『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が、今月19日に発表された「第9回TAMA映画賞」で最優秀作品賞(石井裕也監督)、最優秀男優賞(池松壮亮)、そして最優秀新進女優賞(石橋静河)を受賞した。
本作で映画初主演を務めた、石橋静河はそのほかにも東京国際映画祭で新たに設けられた東京ジェムストーン賞、また映画界で歴史ある第41回山路ふみ子映画賞など、数々の映画賞を受賞し今年もっとも輝いた新進女優となっている。

画像1: (C) 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

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(C) 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

そんな石橋静河 が作品の振り返りながら、受賞の喜びや今後の展望を語ってくれた。

新進女優・石橋静河インタビュー

Q:今回、映画ファンが選出する第9回TAMA映画賞で最優秀新進女優賞を、第30回東京国際映画祭では東京ジェムストーン賞、第41回山路ふみ子映画賞では新人女優賞に輝くという快挙ですが、率直にどういう思いで受け止めていますか?

選んでいただけたことがうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の撮影時は初めてのことばかりでしたが、いろいろな方に映画を観ていただいて、このような賞もいただくことができて、それはまったく想像もしていなかったことでした。本当にうれしいです。撮影している時は、その日のそのことしか考えられなかった。ただ毎日必死に監督の言うことを理解しようと思ってやっていただけだったので、すごくうれしいです。

Q:この反響を受けての実感はありますか?

実は現場のことは、あまりにも大変だったのでよく覚えていなくて、ただ必死だったという記憶があるだけなんです。だから観ていただいて「よかったよ!」などと言っていただけるとうれしいのですが、自分の演技を観ていて、どこがどうとかよくわからなくなっていて。ただその時に一生懸命にやるということくらいしか自分にはできなかったんです。大変だった、ということは自分の主観でしかなく、わたしを起用してくださった方がいて、わたしはすごく運がよかったと思います。だから謙遜とかそういうことじゃなくて、この映画に関わったすべての人たちの努力の結果だと思います。わたしが何かをしたとかではない、素晴らしい現場は素晴らしい結果を招くのだ、と思いました。

Q:最初に脚本を手にした際、どういう感想をお持ちになりましたか?

脚本を読むということも慣れていなかったので、漠然と面白いと思いましたが、それが自分の中でどういうことなのか、その意味がわかるまでひたすら何度も何度も読み返しました。どこからどういう風に立ち向かえばいいかわからず、美香という役柄についても手探りで探しました。大変な役柄だからこそ、いまやるしかないという思いがありました。

Q:美香という女性については、最終的にどう受け止めて演じたのですか?

彼女を完全に理解することはできなくても、いつもそばにいるような、気持ちに寄り添っていたいと思って演じていました。自分の中でどう演じたい、というようなものがまだないんです。でも、その都度思いを伝えないと後悔することだけはわかっていたので、その思いだけで監督について行きたいということはありました。負けず嫌いという性格もありますが、喰らいついて行くしかなかったんだと思います。

インタビューに答える石橋静河さん

Q:池松さんとの共演はいかがでしたか?

一番大きいのは映画に対する姿勢というのか、これにかけるという腹の決め方がかっこいいなと思いました。監督も似ていて、命を捨てにいくように仕事をしていました。同じようにはできなかったとしても、わたしも覚悟をもってこれからもやりたいなと思います。

画像4: (C) 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

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画像5: (C) 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

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Q:美香という役柄を通して得たものは何でしょうか?

ラストシーンを撮影した時、美香が少しでも窓がパッと開いたような気持になっていって救われたと思いました。でも、美香という役柄だけじゃなくて、映画というものを作るということ全般に俳優として関わってみて、今までのすべての経験、自分が考えてきたものや自意識、そういうものをぺしゃんこにされたような気がしました。撮影が終わって、これからわたしはどうやって生きて行けばいいんだろうって思ってしまうくらい考えたりもしますが、と同時に周りの人のことをもっと知りたいし、理解したいなと思える。それは自分の中で大きな一歩でしたね。

Q:女優としての想いに変化も?

また違う現場に行けば違うことの繰り返しなので、がらりと変わったという感覚はないかもしれません。ただ、自分の頭で考えるだけではなくて、自分の体と心を使ってどこまで表現できるかということを知りたいと思いました。だから不安だとか恥ずかしいとか思っている場合ではないと思っています。

画像2: インタビューに答える石橋静河さん

インタビューに答える石橋静河さん

Q:どういう女優になりたいですか?

自意識の中でわかっていない自分の弱さや強さなど、眠っていることがたくさんあるんじゃないかと思っていて、そういうものを全部さらけ出して役柄に取り組める女優になりたいなと思います。どういう役柄でも演じてみたい。自分以外の人生に入り込みたい。その役柄に対する取り組み方を、いつも自問自答しながら頑張りたい。いろいろな可能性を探りたいですね。

11月15日にブルーレイ&DVDがリリースされた
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

画像: 本編ディスクにメイキングや舞台挨拶など特典映像を多数収録した特典DISC付きの2枚組。 アウターケース付きデジパック仕様の永久保存版!

