ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督 が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』 が、YEBISU GARDEN CINEMA にて絶賛公開中です!

この度は公開を記念し、 99年に諏訪監督⻑編2作目『M/OTHER』で主演を務めた三浦友和さんと諏訪監督のトークイベントが開催されました。
当時の思い出を振り返り、今だから語れる当時の撮影秘話や諏訪作品の魅力、そしてそれぞれの俳優論、監督論--以下トークイベントレポートです。

【トークイベント開催概要】
日時:1 月 26 日(金) 20:50〜21:25
場所:YEBISU GARDEN CINEMA
(渋谷区恵比寿 4-20-2 恵比寿ガーデンプレイス 内)
登壇:三浦友和氏(俳優)、諏訪敦彦氏(映画監督)

★ 三浦友和も絶賛!「この映画には自由がある」

三浦友和さんの本作へのコメント
老いた名俳優が問う
「難題がある。どうやれば死を演じられる?」
さらりと答える女性がいる 「演じてはだめ」
だから、この映画は美しい

先駆けて本作にコメントを寄せた三浦さん。

99 年に諏訪監督⻑編 2 作目『M/OTHER』で主演を務め、2 人は本会場で 19 年ぶりの再会を果たしました。

画像: 三浦友和さん

三浦友和さん

本作の舞台は南仏コート・ダジュール。 南仏好きで 3 度も訪れているという三浦さんは、本作の感想を聞かれ、「2 度も観てしまいました。ワンカット目から独特の光と⻘い海が映り込んできて、“あ、南仏だ”と引き込まれましたね。『M/OTHER』は暗い照明の演出だったので、諏訪監督らしくない演出だなと思って驚いてしまいましたが(笑)。ジャン=ピエール・レオー演じる老優と子どもたちが対等に見えて、あんなに老いているけど、彼は実は子どもなんだなと思いました。私も今年 66 歳になりますが、実は中学生からずっと変わってない自覚がある(笑)。でも、役職についたり、部下ができたりするとそれらしくしなきゃと、“大人”を演じるようになってしまうんですよね」と、語った。

画像: 諏訪敦彦監督

諏訪敦彦監督

対して「おっしゃる通り、本作を作りながら、子どもに戻っていい、無邪気に作っていいんだということに気づかされましたね」と監督。
「そして、“死”が描かれている のにまったく説教くさくない。そしてエンドロールで自由に考えさせられる映画。とても“優しい映画”だと感じましたね」と、本作の感想を三浦さんが語った。

★『M/OTHER』で三浦友和が脚本を執筆するもボツに!?

全編即興の⻑回しの撮影だったという『M/OTHER』の撮影現場。出演依頼を受けた三浦さんは、「“即興でやるっ てどういうこと?”と、ものすごい興味を持ったんですが、不安でいっぱいでした。脚本がないことに堪りかねて、 私が脚本を書いてしまったほど。でも、その脚本を構成に組み込んでもらえるのかと思ったら、無視されてまったく別の内容になってましたね(笑)」と、当時の撮影秘話を明かした。対して「『ライオンは今夜死ぬ』でも、ジ ャン=ピエールはもちろん、子どもたちにも即興の演技をしてもらった。子どもたちもジャン=ピエールも予測不可能な演技の連続でしたね」と諏訪監督。そして、「監督は俳優に何を求めているんですか?」との三浦さんの率直な質問に対し、「やっぱり、この人からいったいどんなものがでてくるんだろう、と自分が予測できない人に魅力 を感じます 。『 M / O T H E R 』 では、三浦さんの演技が映画全体を変えていってくれたし、共演者の思いがけない新たな演技も引き出してくれたと感じています」 と、監督が三浦さんの魅力について語った。

画像: ★『M/OTHER』で三浦友和が脚本を執筆するもボツに!?

★“巧くできている”と評価されるより、観る人によって自由に感じてもらうこと が1番

「“死をどう演じたらいいのかわからない”という、冒頭シーンでの俳優の主人公の問いに対し、メイク担当の女性が“演じてはだめ”と答える台詞がとても素晴らしかった。この答えは、僕たち俳優にとっての永遠のテーマでもあるので、冒頭から一気に引き込まれました。ものを作るということは作為の塊なのに、私たち俳優は何もしていないように何かをしなければならないんですよね。私たちの仕事は“あの人の演技上手かったね” と言われてはまだまだなのではないかと思っています。
個人的には “あの役が憎たらしかった”“素敵な人だった”と感じてもらえることの方がずっと嬉しい」と三浦さん。
対して、「映画の作り手として、私も同じことを感じますね。本作をパリで 200 人の子どもたちに見せたとき、映画の途中で拍手をしたり、最後のエンドロールでは手拍子をしながら観てくれた。
そんな風に自由に観てもらえるのはとても嬉しいし、羨ましいなと思います。
私の映画をヨーロッパで上映すると、怒っている人もいれば、途中で出て行く人、泣いている人もいる。でもそういう映画があっていいんだと思います。“巧くできている”と評価されるより、観る人によって自由に感じてもらうことが1番嬉しいですね」と諏訪監督。

トークイベントの終了時間が過ぎているにもかかわらず、本作への感動が冷めやらぬ三浦さんは、観客にも本作を観た感想を問いかけた。感想を述べた観客がアニメーションを手がけている監督だとわかると、「それは それは!今後も、ぜひよろしくお願いします!」と語りかけて会場の笑いを誘い、大いに盛り上がったトークイベントを締めくくりました。

『ライオンは今夜死ぬ』予告

画像: 主演 ジャン=ピエール・レオ―×諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ』予告 www.youtube.com

主演 ジャン=ピエール・レオ―×諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ』予告

www.youtube.com

【STORY】南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛し た女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、美しい姿のまま幻となってジュリエットが彼の前に現れる。 さらに、屋敷に忍び込んできた子どもたちからの誘いによって、突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに、ジ ャンは過去の記憶ともう一度向き合い、忘れかけていた感情を呼びこしていく。そして残された時間、ジャンの心 に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン
2017 年/フランス=日本/103 分
配給:ビターズ・エンド
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END

YEBISU GARDEN CINEMAほか絶賛公開中!

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