映画のプレミア会場へ

今回は、この連載では初めてとなる映画のプレミア会場へ。北村龍平監督の新作「DOWNRANGE」を観てきました。

北村監督は、「あずみ」(2003)や「ゴジラ FINAL WARS」(2004)、「ルパン三世」(2014)などの日本映画の監督として知られる一方、「The Midnight Meat Train(ミッドナイト・ミート・トレイン)」(2008)、「No One Lives(NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ)」(2013)など、アメリカでもキャリアを重ねている国際派監督。

「DOWNRANGE」は昨年のトロント国際映画祭でワールドプレミアを行い、今回はLAプレミアという位置づけ。前々回の記事で取材させて頂いたELEVEN ARTS社の代表であるコウ・モリ氏が本作のプロデューサーを務めており、ELEVEN ARTSさんからのご案内でお邪魔させて頂きました。
画像: LAプレミア会場にて、地元メディアの取材に答える北村監督

LAプレミア会場にて、地元メディアの取材に答える北村監督

不条理にスナイパーから狙われる極限状況を描いたスリラー「DOWNRANGE」

画像1: 不条理にスナイパーから狙われる極限状況を描いたスリラー「DOWNRANGE」

「DOWNRANGE」は、郊外を車で走っていた大学生6人が突如何者かによって銃撃され、車一台を盾にサバイバルする羽目になる、屋外なのに密室感のある設定のスリラー。
予告編を見て頂くとどういう状況なのかがよく分かると思いますので是非。

画像: DOWNRANGE Trailer | TIFF 2017 youtu.be

DOWNRANGE Trailer | TIFF 2017

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場面は極めて限定的ながら様々なシークエンスにより飽きさせない作りになっており、スリラー映画におけるいわゆるお約束的な演出や過激な描写も相まって、アトラクション的に楽しめる映画になっています。
詰めかけた観客のボルテージは最高潮。登場人物の誰かが死ぬと歓声が起こるのはアメリカならでは。観客含め、映画館での上映の雰囲気全体がコンテンツだなと感じました。

画像2: 不条理にスナイパーから狙われる極限状況を描いたスリラー「DOWNRANGE」

自分自身に一番厳しく、前よりも面白い映画を

画像: 自分自身に一番厳しく、前よりも面白い映画を

上映後にはキャストやスタッフとともに登壇し、観客やメディアからの質問に答えた北村監督。
本作の出来栄えに関して、“アメリカでも日本でも世界中どこの国ででも、自分自身に一番厳しく、前に撮った作品よりも面白い映画を作っていきたいと思っている。なので現時点ではこの映画が一番。”と語っていました。

世界のホラーやスリラー、サスペンス映画を集めた配信サービス “SHUDDER”

そんな北村監督の新作「DOWNRANGE」ですが、ホラーやスリラー、サスペンスの映画に特化した配信サービス“SHUDDER”にて独占配信が開始されています。
残念ながらアメリカ国内のみ視聴できるサービスなのですが、アメリカ在住の方は是非覗いてみてはいかがでしょうか。

月額4.99ドル(年間契約すると3.99ドル ※2018年4月現在)で世界から選りすぐりのホラー/スリラー/サスペンス映画が見放題。ジャンル特化型のサブスクリプションサービスなので値段はNetflixやHuluと比べると割安です。アメリカはこういうジャンル特化型の配信サービスも盛んです。

この“SHUDDER”の面白い所は、ラインナップにある映画がランダムでライブ配信されており、そのライブ配信は無料で視聴が可能だという事。顧客にとってサービスの内容が掴みやすく、良い手段だなと思います。

「DOWNRANGE」は残念ながらまだ日本での公開は未定ですが、先々日本で公開される折にはご鑑賞をお薦めします。きっとあなたを緊迫のアトラクションへと連れて行ってくれるでしょう。

近況と次回予告

ロスで映画製作を学ぶ学生たちとの交流が活発になっている今日この頃です。
彼らと一緒にステューデントフィルムを作ったりしているのですが、昔やっていた自主制作を思い出し、懐かしさを感じています。

次回は、LAで活躍する日本人俳優の方をご紹介する予定です。

和田有啓
1983年神奈川県横浜市生まれ。
スポーツ取材の会社からキャリアをスタートさせ、芸能プロダクション、広告会社、コンテンツ製作会社を経て現在フリーでアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに滞在中。
プロデューサーとして参加した⾃主制作映画「くらげくん」の第32回ぴあフィルムフェスティバル準グランプリ受賞をきっかけに、2010年にUNIJAPAN HUMAN RESOURSES DEVELOPMENT PROJECT、2011年に JAPAN国際コンテンツフェスティバル/コ・フェスタPAOにプロデューサーとして参加して各プロジェクトの短編映画を制作。
近年は映画「たまこちゃんとコックボー」「天才バカヴォン〜蘇るフランダースの⽝〜」「⼥⼦⾼」「サブイボマスク」「古都」「はらはらなのか。」「笑う招き猫」などの作品で製作委員会の組成やプロデュース、配給、宣伝などを行い、インディペンデント映画業界でのキャリアを築く。

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