国立新美術館 企画展示室1Eにおいて、国立新美術館開館10周年 「草間彌生 わが永遠の魂」が5月22日(月)まで開催されています。

世界を舞台に活躍する前衛芸術家である草間彌生。
1950年代後半に単身ニューヨークに渡って以降、絵画、彫刻、インスタレーション、映像、さらには小説や詩に至るまで、広範な活動を展開してきました。デビュー以来、時代の最先端を走り続け、今もなおその創作意欲はとどまらずに加速しています。

近年では欧米、中南米、アジア、そして日本など世界各地で大規模な個展を次々と成功させており、
今や「日本が生み出した最も傑出したアーティスト」といっても過言ではないでしょう。今回の展覧会では、2009年から草間が精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」を中心に据え、一挙約130点を日本初公開しています。

「わが永遠の魂」2009~

「わが永遠の魂」は、2009年に着手され、現在も描き続けられている大作絵画の連作です。現在ではS120号(194.0×194.0cm)にほぼ統一された正方形のカンヴァスに、アクリリック(アクリル絵具)を用いて、色彩豊かな画面が驚異的なハイペースで次々と生み出され、500点に及ぶ最大のシリーズとなっています。具象的なモティーフと抽象的なパターンを自在に往還しながら多様に更新され続ける作品群は、草間彌生の芸術の集大成であり、天才的な創造性を体現するものと言えるでしょう。

画像: 会場風景 中央のオブジェ 左:《明日咲く花》2016年、右:《真夜中に咲く花》2010年  いずれも作家蔵 周囲:大型の絵画シリーズ《わが永遠の魂》 photo©cinefil

会場風景 中央のオブジェ 左:《明日咲く花》2016年、右:《真夜中に咲く花》2010年  いずれも作家蔵 
周囲:大型の絵画シリーズ《わが永遠の魂》
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初期作品

幼少の頃より絵を描くことが好きだった草間彌生は、京都市立美術工芸学校で日本画を学び、故郷の松本で創作活動を開始しました。1950年代に描かれた作品は、抽象的でありながら、動植物、人間、天体、都市など、多岐にわたるモティーフをテーマに、生命感と宇宙的な広がりを感じさせます。批評家・瀧口修造らに高く評価され、東京でも何度か個展を開催しました。

画像1: 会場風景(初期作品) photo©cinefil

会場風景(初期作品)
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画像2: 会場風景(初期作品) photo©cinefil

会場風景(初期作品)
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ニューヨーク時代(1957-1973)

日本での芸術活動に限界を感じた草間は、1957年秋に単身アメリカに渡り、翌年にはニューヨークに居を移します。草間が最初に高い評価を受けたのは、巨大なカンヴァスを小さな網目状のストロークで埋め尽くした、中心も際限もなく、構成を排除したモノクロームのネット・ペインティングでした。その後、男根状の突起を家具などにびっしり貼り付けたソフト・スカルプチュア、同一物の集積/反復によるアキュミュレイション、オブジェやイメージによって空間を埋め尽くすエンヴァイラメント(インスタレーション)、ハプニング(パフォーマンス)など、性や食品に対するオブセッション(強迫観念)を主題とした先駆的な作品を矢継ぎ早に発表し、注目を集めます。

画像: 会場風景 右奥:《No. AB》1959年 豊田市美術館蔵 photo©cinefil

会場風景 右奥:《No. AB》1959年 豊田市美術館蔵
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画像: 会場風景 左:《The Man》1963年 広島市現代美術館蔵 右:《トラヴェリング・ライフ》1964年 京都国立近代美術館 photo©cinefil

会場風景 左:《The Man》1963年 広島市現代美術館蔵 右:《トラヴェリング・ライフ》1964年 京都国立近代美術館
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東京時代(1973-1990s)

体調を崩し、1973年に帰国した草間は、東京で入院生活を送りながら活動を再開します。絵画や彫刻、インスタレーションにおいては、水玉、ネット、男根状の突起などの従来のモティーフを大胆に再解釈し、具象的なイメージと組み合わせた色彩豊かな作品が生み出されました。コラージュ、版画、小説や詩といった文学作品など、新しい分野にも挑戦します。性と死、無限の宇宙などの普遍的なテーマにもとづくこれら作品は、率直な表現によって新しい観客を獲得しました。コラボレーションやタイアップも数多くおこなわれ、草間の作品世界はますます広がりました。

