あの現実を超えた世界を生みだした、20世紀を代表する版画家、M.C.エッシャーの展覧会が生誕120年を記念して、遂に、関西に上陸しました。
マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)は、実際にありそうで存在しない、唯一無二の世界を創り出し、今なお、世界中の人々を魅了し続けています。
彼の精密で科学的、独創的な版画は、クリエイターをはじめ、数学者や建築家など幅広い分野の専門家にも大いに影響を与えてきました。
日本でも、1970 年に少年雑誌で紹介されると注目を集め、多くの展覧会が開催されてきました。
今回のエッシャーの生誕120 周年記念の大展覧会では、世界最大級のエッシャーのコレクションを誇るイスラエル博物館の所蔵品より、“視覚の魔術師”とも言われたエッシャーの代表的な“トロンプルイユ(だまし絵)”の作品をはじめ、初期の作品や木版、直筆のドローイングなど選りすぐりの152点を公開致します。
日本初公開のコレクションの中でも、自身による初版プリントが公開される「メタモルフォーゼⅡ」は4メートルにも及ぶ超大作で、大変貴重です。是非この機会にお見逃しなく、足をお運びください。
“奇想の版画家”エッシャーはどのようにして唯一無二の作品を生み出したのでしょうか。
本展は、「科学」、「聖書」、「風景」、「人物」、「広告」、「技法」、「反射」、「錯視」の8つの観点から構成されていて、その謎に迫ります。
それでは今からシネフィル上でまさに「ミラクル」なエッシャーの世界をご案内いたします。

画像: 《椅子に座っている自画像》 1920年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands. All rights reserved. www.mcescher.com

《椅子に座っている自画像》 1920年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.
All rights reserved. www.mcescher.com

エッシャーの作品に登場する人物は、反復されるパターンのモティーフのひとつでしたが、初期の作品では、単一の人物を手掛けています。
これは5番目に制作された版画で、若き日のエッシャーが椅子に腰かけ、たばこを吸っているところです。かなり低い視点から描いていて、フレームの中央を占める彼の足がかなり斜めに位置されています。
この時期エッシャーは、建築学を専攻する若い学生でしたが、版画の世界を発見し、将来の職業について心が揺れていたようです。

画像: 《眼》1946年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《眼》1946年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

画面いっぱいの眼画インパクトのある作品です。
鑑賞者を見つめる芸術家の眼が髭剃り用の鏡に映った映像として描かれています。
メゾティントと呼ばれる珍しい技法が使われました。
第二次世界大戦の後の暗い世界を映しているような作品です。
眼の瞳孔には骸骨が映っています。
エッシャーはその意味を「泣いても笑っても、私たちはみな死と向き合っている」と、
述べています。
エッシャーの師ド・メスキータは、ユダヤ人ゆえに、戦争で殺されてしまいましたが、「感受性絵画」と呼ばれる、ねじれや想像上の絵画を特徴とする特別な技法を開発した、超写実主義の版画家でした。

画像: 《昼と夜》 1938年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《昼と夜》 1938年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

これこそ、エッシャー芸術の神髄、だまし絵(錯視)です。
白い鳥と黒い鳥の一群が互いに飛翔する形態が描かれているのですが、見方によっては反転する、まさにミラクルな世界です。
エッシャー自身は次のように説明しています。
「白鳥郡は昼間の空と風景に溶け込んでいき、黒い鳥群は夜の中に溶け込み始める。昼と夜の風景は、互いの鏡像になっているが、それら2つをつなぐものは、中央部に展開されている灰色の畑であって、この灰色の畑の中から、鳥たちはいま一度その姿を現す。」
―何というミラクルでしょうか。

画像: 《相対性》 1953年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《相対性》 1953年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

この版画はエッシャーによって3方向に重力が働いていて、互いに垂直になっています。
小さな人の3つのグループは互いに関わることなく別の世界に住んでいるようです。
エッシャーは重力について、私たちは重力の「哀れな奴隷」とも述べています。
このリトグラフに創造された世界には、7つの吹き抜け階段と、3つの庭があるのですが、
それらは彼の作品の多くに登場する美しい自然、地中海の南イタリアの風景でしょう。

