新緑の風そよぐ爽やかな季節になってまいりました。今回は、異国情緒漂う街、神戸の神戸市立博物館をご案内いたします。
 
遥か400年の歴史を遡って、日本の天正時代の遣欧使節の少年たちが「初めて見たヨーロッパ文化」、「初めて見たイタリア・ルネサンスの芸術」を鑑賞しましょう。

このたび、イタリア文化財、文化活動、観光省の支援のもと、ウフィツィ美術館の全面協力を得て、本展が開催されることになりました。
昨年度からの日伊国交樹立150年の記念事業の最後になるイベントです。
神戸市立博物館にて、4月22日~7月17日まで開催中で、その後、青森県立美術館(7月28日~9月10日)、東京富士美術館(9月21日~12月3日)巡回いたしますので、是非ご覧ください。
16世紀後半、イタリア人のイエズス会巡察師ヴァリニャーノが、日本人自身の中からヨーロッパの文化や美術を伝える人物を育成する必要があると考え、伊東マンショら4人の少年たちをヨーロッパに送り出しました。
本展では、天正遣欧少年使節の足跡をたどりながら、彼らが訪れた、ルネサンスの中心地フィレンツェ、ヴェネツィアなどのイタリア都市の美術・工芸品を紹介いたします。

ルネサンスとは、「再生」「復活」の意味する、フランス語であり、一義的には、古典古代(ギリシャ、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動で、14世紀にイタリアで始まりその後、西欧各国に広まりました。
最盛期ルネサンスでは三大画家として、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、そして、ラファエロなどが有名で、みなさまもご存じのことと思います。
今回の展覧会では、16世紀後半のフィレンツェからは、メディチ家の人々を描いた絵画や、大公の工房で作られた工芸品、狩猟の様子を描いたタペストリー、ローマからは、教皇グレゴリウス13世の肖像や、使節訪問の記念メダル、ペーザロからは、物語の描かれた美しい陶器、ヴェネツィアからは、世界を誇るガラス工芸や、色彩豊かなヴェネツィア派の絵画などそれぞれの都市に花開いた特有の作品が展示されています。
特にメディチ家の宮廷画家、ブロンズィーノが描いた《ビア・デ・メディチの肖像》派の本初公開の作品です。また、ヴェネツィアの画家ドメニコ・ティントレットが描き、不明になっていましたが、2014年再発見された《伊東マンショの肖像》も貴重で、是非、鑑賞していただきたい作品です。

「遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア 」は、日本の少年たちが、ルネサンス時代のヨーロッパ世界で観たものを直接、現代の私たちに追体験させてくれると同時に、西洋文化や芸術美の感動を伝えてくれるものです。
是非、この機会にイタリア、ルネサンス芸術をご堪能ください。
では、16世紀後半のイタリアへの旅に出発しましょう。

画像: 大公の工房、クリストーファノ・ガッフーリ(ヤコポ・リゴッツィの作品に基づく)《リヴォルノ港の景観》1601-04年 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

大公の工房、クリストーファノ・ガッフーリ(ヤコポ・リゴッツィの作品に基づく)《リヴォルノ港の景観》1601-04年 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

1585年3月1日、天正遣欧少年使節は、スペインを経由して、リヴォルノ港に到着しました。本作は、クリストファーノ・ガッフーリによって、3年の歳月をかけて制作された象嵌細工のテーブルで、貴石加工技術の粋を観ることが出来ます。
 
 
 

画像: アレッサンドロ・アッローリ派《ビアンカ・カペッロの肖像》1578年以降 ウフィツィ美術館、パラティーナ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

アレッサンドロ・アッローリ派《ビアンカ・カペッロの肖像》1578年以降 ウフィツィ美術館、パラティーナ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

ビアンカ・カッペロは、メディチ家のフランチェスコ1世と再婚し、トスカーナ大公日妃となったじょせいで、ピサに立ち寄った使節一行をもてなすために舞踏会を催し、伊東マンショの手を取って、ダンスを踊りました。
 
