「母さん、オレオレ」
「オレって誰だい?」
「オレだよ、オレオレ」
「ああ、タロウ?」
「そう、タロウだよ」
「どうしたんだい?お前が電話、なんてめずらしいねえ」
「ちよっとさ、金貸してくれない?」
「お金って、いきなり・・・。一体、何に使うんだい?」
「映画、撮るんだよ」
「映画って?」
「オレ、今、東京で映画監督してるんだ」
「お前、仕事は?」
「仕事もしてるよ、仕事しながら映画監督してるの。で、いくらくらい貸してくれる?」
「お金ったってねえ・・・」
「映画できたら、クレジットに名前入れるし、映画が売れたら返すからさあ」

いやいや、オレオレ詐欺じゃないんです。
映画監督が実家に電話してるところなんです。

映画って本当にお金がかかるんですよ。
本当にかかる、かかる、かかる。
喉から手が出るほど、お金が欲しい。

いや実際、インディペンデントの映画創りに関わる人たちが最も頭を悩ますところが、お金、なのですよ。

実家がお金持ちや大金持ちや会社経営や油田を持っているとか、ドリームジャンボに当たっちゃった、なんてことがない限り、製作者や監督は、映画を創れば創るほど、貧乏になっていく。

企画から撮影~編集~上映まで、どんなに少なく見積もってもても1年半。勿論2年、3年あたり前。その間、お金が出ていく、出ていく、出ていく。
「泣けるぜ!」(by ハリー・キャラハン)

画像: クラウド・ファンディング(MotionGallery)※画面はイメージです motion-gallery.net

クラウド・ファンディング(MotionGallery)※画面はイメージです

motion-gallery.net

で、お金のないインディペンデントの製作者と監督のお助け!ともいえるのが、クラウド・ファンディング。
ええ??と思うほどの金額を集めている事例もあるのです。
数百万円集めた知り合いのプロデューサーもいれば、みなさんご存知の「この世界の片隅で」は、な、なんと4千万円?!
監督の力や企画の力なんだろうなぁ。ワタクシでは、とてもとてもクラウドファンディングでこの金額は集められない。

このクラウド・ファンディングには是非の意見ありますが、作品と監督と目的が合致する限り、なかなかいい仕組みだと思います。

MotionGalleryさんをはじめ、CAMPFIREさん、Readyforさん、Makuakeさん、などなど、クラウドファンディングごとにそれぞれの特性があります。

そのなかでも映画コンテンツに親和性が高いのは、MotionGalleryさんのような気がしたりしたり、しなかったり、ラジバンダリ。

かくいうワタクシも、いつかここでお金を集めることのできる企画をつくって試してみたい、なんて思っていたところ、うまく企画が固まりまして。
MotionGalleryさまで、クラウド・ファンディング開始いたしました。

映画自体のお金集めではなく、「映画主題歌を限定アナログレコードにする」という企画なのですが、ご興味ある方は、ぜひこちらもクリックしてみてください。
(そう、そうそう、お気付きのあなた、正しいです!今回の掲載は、告知・PR兼ねてます。バレバレのステルスマーケティングなのです)

画像: PRです(笑)ステルスマーケティングです。 motion-gallery.net

PRです(笑)ステルスマーケティングです。

motion-gallery.net

インディペンデント映画製作にかかるお金って?
なんて疑問もおありでしょう。

一番大きいのは、人件費周り。
知人・友人をたどってスタッフを確保したとしても、やはり何がしかの交通費や謝礼は必要。食費も大変。製作日数に応じてかかっていくもんです。
キャスト費もまた大きい。
キャストに「この作品はチャンス!」なんてちょっと役者心に火をつけて安く出てもらったり、あの手この手を使っても、やはりかかるものはかかる。

ま、大抵のインディペンデント映画では、「この映画は映画祭に出品後、劇場で上映を目指します」なんて言いながら、周りを巻き込んでいくのです。
これは嘘でも方便でもなく、大きな予算で動く映画も似たような状況でお金集めしているようでして・・・。

で、機材費と車輛。
スタッフの機材持ち込み、知り合いを探してロハで機材協力、それでも足りない場合は、レンタルすることになります。
ナイトシーンや特機(クレーンとか)やほんと困ります。泣けます。
そして、その機材を運ぶ車輛費。
スタッフが機材車にもなるようなバンを持っていればいいのですが、多くの場合は持っていない(泣)そこで、移動用含め車輛はレンタル。

他にも撮影現場での食事やら、美術やら、ロケ地費やら、音源制作やらなにやら。
撮影終わっても編集やらカラコレやらMAやら。
ほんと勘弁してください。

で、無事上映。
WEBつくったり、チラシ作ったり、何やかんやでまだまだお金が出ていきます。

そして、打ち上げ。
いやあ、映画製作現場のよき想い出やお客さんの反応、次回作への夢と野望を語り、ホッピーをあおり、お金が出ていくのですよ、「今夜、全てのバーで」(BY 中島らも)

企画から劇場公開まで、その間どんどん出ていくお金、劇場公開で、上映収入は劇場さんと折半、残りを配給会社と配分。

儲かんないですよ、インディペンデント映画。
日本では「映画だけで」食べていける映画監督は、ホント少ないと思います、名誉職ですよ。映画監督って。

こんな現状で、日本のインディペンデントの製作者や監督やスタッフやキャストはがんばっているのですよ。
みんなで応援してください、お金集め。

知人からクラウド・ファンディングの連絡が入ったら、お金出さなくてもいいです。FacebookやTwitterで、いいねしてあげてください。シェアしてあげてください。
少しでも多くの人の眼にとまるように。

(後記)
今回の連載記事、本当に広告臭くてすみません。関係各所に怒られそうなので、先に謝っておきます。ステルスマーケティングです。

https://motion-gallery.net/projects/emiko2017

飯塚冬酒
◆ガチンコ・フィルム主宰
◆インディペンデント映画プロデューサー

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