フィルムからデジタルへと移行し、映画の多様な形態、方法が模索される現在、何をもって「インディペンデント映画」とよぶことができるのか、あるいはよぶべきなのか。

本特集上映ではそうした問いを掲げながら、フランスと日本において、自分たちが撮りたい、撮るべきだという想い、信念のもと、様々な制約、困難を乗り越えて、映画の可能性を切り拓く独創的な作品を生み出している日仏の作り手たちを迎え、彼らの作品、あるいは彼らがセレクトした作品を、横浜、東京、両会場にて特集しています。

2018年11月17日は横浜で開催!

交差する視点日仏インディペンデント映画特集
横浜 YOKOHAMA2018-11-17

ベルトラン・マンディコ×
鈴木卓爾 

フランス映画界では類を見ないファンタジックホラーな世界観と官能的な造形美で注目を集めているベルトラン・マンディコ監督の『ワイルド・ボーイズ』日本初公開に併せて、日本映画界に前代未聞の発想で革新をもたらし、今もなお映画づくりの新しい可能性を提示しつづける鈴木卓爾監督の名作『ジョギング渡り鳥』をご紹介します。

★『ワイルド・ボーイズ』上映後、ベルトラン・マンディコ監督、鈴木卓爾監督、俳優のエリナ・レーヴェンソンによるアフタートークを予定しています。(司会:坂本安美/アンスティチュ・フランセ日本映画プログラム主任)

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『ジョギング渡り鳥』 鈴木卓爾監督
 Jogging Wataridori

<第8回TAMA映画賞特別賞受賞>

画像: © 2015 Migrant Birds Association / THE FILM SCHOOL OF TOKYO

© 2015 Migrant Birds Association / THE FILM SCHOOL OF TOKYO

監督:鈴木卓爾
出演:中川ゆかり、古屋利雄、永山由里恵、古川博巳、坂口真由美、茶円茜、矢野昌幸、小田篤、古内啓子、柏原隆介、小田原直也、吉田庸、佐藤駿、山内健司、兵藤公美、古澤健
遠い星からやってきたモコモコ星人は、神を探す長い旅を経て地球にたどり着いた。母船が壊れ帰れなくなった彼らは、とある町の人々をカメラとマイクで観察しはじめた。人間のように「わたし」と「あなた」という概念がない彼らは、いつしか町の人々が直面している「わたしはあなたではない」という近代人間的事実に直面する―。果たしてモコモコ星人は「神」と出会うことができるのか。 地球人と宇宙人が入り乱れて織りなすドタバタ青春群像は、不思議なポリフォニーとなって、やがて魂を震わすコーラスを奏で始める。
(日本/2015年/157分/カラー/デジタル/日本語)

「これこそ真の意味でリアルな映画なのだ。その稀有のリアルさを体験すべく、衛星に乗ってでも映画館へかけつけよ!!!蓮實重彦(映画評論家)

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『ワイルド・ボーイズ』 ベルトラン・マンディコ監督
 Les Garçons Sauvages 

< 2017年ボルドー国際インディペンデント映画祭長編部門グランプリ受賞>

画像: © Ecce Films

© Ecce Films

監督:ベルトラン・マンディコ
出演:ヴィマラ・ポンス、ポリーヌ・ロリラール、ディアンヌ・ルクセル、アナエル・スノーク、マチルド・ワルニエ、サム・ルーウィック、エリナ・レーヴェンソン
20世紀初頭。良家出身の5人の少年が、ある日解放的な気分に魔が差して、卑劣な罪を犯してしまう。罪を償うため謎の船長に預けられた少年たちは、過酷な航海の旅へと連行される。そこで密かに反乱を企てる5人だが、ある無人島に座礁すると、そこには快楽を与えてくれる幻想的な植物が生い茂り、いつの間にか欲望に溺れていく。すると、少年たちの身体は次第に変異していき、ゆるやかにジェンダーの境界線が溶けていく…。デジタルトリックに一切頼らない、驚くべき造形の美しさも見所のひとつ。
(フランス/2017年/110分/モノクロ&カラー/デジタル/フランス語/日本語字幕) R12+

