様々な“家族のかたち”を描き続けてきた是枝裕和監督が「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」
と語る渾身作『万引き家族』が​いよいよ​6月8日(金)より全国公開となります。
第71回カンヌ国際映画祭【コンペティション部門】にて最高賞<パルムドール>を受賞!
21年ぶりの快挙を成し遂げた本作は、6月2日(土)3日(日)の2日間限定で先行公開され、
​週末2日間で全国325館326スクリーン、
動員:152,872名/興収:193,709,400円の好成績をあげる大ヒットとなりました。
また、劇場で行った出口調査では満足度90%と非常に高い数字を叩き出しており、
「他の人に勧めたい」と答えた方の割合も92%に上るなど口コミ効果も
大いに期待できる結果となっております。
​また、外国人の方々からのたくさんのお問い合わせを受け、この度、英語字幕版の上映が決定!
6月21日(木)に是枝裕和監督が登壇する舞台挨拶付上映をTOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施予定。
6月23日(土)より新宿バルト9にて上映開始となります!​

そしてこの度、日本中を沸かせその興奮冷めやらぬ中、
是枝監督が、外国特派員協会にて記者会見を行いました。
会場いっぱいに集まった日本外国特派員協会(FCCJ)に所属する記者たちからの質疑応答に応え、
公開間近の本作に込めた熱い思いを語った是枝監督。会見最後には、
本日6日は是枝監督の​56歳の​誕生日ということで、協会からバースデーケーキがプレゼントされる
サプライズもあるなど、お祝いムードに包まれる中、会見は終了しました。

画像: 是枝裕和監督​登壇​!日本外国特派員協会記者会見-『万引き家族』公開間近の本作に込めた熱い想いを語るー初解禁映像も到着!

『万引き家族』日本外国特派員協会記者会見 概要
【日時】6月6日(水)
【場所】公益社団法人 日本外国特派員協会
【登壇者】是枝裕和監督

<会見内容>

パルムドール像を抱え会見場にやってきたこともあり、多くの拍手で迎えられ登場した是枝監督。
まず、映画委員会委員長のキャレン・セバンズより、本作に対する批評や政治的な様々な意見が
世界で飛び交っている現状について質問が及ぶと、是枝監督は
「僕自身、この映画ははじめから社会的、政治的なことを喚起してつくっているわけではない。
なので、こんなリアクションが起きるとは思ってもいなかった。
カンヌでの審査員たちの会話の中では、演出や役者やスタッフなど全ての調和がよかったといってくれたこと、審査員の女優たちがこぞって、この映画に出演する女優たちを褒めてくれたことが嬉しかった。
2000年代に入って、海外の映画祭に出品するようになり、日本映画は社会性、政治性がないことについて批判が含んだ形で指摘された。でもそれは現実。なぜならば、そのような映画をつくっても、
日本では興行に結び付かないからだ。
そのことが、日本の幅を狭くしていることは自覚していた。
2000年代以降は、ファミリードラマにこだわってつくっていた。しかし、ここ二年はファミリードラマに一度ピリオドを打ち、今回は現在が抱える社会問題に“家族”というものをおいて考えてみたいと思った。
恐らく、21年ぶりのパルムドール受賞ということもあり、僕が思っている以上にメディアに取り上げられ、普段、映画はみないような方もこの映画を知っていただいていることから、物議を醸している状況のようだ。
しかし、通常の枠を超えて多くの方にも届いていることについては前向きに捉えている」と回答。

その後、協会員である記者たちからの質疑応答に応えました。

画像1: 『万引き家族』日本外国特派員協会記者会見 概要 【日時】6月6日(水) 【場所】公益社団法人 日本外国特派員協会 【登壇者】是枝裕和監督

Q,脚本を書くにあたってどんなリサーチをしたのか?

実在した事件を元にしたわけではないが、ここ数年、“家族”を巡って起きている事件は元にしている。
<犯罪でしかつながれなかった家族>というフレーズが思い浮かんだとき、
まずは「年金詐欺」をベースに、優しさで集まっているわけではなく、
お金を目的として集まっている家族という設定にした。
そこから、家族で万引きをしているという事件の裁判の記事の中で、
「釣り竿だけお金を払わず家の中に置いてあった」という一文だけでまとめられているのが、
とても気になった。釣り場屋さんには申し訳ない話だが、そのとき、
きっとその盗んだ釣り竿で親子は釣りを楽しんだんだろうなというイメージが浮かんだ。
一番印象に残っているのは、養護施設に訪れたとき、小学生の女の子が
ふとランドセルから絵本の「スイミー」(レオ・レオニ作)を取り出し、
突然それを読み始めた。職員の方は、迷惑だからやめなさいと止めたが、
その女の子は結局その絵本を最後まで読み切った。その姿に感動し、
スタッフみんなで拍手をしたら、その女の子がとても嬉しそうに笑った。
きっと、この子は本当の親に聴かせたいのだろうと思った。
それが頭から離れなくて、映画の中でもこの出来事を反映したシーンを書き加えた。

Q,新しい企画が欧州で展開されると耳にしたが、言える範囲で構わないので教えてほしい。

まだ正式発表の前なのに、色々と漏れていて不思議だ(苦笑)。
秋にフランスでフランスの役者と映画を撮ろうと思っている。
6月からはパリに渡って準備を始める予定だ。まだ発表前なのに、
なぜか役者のギャラまで情報が出回っている(会場笑い)。
来月までには何かしらの形でお知らせできると思う。

Q,今回の映画は、政治を生業とする方が観衆にいると想定してつくられたのか?