画像: 《滝》1961年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《滝》1961年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

この作品もエッシャーらしい「だまし絵」になっています。
緻密に描かれた粉を引く水車小屋とそこからつながるジグザグの水路です。その水路をたどると、上へ登っていき、やがて水車の上へと水が滝のように流れ落ちています。
上下の段差がないはずの水路が一見すると「上」に上がっているようなイメージを創り出しているのです。
この建物の背景にうっすらと描かれている階段状の背景は、彼が何度も描いた南イタリアの段丘で、織田裕二と天海祐希主演の映画の舞台にもなった、世界的に有名なアマルフィ海岸の段丘なのです。本作は、エッシャーの代表作で、《上昇と下降》(作品番号149)とともに、数学者ペンローズ親子の論文に登場した「ペンローズの三角形」に着想を受けて制作されています。

画像: 《メタモルフォーゼⅡ》(部分) 1939~40年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《メタモルフォーゼⅡ》(部分) 1939~40年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

画像: 《メタモルフォーゼⅡ》(全図) 1939~40年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

《メタモルフォーゼⅡ》(全図) 1939~40年 All M.C. Escher works © The M.C. Escher Company, The Netherlands.All rights reserved. www.mcescher.com

エッシャーが1939-40年に生み出した大作《メタモルフォーゼⅡ》は、幅4メートルに及ぶ作品で、文字から始まり、様々な形態が変容しながら循環し続け、やがて最初の文字へと戻るものです。
まさにエッシャー芸術の集大成でしょう。
エッシャーはスペインのアルハンブラ宮殿のムーア式建築の装飾に感動し、《メタモルフォーゼⅡ》を制作しました。
ムーア人の芸術家たちは、宗教的理由からか、実在する魚や鳥、爬虫類、人間などは一切用いず、抽象的な幾何学模様のデザインだけを描いていました。
逆にエッシャーは、すべての要素を作品に盛り込み、自由に芸術を楽しみました。
当時を象徴する「絶え間ない変化とイノベーション」という精神は、エッシャーを新しい分野への開拓に導きました。
彼は形態変化を芸術にしたのです。
エッシャーが科学、数学の知識をもとに超越した技術で創造した、未知の芸術世界。
みなさまも、是非、この機会に、あべのハルカスの「ミラクル エッシャー展」で、不思議な世界をご堪能ください。

展覧会概要

会 場:あべのハルカス美術館
    大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
 
会 期:2018年11月16日(金)~2019年1月14日(月・祝)
 
休館日:11月19日(月)、26日(月)、12月31日(月)、1月1日(火・祝)
 
開館時間:火~金/10時-20時、月土日祝/10時-18時 ※入館は閉館30分前まで
 
料金:      当日券   前売券・団体
一 般      1,500円   1,300円
大学生・高校生  1,000円    800円
中学生・小学生  500円     300円
 
※価格はすべて税込です。
※前売券団体料金は15名様以上からの適用になります。
※未就学児童は無料。
※障がい者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添い1名様まで当日料金の半額でご覧いただけます。
※前売券は9月15日(土)から11月15日(木)まで販売。
※本展観覧券(半券可)の提示で、特別展「ルーヴル美術館展」(2018年9月22日(土)~2019年1月14日(月・祝)、大阪市立美術館)の当日券を100円引きでご購入いただけます。ほかの割引券との併用不可。(1枚につきお一人様1回限り有効)
主 催:イスラエル博物館、あべのハルカス美術館、産経新聞社、関西テレビ放送
 
後 援:イスラエル大使館、大阪市教育委員会
 
協 賛:野崎印刷紙業、大阪芸術大学グループ
 
協 力:Blue Dragon Art Company、日本通運
 
日本展監修:熊澤 弘(東京藝術大学 大学美術館准教授)
 
お問い合わせ:06-4399-9050(あべのハルカス美術館)

ミラクル エッシャー展@大阪 cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、ミラクル エッシャー展@大阪 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2018年12月9日 24:00 日曜日 

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
  5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい
 (複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます

This article is a sponsored article by
''.