 
 

画像: ブロンズィーノ《ビア・デ・メディチの肖像》1542年頃 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

ブロンズィーノ《ビア・デ・メディチの肖像》1542年頃 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

コジモ1世の宮廷画家として活躍したブロンズィ―ノの代表作。
日本初公開です。
ピアは、コジモ1世が、18歳の時に生まれた子供でとても寵愛していましたが、病気のため、この肖像画が描かれて間もなく亡くなりました。
 
 
 

画像: ローマの画家 《ヨーロッパ内外にセミナリオを設立するグレゴリウス13世》16世紀末-17世紀初頭 グレゴリアン大学

ローマの画家 《ヨーロッパ内外にセミナリオを設立するグレゴリウス13世》16世紀末-17世紀初頭 グレゴリアン大学

グレゴリウス13世が、セミナリオ設立の意思をイエズス会士たちに託す場面が描かれています。
 
 
 

画像: ウルビーノ窯、パタナッツィ工房 《市民を救うカエサル》が描かれた大皿 1580–90年頃 バルジェッロ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

ウルビーノ窯、パタナッツィ工房 《市民を救うカエサル》が描かれた大皿 1580–90年頃 バルジェッロ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

マヨリカ陶器はイスラム文化の影響を受けたスペイン発祥の工芸品でイタリアでは15世紀に最も生産が盛んになりました。
 
 
 

画像: ドメニコ・ティントレット《伊東マンショの肖像》 1585年 トリヴルツィオ財団

ドメニコ・ティントレット《伊東マンショの肖像》 1585年 トリヴルツィオ財団

1585年天正遣欧少年使節がヴェネツィア共和国を訪れた際に元老院によってヤコボ・ティントレットに発注された肖像画で、後に息子のドメニコが完成させました。
 
 
 

画像: パオロ・ヴェロネーゼ《息子アンテロスをユピテルに示すヴィーナスとメルクリウス》 1560-65年 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

パオロ・ヴェロネーゼ《息子アンテロスをユピテルに示すヴィーナスとメルクリウス》 1560-65年 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

ヴェネツィア派の画家ヴェロネーゼの特徴である明暗対比を抑えた明るい色彩で、神話に登場する人物たちが描かれています。
 
 
 

画像: ティントレット(ヤコポ・ロブスティ)《レダと白鳥》 1551-55年頃 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

ティントレット(ヤコポ・ロブスティ)《レダと白鳥》 1551-55年頃 ウフィツィ美術館 © Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

王女レダに恋した神ユピテルが白鳥の姿に変身し、彼女と交わるというギリシャ神話の物語の場面を描いたものです。
 
 
 

画像: ポンペオ・デッラ・カーザに帰属 《ヴィンチェンツォ1世・ゴンザーガの冑》 1584年頃 トリノ王立兵器博物館 © Musei Reali di Torino - Armeria Reale

ポンペオ・デッラ・カーザに帰属 《ヴィンチェンツォ1世・ゴンザーガの冑》 1584年頃 トリノ王立兵器博物館 © Musei Reali di Torino - Armeria Reale

黄金の飾りがついた鋼鉄の鎧。
マントヴァ公の息子ヴィチェンツォ1世からの贈り物です。
 
 

展覧会概要

会期:2017年4月22日~7月17日  9:30~17:30、土曜/~19:00
(いずれも入館は閉館の30分前まで) 
 ※休館日は毎週月曜(7月17日は開館)
 
開催場所:神戸市 神戸市立博物館

 
アクセス:
JR神戸線「三ノ宮駅」西口から南西へ徒歩10分
JR神戸線「元町駅」東口から南東へ徒歩10分
 
料金:一般1300円、大学生900円、高校生700円、中小生500円
 
問合せ先:神戸市立博物館 078-391-0035
 
主催:神戸市立博物館、神戸新聞社、MBS、朝日新聞社

遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア@神戸 cinefilチケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア@神戸チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。
☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2017年6月25日 24:00 日曜日
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