができました。

玉城:この作品に携われたことでもう刺激ですし、自分にとってプラスです。この作品を広く見ていただけれた嬉しいですね。

松田:欲を言えば、映画をやりたいです。僕が役者を始めたきっかけは演劇で。そのスタート、扉が見えた時に無理やりこじ開けたんですよ。で、役者になっちゃって。今、生きてきちゃって。で、また映画っていう扉が見えて、こじ開けちゃった。また、行きたいな、そこへ。自分の役者人生にとって、もう忘れることのないと言うか、もう嫌でも心の中には刻まれるような作品になったなと思います。

画像: 左、玉城裕規さん、中央、西田大輔監督、右、松田凌さん

左、玉城裕規さん、中央、西田大輔監督、右、松田凌さん

映画「ONLY SILVER FISH」予告編映像

画像: 映画「ONLY SILVER FISH」予告編映像 youtu.be

映画「ONLY SILVER FISH」予告編映像

youtu.be

STORY

人里から離れた古い洋館。 その屋敷に置かれた大きな水槽の中には、ONLY SILVER FISHと呼ばれる1匹の魚がいる。 そこに集まった、黒ネクタイの男(松田凌)、ネックレスの女(皆本麻帆)、白ネクタイの男(玉城裕規)、チョーカーの女(高柳 明音)ら、名前も素性もわからない十数名の男女。 そしてその中の一人が持っていた招待状には、次のような謎の言葉が…。 「ようこそ。消したい過去のある皆様へ。取り戻すことのできない過去を取り戻す幸運さをその魚は知っている。但し、その魚の 名を当てる事が出来れば、一度だけ、過去を振り返ることができる」 そして、それぞれが持っている招待状の指令によって、一人、また一人とその場にいる人間が殺されていく。 なぜこんな不条理な連続殺人が起きるのか? なぜ彼らは洋館に集められたのか? 恐るべき陰謀による、時空を超えた命がけのゲームが、今、始まる!

出演:松田凌、皆本麻帆、玉城裕規
高柳明音(SKE48) 伊藤裕一 山口大地 小槙まこ 双松桃子 菊地美香 辻本耕志 中村誠治郎 川本成

原作・脚本・監督:西田大輔 
音楽:和田俊輔

エグゼクティブプロデューサー:東城祐司 遠田孝一 
プロデューサー:中西研二
撮影監督:根岸憲一 
照明:本間光平 
録音:谷山一也 
美術 :村上輝彦
編集:安部華子 
衣装:瓢子ちあき 
メイク:瀬戸口清香 
スクリプター:山本明美

ガンエフェクト:早川光 
音響効果:栗山伸彦 
助監督:倉木義典

特別協賛:オリエンタルバイオ  
企画・製作:メディアミックス・ジャパン 
配給:ベストブレーン

©2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会
2018年/DCP/ステレオ/86分
公式Twitter:@onlysilverfish

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