本編ディスクにメイキングや舞台挨拶など特典映像を多数収録した特典DISC付きの2枚組。
アウターケース付きデジパック仕様の永久保存版!

■■『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』ブルーレイ・DVD商品情報■■
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ Blu-ray【特別版】」
(PCXP-50534)/¥6,200+税/本編Blu-ray+特典DVD 2枚組
☆特製アウターケース/デジパック仕様/封入特典:ブックレット(24P) 
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ DVD【特別版】」
(PCBP-53675)/¥5,200+税/本編DVD+特典DVD 2枚組
☆特製アウターケース/デジパック仕様/封入特典:ブックレット(24P) 
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ DVD」
(PCBP-53676)/¥3,800+税/本編DVD
●発売日:2017年11月15日(水) Blu-ray・DVD発売/レンタル開始
●収録時間:本編109分+特典映像
●セルBlu-ray・DVD【特別版】 共通映像特典
メイキング/インタビュー集/イベント集
●発売/販売元:ポニーキャニオン
●商品サイト:yozora-movie.ponycanyon.co.jp
●映画公式サイト:http://www.yozora-movie.com/
●コピーライト:(C) 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』ブルーレイ・DVD発売に寄せられたコメント

撮影は、自分の限界を超えるような時間の連続で、何度もつまずきながらスタッフ、キャストの方々に支えられて美香という役を演じることができました。 そうして完成した作品は自分の想像を遥かに超えるものでした。 劇場での公開が始まり、多くの方に心に残った、という事を言っていただいて、この映画で描かれている人たちのように、 情報が溢れていて迷子になってしまいそうになる今、そういった言葉を頂けること、そんな作品の一部になれたことを、とても幸せに感じます。 そして、さらに劇場を越えてより多くの人に届くといいなと思います。あの時にしかない空気が詰まっています。感じるままに観ていただけたら嬉しいです。
ー石橋静河

劇場公開をした後、本当に様々な反響がありました。観る人の感性や状況によって、この映画の印象は大きく変わるはずなので、当然と言えば当然です。 詩を原作にしているからこそ、自由な気分で映画を作りましたし、観客の方々には詩のように自由に捉えてほしいと思っていました。 「俺ってヘンだから」と男が言い、「じゃあ私と一緒だ」と女が言う。「イヤな予感がするよ」と男が言うと、「分かる」と女が言う。 こういうやり取りで始まる映画ですから、いわゆる普通の恋愛映画ではありません。 少し変わった恋愛映画ですが、だからこそこの時代に生きる人々の「気分」が色濃く表われた恋愛映画になったと思います。
ー監督:石井裕也

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』予告

画像: 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』予告 - YouTube youtu.be

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』予告 - YouTube

youtu.be

透明にならなくては息もできないこの街で、君を見つけた。

看護師として病院に勤務する美香(石橋静河)は女子寮で一人暮らし。日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜、街を自転車で駆け抜け向かうのはガールズバーのアルバイト。作り笑いとため息。美香の孤独と虚しさは簡単に埋まるものではない。
建設現場で日雇いとして働く慎二(池松壮亮)は古いアパートで一人暮らし。左目がほとんど見えない。年上の同僚・智之(松田龍平)や中年の岩下(田中哲司)、出稼ぎフィリピン人のアンドレス(ポール・マグサリン)と、何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が慎二の胸から消えることはない。
ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会った。美香から電話番号を聞き出そうとする智之。無意味な言葉を喋り続ける慎二。作り笑いの美香。店を出た美香は、深夜の渋谷の雑踏の中で、歩いて帰る慎二を見つける。
「東京には1,000万人も人がいるのに、どうでもいい奇跡だね」。
路地裏のビルの隙間から見える青白い月。
「嫌な予感がするよ」。「わかる」。
二人の顔を照らす青く暗い光。
都会で生きづらさを抱えつつも、懸命に生きるすべを模索する二人。
不器用でぶっきらぼうな二人は、近づいては離れていく・・・

【キャスト】
石橋静河 池松壮亮
佐藤玲 三浦貴大 ポール・マグサリン / 市川実日子 / 松田龍平 / 田中哲司

【スタッフ】
監督・脚本:石井裕也
原作:最果タヒ(リトルモア刊「夜空はいつでも最高密度の青色だ」)
エンディング曲:The Mirraz「NEW WORLD」
撮影:鎌苅洋一 照明:宮尾康史 録音:加藤大和 高須賀健吾 美術・装飾:渡辺大智 編集:普嶋信一 音楽:渡邊 崇 写真:大森克己 アニメーション:松丸 翔
衣裳:立花文乃 ヘアメイク:豊川京子 音響効果:柴崎憲治 VFXプロデューサー:赤羽智史
助監督:石井 純 製作担当:栗林直人 キャスティング:福田真弓 製作渉外:藤田充彦 海外担当:荒木啓子 宣伝プロデューサー:中野朝子
企画:孫家邦 菊地美世志 赤須恵祐 
プロデューサー:有賀高俊 土井智生 五箇公貴
製作プロダクション:フィルムメイカーズ リトルモア 
製作:テレビ東京 東京テアトル ポニーキャニオン 朝日新聞社 リトルモア 
配給:東京テアトル リトルモア

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