画像: 会場風景 右:《ドレッシング・テーブル》1990年 一般財団法人草月会蔵(東京都現代美術館寄託) photo©cinefil

会場風景 右:《ドレッシング・テーブル》1990年 一般財団法人草月会蔵(東京都現代美術館寄託)
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画像: 会場風景 中央:《最後の晩餐》 右:《太陽の雄しべ》

会場風景 中央:《最後の晩餐》 右:《太陽の雄しべ》

画像: 会場風景 左:《天上よりの啓示》1989年 東京国立近代美術館蔵 photo©cinefil

会場風景 左:《天上よりの啓示》1989年 東京国立近代美術館蔵
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画像: 会場風景 来場者が水玉のシールを貼って真っ白い部屋に色をつけていく《オブリタレーションルーム》 開始時は左の様子から4月には右の姿へ。 photo©cinefil

会場風景 来場者が水玉のシールを貼って真っ白い部屋に色をつけていく《オブリタレーションルーム》 開始時は左の様子から4月には右の姿へ。
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携帯電話での写真撮影可能な場所があります。

会場の下記3カ所で携帯電話での撮影が可能です!
作家の作風を象徴する巨大な高さ4.5m、幅5mの水玉柄かぼちゃもあります。
(1)1E展示室内「わが永遠の魂」展示コーナー
(2)1E展示室出口前 ロビー《オブリタレーションルーム》
(3)野外展示場《南瓜》

画像: (1)1E展示室内「わが永遠の魂」展示コーナー photo©cinefil

(1)1E展示室内「わが永遠の魂」展示コーナー
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画像: 撮影可能な場所(3)野外展示場《南瓜》 photo©cinefil

撮影可能な場所(3)野外展示場《南瓜》
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パワフルで楽しい作品群に囲まれた後は、草間パワーをもらえそうなお土産がたくさん待っています。ぜひ、陽春の六本木を彩る一大イベントをお楽しみください。

画像1: photo©cinefil

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画像2: photo©cinefil

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画像: 西門からのアプローチは樹木も点々模様。 photo©cinefil

西門からのアプローチは樹木も点々模様。
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展覧会概要

展覧会名:  国立新美術館開館10周年 草間彌生 わが永遠の魂
会期:    2017年2月22日(水)- 5月22日(月)
休館日:   毎週火曜日  ※5月2日(火)は開館
開館時間:  10:00 - 18:00 金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
       ※4月29日(土)~5月7日(日)は毎日20:00まで開館
会場:    国立新美術館 企画展示室1E【東京・六本木】
       〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
       http://www.nact.jp/

主催:    国立新美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
協賛:    鹿島建設、岡村印刷工業
協力:    草間彌生スタジオ、パナソニック、TOKYO FM
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
アクセス:  東京メトロ千代田線 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
       都営地下鉄大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩約4分
       東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分

チケット:  一般 1,600円(1,400円)・大学生 1,200円(1,000円)・高校生 800円(600円)
       *()内は団体料金。団体は20名以上
       *中学生以下無料
       *障害者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料

チケット販売場所:国立新美術館(開館日のみ、先行前売券は取扱なし)、展覧会ホームページ(オンラインチケット)、セブンチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスほか
主要プレイガイド(手数料がかかる場合があります)

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「ミュシャ展」、「大エルミタージュ美術館展」の観覧券提示(半券可)で「草間彌生 わが永遠の魂」展の当日券料金が100円割引になります。
「ミュシャ展」(国立新美術館 企画展示室2E、3/8-6/5)あるいは、「大エルミタージュ美術館展」(森アーツセンターギャラリー、3/18-6/18)のチケットで「草間彌生 わが永遠の魂」展の当日券料金が100円割引になります。券売所でご提示ください。

*会期中、お1人様1枚につき1回まで。
*他の割引券等との併用はできません。
*混雑時には、チケット購入と入場までに待ち時間が発生する場合があります。
*「大エルミタージュ美術館展」の休館日は、5月15日(月)です。

「草間彌生 わが永遠の魂」cinefilチケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「草間彌生 わが永遠の魂」チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いしております。

☆応募先メールアドレス  
info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2017年4月23日 24:00 日曜日
記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
  5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい
 (複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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