東京都美術館 企画展示室において2018年7月8日(日)まで「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」が開催されています。
珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れを紹介しています。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。

なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」を楽しめます。

画像: 会場に入るといきなりのSNSポイント。モネの《草上の昼食》の拡大版の前で撮影可能です。 photo©moichisaito

会場に入るといきなりのSNSポイント。モネの《草上の昼食》の拡大版の前で撮影可能です。
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みどころが三つ挙げられています。
1. ロシア・モスクワから65点が来日
革命前のモスクワで財をなした伝説的な2人のコレクター、セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフが19世紀末から20世紀初頭に収集したコレクションを中心に、モスクワのプーシキン美術館からフランスの近代風景画65点をご紹介します。
2. フランス近代風景画の流れがわかる
17世紀半ばから20世紀初頭のフランス風景画を、描かれた時代と場所を軸に展示します。芸術家たちの自然に対するまなざしと表現の変化をご堪能いただけます。
3. クロード・モネ《草上の昼食》初来日!
《草上の昼食》は、モネが印象派の画家として花開く前、20代半ばで描いたみずみずしい作品です。マネの《草上の昼食》に刺激を受け着手した、若きモネの挑戦が初来日します。

会場は大きく2部構成。

【第一部】は「風景画の展開ークロード・ロランからバルビゾン派まで」。
「第1章 近代風景画の源流」では風景画の黎明期の作品が紹介されています。神話や聖書の物語などの背景として描かれてきた風景は、17世紀のオランダにおいて「風景画」として独立しました。フランスの画家たちもしだいに自然とそのものに高い関心を示し、イタリアで目にした古代の遺跡や旅先の目新しい風景を描いていったそうです。

画像: 左:ニコラ・ランクレ 《森のはずれの集い》 1720年代後半、右:ジャック・ド・ラジュー 《狩猟後の休息》 1742年頃 photo©moichisaito

左:ニコラ・ランクレ 《森のはずれの集い》 1720年代後半、右:ジャック・ド・ラジュー 《狩猟後の休息》 1742年頃
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「第2章 自然への賛美」では19世紀、市民の時代における風景画として、パリ郊外の村バルビゾンに集まった画家たちの描いた田園風景が見られます。

【第二部】は「印象派以後の風景画」。第3章から第6章まで。
19世紀半ばから、パリでは「パリ大改造」(1853〜1870年)が行われ、街並みが大きく変わりました。印象派の画家たちは生まれ変わったパリを歩き、近代都市の情景を数多く描いていきました。さらに鉄道網の発達とともに郊外に出かけ、レジャーを楽しんだそうです。そして万国博覧会で異国の文化や情報に触れ、新たな想像の世界にまで旅立っていったのです。

こちらは「第3章 大都市パリの風景画」

画像: 左:ルイジ・ロワール 《パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)》 1885年、右:アルベール・マルケ 《冬のパリ、サン= ミシェル橋の眺め》 1908年頃 photo©moichisaito

左:ルイジ・ロワール 《パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)》 1885年、右:アルベール・マルケ 
《冬のパリ、サン= ミシェル橋の眺め》 1908年頃
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第4章は「パリ近郊ー身近な自然へのまなざし」

画像: 左奥:クロード・モネ 《ジヴェルニーの積みわら》 1984~1989年、右手前:クロード・モネ 《白い睡蓮》 1989年 photo©moichisaito

左奥:クロード・モネ 《ジヴェルニーの積みわら》 1984~1989年、右手前:クロード・モネ 《白い睡蓮》 1989年
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第5章「南へー新たな光と風景」

画像: 左:ポール・セザンヌ 《庭園の木々》 1885–1887年、右:ポール・セザンヌ  《サント=ヴィクトワール山の平野、 ヴァルクロからの眺め》 1882–1885年 photo©moichisaito

左:ポール・セザンヌ 《庭園の木々》 1885–1887年、右:ポール・セザンヌ  《サント=ヴィクトワール山の平野、 ヴァルクロからの眺め》 1882–1885年
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第6章「海を渡って/想像の世界」

