シネフィルでも、何度かご紹介した現在AV監督として活躍しているTOHJIROこと伊藤智生監督の30年前の作品『ゴンドラ』のリバイバル上映がSNSでの口コミなどから、常識では考えられないロングヒットとなっている。

何しろ新作ではなく30年前の映画。それも”自主映画”だった作品が、今回もまた、このような形で拡がり劇場を満杯にするのは異例なことなだけに話題を集めている。
今作『ゴンドラ』は、当時も一部で騒動(波紋)を投げかけた映画で、声高にメッセージを振りかざす作品ではなく、台詞も少なく詩情ある画面に心を閉ざした少女”かがりちゃん”の姿を追っていく魂のロードムービー。

連日、多くの観客が来場した上映会場

画像: ユーロスペース最終日の様子 補助席もいっぱい

ユーロスペース最終日の様子 補助席もいっぱい

画像: ポレポレ中野開場時の様子

ポレポレ中野開場時の様子

画像: ポレポレ中野も超満員

ポレポレ中野も超満員

現代に問いかける魂の旋律『ゴンドラ』
完成より30年を経て、再び”キネカ大森”で35mmでリバイバル上映決定!

”あなたには居場所が有りますか?”

そんな、メッセージが観る人の心に響いてくるこの作品は、話題性に頼ることなく、映画でしか成し得ない本当の独創性にこだわった当時20代の若者たちによって独立プロで製作され、1988年に劇場公開された。
美しい映像と幻想的な色彩に透明なメッセージを封印して、ひとりの少女の“心の対話の物語”を描いている。

現在、この映画を観た観客が、一度だけでなく何度もこの作品をリピートし観に来ているという。
時代に関係なく伝わり、そして、今の時代にこそ必要なメッセージが揺り動かしたのだろうかーこの小さな作品は口コミで拡がり、今も拡散し続けている。

東京リバイバル上映第三弾!
35mm オリジナル・プリントにて2週間 東京 キネカ大森 にて連日昼夜2回上映!

当初は、ユーロスペースでの1週間の上映に始まり、その後ポレポレ中野で2週間の予定が好評のため1週間延長され、さらには今回キネカ大森でリバイバル上映第三弾として35mm オリジナル・プリントにて2週間の連日昼夜2回上映が決まったという。
30年前の自主映画が今回の、東京上映で、計6週間にわたる上映となる。

画像1: 東京リバイバル上映第三弾! 35mm オリジナル・プリントにて2週間 東京 キネカ大森 にて連日昼夜2回上映!
画像2: 東京リバイバル上映第三弾! 35mm オリジナル・プリントにて2週間 東京 キネカ大森 にて連日昼夜2回上映!
画像3: 東京リバイバル上映第三弾! 35mm オリジナル・プリントにて2週間 東京 キネカ大森 にて連日昼夜2回上映!

関西地区での上映が続々決定!東京ではイベントも開催!

2017年3月25日より名古屋シネマスコーレを皮切りに 4月22日大阪シネ・ヌーヴォ、5月以降は京都みなみ会館、神戸 元町映画館などで上映が確定している。

この、東京や関西でのさらなる上映が決まったことで、伊藤智生監督より、シネフィルの皆さんへとお礼のメッセージが届きましたー

「30年の奇跡」
ゴンドラ28年振りのリバイバル上映、ユーロスペース1週間、ポレポレ東中野3週間が終わり、今の正直な気持ちを声を出して言うと「ありがとう」だ!
30年前の映画に、信じられないぐらいの観客が劇場に来てくれた。
奇跡が起きたぜ!
右肩上がりに動員数が伸び、ユーロスペース最終日は超満員。その勢いのまま、ポレポレ東中野は、初日から驚くぐらいの超満員!連日の好成績で、1週間のレイト追加上映決定!ポレポレ最終日まで、ボルテージは上がりっぱなしだった。
今回リバイバル上映して、幅広い世代に観てもらったが、一番驚いたのは、28年前に初ロードショーの時、ゴンドラを観てくれた人達が、連日大勢来てくれた事だ!
28年間も忘れないで、一本の映画を待ち続けてくれたなんて、ちょと考えられない現象だった。
28年前に観てくれた時、20前後だった彼らも、立派な中年のおじさん、おばさんになってるわけで、中には、息子さん、娘さんを連れて来た人もいた。
この28年間、俺が2本目の映画撮ってないか、何度も夢中に捜していた人もかなりいたみたいで、ゴンドラの後、俺がAV監督TOHJIROになった事知らない人達も一杯いた。
今回、ユーロスペース、ポレポレ東中野の劇場に毎日通って、色々な観客の皆と直接触れ合えた事は、俺の中で一番の宝物になった。
今月25日からは、再び東京は、キネカ大森で、名古屋はシネマスコーレで2週間の上映が始まり、その後、ゴンドラは関西に上陸していく。
とにかく今、感謝の気持ちで一杯です。今回のリバイバル上映した事で、俺の中で次回作に向かうエネルギーは、マックスに滾ってます!
BY伊藤智生(TOHJIRO)

画像: 喜びの伊藤智生監督

喜びの伊藤智生監督

東京では、4月1日から3日までイベント開催 

画像: 東京では、4月1日から3日までイベント開催

ストーリー

高層ビル街の上空で、ゴンドラに乗って黙々と窓を拭く青年。
窓ガラスの向こう側は彼にとって音のない別世界。
眼下にはミニチュアールな都会の光景
―ノイズが波の音に聴こえ、彼の目には海の幻が重なる ―。

11歳のかがりは、母・れい子とふたりでマンション暮らし。
母は音楽家の夫と離婚し、夜の仕事で忙しい。
かがりの晩ごはんは個食。
彼女のひとり遊びの相手は、二羽の白い文鳥、
そして音叉の響きに耳を澄ますことだった。
―Aの音― その響きは、かがりの心を落ち着かせ、調律した。

ある日、鳥かごの文鳥が激しく争い、1羽が傷つく。
瀕死のチーコを両掌に抱きとり、
茫然自失として立ち尽すかがりを、
窓の外を降りてきた窓掃除の青年が目撃する・・・そして・・・

画像: 伊藤智生監督『ゴンドラ』予告(完成版) youtu.be

伊藤智生監督『ゴンドラ』予告(完成版)

youtu.be

出演
上村佳子・界 健太(新人)
木内みどり・出門 英
佐々木すみ江・佐藤英夫
鈴木正幸・長谷川初範(友情出演)
奥西純子・木村吉邦

原案・脚本 伊藤智生 棗 耶子
撮影 瓜生敏彦
照明 渡辺 生
編集 掛須秀一
音楽 吉田 智
音響 松浦典良
効果 今野康之
録音 大塚晴寿
助監督 長村雅文 飯田譲治
ネガ編集 小野寺桂子
衣装 藤井 操
美術装置 張ケ谷 実
メイク 立川須美子
アニメーション制作 スタジオぎゃろっぷ
制作進行 四海 満 小宮 真
プロデューサー 貞末麻哉子
監督 伊藤智生(TOHJIRO)
製作OMプロダクション 1986年制作 公開年度1988年
オリジナル・フィルム=35mm・スタンダード・イーストマンカラー・劇映画・112分
デジタル・リマスター版 制作・配給 Teamゴンドラ

■4月22日(土)からは、大阪シネ・ヌーヴォにて
 (35mmオリジナル・プリント/デジタル・リマスター版)
■6月10日(土)~6月23日(金) 兵庫県豊岡市・豊岡劇場
■6月24日(土)~7月7日(金) 京都みなみ会館
■7月8日(土)~7月21日(金) 神戸・元町映画館 にて

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