米アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーは28日に、トランプ大統領が「テロ懸念国」として指定した中東・アフリカのイラン、イラク、シリア、イエメン、スーダン、ソマリアとリビア7カ国からの入国を三ヶ月禁止する大統領令に署名したことを批判する声明を発表したことを多くの海外メディアが伝えた。

この声明は、この政策の実行により今年の外国語映画賞にノミネートされたイラン映画『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督らが授賞式に参加できなくなってしまうことに対して発せられたもの。

「アカデミーは国家、民族、宗教の違いにかかわらず、国境を越えた映画制作への業績を賞賛しています。(映画製作者への支持と世界中のすべての人々の人権として)オスカーにノミネートされた映画『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督をはじめキャストとクルーが今回の処置により、入国ができなくなる可能性が非常に高いと感じ危惧しています 」と、映画芸術科学アカデミーは声明を出し「宗教、民族、国籍に基づき入国を禁じるのは極めて問題だ」と政策に対して批判を表明。

26日には、同作品の主演女優タラネ・アリドゥスティさんが「トランプによるイラン人へのビザ発給停止は人種差別です。文化的イベントへの参加が可能か否かを問わず、抗議のためアカデミー賞への出席を辞退します。」と先んじてツイッターで発言し波紋を投げ掛けていた。

画像: (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION ASGHAR FARHADI PRODUCTION ARTE FRANCE CINEMA 2016

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アスガー・ファルハディ監督はベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『彼女が消えた浜辺』やアカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭で史上初の主要3部門(金熊賞、銀熊賞(男優賞・女優賞))を受賞した『別離』などの世界的に著名なイランの監督。
新作『セールスマン』でもすでに2016年のカンヌ国際映画祭で主演男優賞と脚本賞を受賞し、今回のアカデミー賞では2度目のオスカーへの期待がかかっている。また、今作は日本では6月に公開が決まっている。

『セールスマン』海外予告

画像: THE SALESMAN (2017) - TRAILER youtu.be

THE SALESMAN (2017) - TRAILER

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