その考えは全くありません。僕はTVをやっている時代から先輩に、
母親でも友人でも誰でもいいから、誰かひとりの為に作品をつくれと言われてきた。
それが、結果的に伝わると20代の頃に教えられた。
今、その質問を受けてはっきりとわかったことがある。
この作品は、「スイミー」を読んでくれたあの女の子の為につくっている。

Q,見えない花火を見上げるシーンが大好きなショットだ。是枝作品の多くは、
ある意味“家”が主人公であると捉えているが、“家”についてのこだわりを教えてほしい。

花火のシーンは、審査員のひとりであった、チャンチェンも好きだと言ってくれた。
審査員長だったケイト・ブランシェットがいっていた言葉を借りるならば、
今回は「invisible people=見えない人々」の物語をつくっている。
見えない、聞こえないものを観る側がどう捉えるかがモチーフにあった。
花火のシーンは、そのモチーフの中心にあると思う。撮影で使った家が見つかったことは、
成功に好転している。あの家は、実際にある家とその家の中はセットもつくっているが、
ロケとセットの見分けがつかないくらい精密につくられており、作品をみると、
正直どっちが本当かもわからないほどで、それほどあの家がこの作品の中に馴染んでいた。
こちらの要望に応え、あの家を見つけてくれたスタッフとそれを精巧に再現してくれた
美術スタッフには感謝の気持ちでいっぱいだ。あの“家“がこの映画において、
もう一方の主役だったのは間違いないと思う。

Q,ご自身が現地でみたコンペティション作品の中で、賞を獲るべきだと思った作品はあったか?

公式上映後は、有難いことに多くの取材依頼があり、他の作品を観る時間が全くなかった。
観た中でいえば、『万引き家族』が一番よかったかな(笑)(会場笑い)。

以上。

画像2: 『万引き家族』日本外国特派員協会記者会見 概要 【日時】6月6日(水) 【場所】公益社団法人 日本外国特派員協会 【登壇者】是枝裕和監督

まるで『万引き家族』Ver.『海街diary』!?
仲良し海水浴シーン映像が初解禁!

ある夏の日、人生で一度も海に行ったことのないゆり(佐々木みゆ)を連れて、家族は海水浴に訪れます。
末っ子のゆりを真ん中にして皆で手を繋ぎはしゃいだり、父の治(リリー・フランキー)の下半身が
水に濡れて透け、「水着じゃなくてパンツじゃん!」と騒いでいたりと楽しげな様子が映し出されている本映像。
『海街diary』(15)でも、四姉妹が海辺ではしゃぐシーンが印象的に描かれていましたが、
本シーンはまるで『万引き家族』verの『海街diary』のよう?!その仲睦まじい家族の姿に、
思わずみてるこちら側の顔が綻んでしまう和やかなシーンに仕上がっています。

ほぼ順撮りだったという本作ですが、本シーンはロケハンのつもりで撮ったものだったそうで、
既に顔合わせはしていたものの、簡単なプロットを渡されただけで、これがはじめての撮影だったとか。
しかし、是枝監督にとってこの撮影をしたことで新しい発想が生まれ、
本作で描く家族の形が定まっていったといいます。

果たして、家族を描き続けてきた是枝監督が、本作ではどんな家族を描くのか?決して明かしてはならない、ある一家の秘密がひもとかれていくうちに、未体験の心の震えが押し寄せる衝撃の感動作ー

また、映画公開翌日の6月9日(土)には、フジテレビ系「土曜プレミアム」枠にて『海街diary』(21時~)が、6月16日(土)には『そして父になる』(21時半から)が地上波放送決定!

本作の前後に是枝監督がこれまで描いていた“家族”の形を見比べてみると、作品への理解がより深まるかも。

仲良し海水浴シーン映像が初解禁!『万引き家族』

画像: 仲良し海水浴シーン映像が初解禁!『万引き家族』 youtu.be

仲良し海水浴シーン映像が初解禁!『万引き家族』

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是枝裕和監督『万引き家族』本予告

画像: 是枝裕和監督『万引き家族』本予告 youtu.be

是枝裕和監督『万引き家族』本予告

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<STORY>

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、
治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。
彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。
足りない生活費は、万引きで稼いでいた。
社会という海の底を這うような家族だが、
なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。
体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。
だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、
それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。

監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)

出演:リリー・フランキー 安藤サクラ 
   松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
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配給:ギャガ
​(C)2018『万引き家族』 製作委員会

​公式​twitter:https://twitter.com/manbikikazoku
​公式​ facebook:https://www.facebook.com/manbikikazoku/

6月​8日(金)​TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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