中国の若手インディペンデントの監督たちの活躍が世界でも際立ってきています。
2018年はすでに、ロッテルダム国際映画祭でタイガー・アワードを受賞した蔡成傑監督のデビュー作『The Widowed Witch』や、カンヌ国際映画祭で2作目となる長編『Long Day's Journey Into Night』を発表し、シネフィルでも何回か紹介したビー・ガン監督など続々と海外のART FILMで脚光を浴びる監督を輩出しており、これらの映画にほぼ市場のない国内ではなく、積極的に海外とのコラボをも模索しているようです。
そんな中、同じく中国作品で2018年ベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映され初監督作品賞スペシャルメンションとフォーラム部門での国際批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を同時に受賞した胡波(Hu Bo)監督の長編デビュー作にして最後の作品となってしまった『An Elephant Sitting Still』の海外予告が公開されました。
自身の作品の海外での賞賛も知らぬままに、胡波(Hu Bo)監督は、2017年10月12日に29歳の若さで自殺。
最初で、最後の作品となった今作で評判を呼び、まだこれからもカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭など多くの海外映画祭に招待されていると同時に、海外の批評でも絶賛を浴びている作品です。
中国の華北の小さな町を舞台にしている4時間の及ぶ作品は、その中では1日に起こる4つのエピソードが重なり合い、暗く重いテーマを延々と描いています。
決して経済成長し大国となった中国の輝いた姿ではなく、その中での影というべき、地方の町での憂鬱、虚無、不倫、暴力が淡々描かれていきます。
予告からも、その端々に表現者として純粋な精神から生まれ出た映像が響き伝わってきます。