画像: 左手前:モーリス・ドニ 《ポリュフェモス》 1907年、右奥:ジャン・リュルサ 《東方の風景》 1927年 photo©moichisaito

左手前:モーリス・ドニ 《ポリュフェモス》 1907年、右奥:ジャン・リュルサ 《東方の風景》 1927年
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画像: 右手前:アンリ・ルソー 《馬を襲うジャガー》 1910年 photo©moichisaito

右手前:アンリ・ルソー 《馬を襲うジャガー》 1910年
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画像: 会場の終わりにある触って見る絵画のコーナー。 photo©moichisaito

会場の終わりにある触って見る絵画のコーナー。
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ロシアのお土産といえばマトリョーシカ。その他にもオリジナルグッズがたくさんあります。

画像1: photo©moichisaito

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会場を出るとアンリ・ルソー 《馬を襲うジャガー》の前で撮影できるSNSポイントがあります。

画像2: photo©moichisaito

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音声案内は「初めて訪れた時の感動と、その時に見た絵画の記憶が僕の中に鮮明に刻まれています。」とのコメントがあるスペシャルサポーターの水谷豊さん。フランス風景画の旅にみなさんを案内してくれます。

展覧会基本情報

■東京会場
会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
休室日:月曜日
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:
 当日券 | 一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円
 団体券 | 一般 1,400円 / 大学生・専門学校生 1,100円 / 高校生 600円 / 65歳以上 800円
 ※団体割引の対象は20名以上
 ※中学生以下は無料
 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
 ※いずれも証明できるものをご持参ください

主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
後援:外務省、ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
協賛:大日本印刷、トヨタ自動車、三井物産、パナソニック、みずほ銀行
協力:日本航空
特設:WEBサイトhttp://pushkin2018.jp
お問い合わせ先:TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

■大阪会場
会期:2018年7月21日(土)~10月14日(日)
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開室時間:10:00~17:00 ※金曜・土曜は21:00まで、入室は閉室の30分前まで
料金:一般 1,500(1,300)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生600(500)円
 ※()内は前売および20名以上の団体料金。
 ※中学生以下無料(要証明)。
 ※心身に障害がある者とその付添いの1名までは無料(要証明)。
 ※前売販売期間は5月21日(月)~7月20日(金)。
 ※チケット購入時に手数料がかかる場合あり。
 ※国立国際美術館では前売券の取扱いなし。
問い合わせ先TEL:国立国際美術館 06-6447-4680(代表)

<その他特別チケット>
・期間限定 早割ペア券 2枚で2,000円
販売期間:4月21日(土)~5月20日(日)
販売場所:展覧会公式サイト、ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、イープラス、CNプレイガイド
・500セット限定 モネ《草上の昼食》パスケースセット前売券 1,600円
販売期間:5月21日(月)~7月20日(金) ※なくなり次第終了
販売場所:ローソンチケット
※パスケースは展覧会会期中、大阪会場特設ショップでの引き換え。会場内特設ショップでの販売はなし。
・風景画の旅 特別セット前売券 3,800円
販売期間:5月21日(月)~7月20日(金)
販売場所:ローソンチケット

イベント情報

○記念講演会
本展学術協力者をはじめ、研究者らがそれぞれのテーマで講演します。

第2回
日時2018年5月12日(土) 14:00~15:30
テーマ「風景画の誕生と崩壊 クロード・ロランからピカソまで」
講師山梨俊夫氏(国立国際美術館 館長)
会場東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)

第3回
日時2018年6月2日(土) 14:00~15:30
テーマ「クロード・モネの《草上の昼食》―その謎と魅力について」
講師三浦篤氏(本展学術協力、東京大学 教授)
会場東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)
※聴講無料。ただし本展観覧券(半券可)が必要です。
※当日13:00より講堂前で整理券を配布し、定員になり次第、受付を終了。開場は13:30です。

○イブニング・レクチャー
本展担当の学芸員による展覧会の見どころを解説します。

日時2018年5月11日(金) 18:30~19:00
講師大橋菜都子(東京都美術館 学芸員)
会場東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)

日時2018年5月25日(金) 18:30~19:00
講師大橋菜都子(東京都美術館 学芸員)
会場東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)
※聴講無料。ただし本展観覧券(半券可)が必要です。
※当日、開始時間の20分前より開場し、定員になり次第、受付を終了。

「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。、

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2018年5月20日 24:00 日曜日

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
  5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい
 (複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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