定住せず、旅をしながら映画を構想し、辿り着いた地で映画を撮影する。「シネマドリフター」と呼ばれる映画監督リム・カーワイの新作『どこでもない、ここしかない』が、11月3日(土祝)より池袋シネマ・ロサで公開されております。

前回に続き、今作の製作に至ったカーワイ監督の旅日記を公開に合わせ、緊急連載の第2回です。

シネマ・ドリフターの映画旅日記は続く

バルカン半島を旅した時、色々な面白い人と出会った。フェルディはその中の一人なのだ。リュブリャナに来た時、彼が経営していたゲストハウスに泊まった。当時、彼は独身だった。

画像1: © Cinema Drifters

© Cinema Drifters

でも去年撮影が始まる前に、彼を訪ねると、ヌーダンともう結婚した。ヌーダンを紹介してくれた時、夫婦の話を作れるではないかと突然に閃いた。そして、すぐ二人を映画に出演してくれるように口説いた。

恐らく最初二人が私に出演のオファーをされた時、私がなにをやりたいかに疑っていたではないかと思う。逆に、どうせこれで映画を撮れるわけがないだろう、途中、あきらめることになるだろうと腹を括って、私の出演オファーに応じてくれるようになった。でも私は真剣だ。撮影するに従って、私の本気はますます二人にプレジャーを感じさせ、途中辞めたいとさえ言われた。

画像2: © Cinema Drifters

© Cinema Drifters

私の仕事はいかに彼のキャラクターを発展させ、彼の存在感を光らせるかを演出することに尽きるのだった。

一週目の撮影が終わってから彼の家族の物語をいかに撮るか考え始めた。5週目の撮影が終わってから、一本の長編を構築するにはおそらく十分な素材を撮影したではないかと思い、映画をクランクアップすると決めた。

我々は5週間を使ってこの映画を作ったが、基本的に、いつもカメラを回したわけではない。ほとんどの時間は我々は飲んだり、しゃべったり、遊んだり時間を一緒に過ごした。
これは出演者とスタッフとのコミュニケーションを計ることもできたし、出演者の一番芝居ができ、一番良い表情を見せることができたタイミングを狙ったわけでもあった。

画像3: © Cinema Drifters

© Cinema Drifters

この映画のスタイルは一見ドキュメンタリー映画だと見えるが、実は我々が作ったのは間違いなくフィクションなのだ。いずれにしろ、この映画はとても挑戦的で冒険的だと思う。とくに、まったく知らない場所で、予算がない、製作のリソースも不十分の中で我々はよくやれたではないかだと思う。

リム・カーワイ
マレーシアで生まれ、大阪大学卒業後は通信業界で働いていたが、北京電影学院卒業後、2010年北京で「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」を自主制作し、長編デビュー。
その後、香港で「マジック&ロス」(2010年)、大阪で「新世界の夜明け」(2011年)、「恋するミナミ」(2013年)を監督。2016年に中国全土で一般公開された商業映画「愛在深秋」(「Love in Late Autumn」)(2016年)を監督。
過去の作品は世界各国の映画祭以外、東京、大阪、ニューヨークのアート系劇場で特集を組まれたり、日本でも全国一般劇場公開されたりする。「どこでもない、ここしかない」はバルカン半島で撮影を敢行した初の作品であるが、今夏、再びバルカン半島へ渡り、セルビア、クロアチア、モンテネグロで長編映画7作目「Somewhen,Somewhere」を監督するなど、国境にとらわれない作品を続ける。

リム・カーワイ監督『どこでもない、ここしかない』予告編

画像: 映画『どこでもない、ここしかない』予告編「No Where,Now Here」trailer youtu.be

映画『どこでもない、ここしかない』予告編「No Where,Now Here」trailer

youtu.be

アフタートークも連日開催中!

スロベニア・マケドニア・マレーシア・日本の合作でありながら、スタッフと予算は最小限。
キャストは素人を起用し、演出も即興。そんな独自で大胆な方法論ながら、人間を優しく繊細に見つめる眼差しに満ちた本作を、同じく越境しながら作品を作り上げているクリエイターたちが語り合う。
あの『カメラを止めるな!』を放った劇場で、あらたなインディペンデント・ムーヴメントを巻き起こす夜が始まる。

◆アフタートーク・スケジュール (連日20:45分より上映開始 上映時間90分 連日リム監督登壇)

・第一夜:11月3日(土祝)20:45の回上映後 オダギリジョー(俳優)
・第二夜:11月4日(日)20:45の回上映後 濱口竜介(映画監督)
・第三夜:11月5日(月)20:45の回上映後 秦俊子(アニメーション作家)
・第四夜:11月6日(火)20:45の回上映後 向井康介(脚本家)
・第五夜:11月8日(木)20:45の回上映後 舩橋淳(映画監督)
・第六夜:11月9日(金)20:45の回上映後 渡辺真起子(女優)
・第七夜:11月10日(土)20:45の回上映後 冨永昌敬 (映画監督)
・第八夜:11月12日(月)20:45の回上映後 内田伸輝 (映画監督)
・第九夜:11月13日(火)20:45の回上映後 相澤虎之助 (空族・脚本家)
・第十夜:11月16日(金)20:45の回上映後 田中泰延 (青年失業家・写真者)

【2018年/スロベニア・マケドニア・マレーシア・日本/カラー/DCP/90分】

【監督/編集】リム・カーワイ
【撮影】北原岳志【録音】山下彩
【音楽】Lantan
【音楽プロデューサー】渡邊崇

【出演】フェルディ・ルッビジ,ヌーダン・ルッビジ,ダン, アンニャ・キルミッスイ,アウグストゥス・クルースニック

【スチール】オーレリアン・バッティスティーニ
【宣伝美術】阿部宏史 【宣伝】contrail
【宣伝協力】梶田理恵
【製作/配給】Cinema Drifters

© Cinema Drifters
[2018/Japan, Slovenia, Macedonia, Malaysia/Color/DCP/90 min]

11月3日より池袋シネマ・ロサにて二週間限定レイトショー。
12月8日より大阪市ネ・ヌーヴォにて公開。

This article is a sponsored article by
''.