「ベルトラン・マンディコの映画はどのジャンルにも属さない。彼は、20歳から独自のジャンルを忍耐強く構築してきたのだ。マンディコの映画における幻想的なるものは自然の中に存在している。彼がカメラを置くのは、草木が繁茂し、官能的で突然変異する場所だ」ステファン・デュ・メスニルド(映画批評家、カイエ・デュ・シネマ誌同人)

ゲスト
プロフィール

ベルトラン・マンディコ Bertrand Mandico
1971年生まれ。ヨーロッパにあるいくつかの芸術機関に従事し、監督として多くの短編を制作。短編のうち『Boro in the box』『Living still life』はカンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭に招待されるなど、多くの賞を受賞している。21年間で21本の短編を女優エリナ・レーヴェンソンと共に制作しつつ、『ワイルド・ボーイズ』(2017)で長編デビューを果たす。最新作『アポカリプス・アフター』は、2018年カンヌ国際映画祭の国際批評家週間にて上映され、その異色の才能に映画界の注目が集まっている。

鈴木卓爾 Takuji Suzuki
1967年生まれ。8ミリ映画『にじ』がPFFアワード88にて審査員特別賞を受賞。脚本家・俳優としても活躍。監督作品として、第31回ヨコハマ映画祭新人監督賞、第19回日プロ大賞新人監督賞&作品賞受賞の『私は猫ストーカー』(2009)、第25回高崎映画祭最優秀監督賞受賞『ゲゲゲの女房』(2010)、東京国際映画祭正式出品作『楽隊のうさぎ』(2013)などがある。最新作『ゾンからのメッセージ』(2018)では、今まで見たことのない映画のあたらしい表現をもって観る者に大きな感動を与えている。

エリナ・レーヴェンソン Elina Löwensohn
1966年生まれ。ルーマニアのブカレスト出身。高校卒業後、ミシガン大学にて芝居を学ぶ。その後、ニューヨークに移り芝居の勉強を続けるなか、25歳のとき、ハル・ハートリー監督の短編『セオリー・オブ・アチーブメント』で映画デビュー。その後も、ハートリー作品の『シンプルメン』、『愛・アマチュア』に出演し、ハートリー作品に欠かせない女優となる。その他の出演作としては、『シンドラーのリスト』、『クロコダイルの涙』などがある。ベルトラン・マンディコの作品にも数多く出演し、独特の存在感で異彩を放っている。

横浜 YOKOHAMA2018-11-17
一般1200円/アンスティチュ・フランセ会員・学生:600円/東京藝術大学の学生無料
(同日2作品セットでのご購入は、一般1800円)
045-201-1514
東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室
〒 〒231-0005
横浜市 中区本町 4-44

交差する視点–日仏インディペンデント映画特集
主催:アンスティチュ・フランセ日本
助成:アンスティチュ・フランセパリ本部
アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム オフィシャル・パートナー:CNC、笹川日仏財団、TV5 MONDE
フィルム提供及び協力:愛知芸術文化センター、Les Artisans du Film、シネマテーク・フランセーズ、シネマテーク・ドゥ・トゥールーズ、同志社大学今出川校地学生支援課、パトリック・デュヴァル、Ecce Films、EYES FILMS、レ・フィルム・デュ・ロザンジュ、フィリップ・ガレル、小森はるか+瀬尾夏美、HEADZ、マーメイドフィルム、Migrant Birds Association カプリコンフィルム、Pigdom, ピラミッド・インターナショナル、ジャッキー・レイナル、槻舘南菜子、ザジフィルムズ、ボルドー国際インディペンデント映画祭、広島国際映画祭実行委員会、TAMA映画フォーラム実行委員会、第31回東京国際映画祭、ユニフランス
後援:横浜市文化観光局

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