いよいよ、芸術の秋の到来です。
「松方コレクション展 -松方幸次郎 夢の軌跡-」が、神戸市立博物館にて、9月17日(土)~11月27日(日)まで開催されます。

 「松方コレクション」とは、現在の川崎重工業の前身である川崎造船所の初代社長で、実業家でもある松方幸次郎氏が、第1次世界大戦中の1916年頃から1927年までの約10年間にヨーロッパで、巨額の私財を投じて、収集した美術作品のことです。
西洋の絵画、彫刻約2,000点や、日本から流出していた浮世絵約8,000点を加えると、およそ10,000点にも及びます。
ロシアのシチューキン、アメリカのバーンズと並び、世界の3大コレクションのひとつと言われていて、現在の東京、上野にある、国立西洋美術館の礎となりました。

 松方氏は「日本人に本物の美術作品を見せたい」と願い、世界最大級のコレクションを買い集め、西洋美術の美術館をつくる夢を持っていたのですが、昭和の金融恐慌で、造船所も経営危機に陥り、コレクションも散逸、美術館建設の夢は、泡と消えてしまったのです。

 この度、松方氏の叶わなかった夢を引き継ぎ、「松方コレクション展」が開催される運びとなりました。本展では、国立西洋美術館の所蔵作品をはじめ、国内外に散逸した「松方コレクション」の名品、モネ、ロートレック、ピカソなど、国宝級の西洋美術の代表作が一堂に会します。
1989年にも、神戸市制100周年記念展として、神戸市立博物館で開催されましたが、27年ぶりに、神戸開港150年プレイベントとして、再び、開催されることになりました。
松方氏の美術作品へかける想い、夢のコレクションに出逢う、またとない機会です。
是非、この機会に、松方氏ゆかりの地、神戸で、「松方コレクション展 -松方幸次郎 夢の軌跡- 」をご堪能ください。

では、これから、いくつかの主な作品をご紹介致します。

画像: クロード・モネ《ヴェトゥイユ》1902年 国立西洋美術館

クロード・モネ《ヴェトゥイユ》1902年 国立西洋美術館

松方氏は、作品購入のため、フランスの印象派の巨匠、クロード・モネ(1840-1926)の自宅アトリエを訪ねました。
「あなたの素晴らしい絵を日本の貧しい画学生に見せたい」という、松方氏の熱い想いに応えて、モネは、手元に残していた作品を譲ってくれたようです。
《睡蓮》、《舟遊び》、《並木道》などの名画を購入しました。

ここに描かれているヴェトゥイユとは、モネが1878年にパリから移住してきた土地で、晩年のジヴェルニーに続く重要な地として知られています。
水面に映る景色が風に揺れて、明るい光がきらきらと、美しく輝いている、モネらしい作品です。

画像: トゥールーズ=ロートレック《庭に座る女》1891年 オルセー美術館蔵 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

トゥールーズ=ロートレック《庭に座る女》1891年 オルセー美術館蔵
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ポスターでよく知られるロートレックですが、多くの油彩も製作しました。
都会のダンスホールや、酒場をテーマに描いてきたロートレックが、モンマルトルで自然を描いた珍しい作品です。
背景に描かれた植物の緑色と、椅子に座る女性のスカーフの赤色との対比が鮮明で、印象的な作品です。

画像: ポール・セザンヌ《ジョルジョーネの「田園の合奏」より》1878年 ルーブル美術館素描画室蔵 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF

ポール・セザンヌ《ジョルジョーネの「田園の合奏」より》1878年 ルーブル美術館素描画室蔵
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF

ポスト印象派の画家として知られるセザンヌは、油彩の果物を描いた静物画や、《サント・ヴィクトワール山》に代表される風景画、人物画が、有名です。
今回の素描画でも透明感のある明るい色彩や、輪郭の描き方にセザンヌらしさが見られます。

画像: フランク・ブラングィン《松方幸次郎肖像》1916年 松方家蔵 © David Brangwyn

フランク・ブラングィン《松方幸次郎肖像》1916年 松方家蔵 
© David Brangwyn

ブラングィンは、英国の画家で、松方氏の夢であったコレクションを公開する「共楽美術館」の建築デザインを手がけました。関東大震災や、経済恐慌により、この夢は果たされませんでしたが、現在の国立西洋美術館の礎となりました。
代表作に《造船》があります。


美術館建設を夢見ながらも一大コレクションの散逸を免れなかった、松方氏の叶わなかった想い、追い求めた夢の軌跡を是非、ご覧ください。

展覧会概要

■開催日時
2016年9月17日(土)~11月27日(日)
午前9時30分~午後5時30分、土曜日は午後7時まで(入館は閉館の30分前まで)

■休館日
月曜日(ただし、9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火)

■場所
神戸市立博物館

■料金
一般:1,500円(1,300円)、高校・大学生:1,100円(900円)、小・中学生:600円(450円)
※( )内は前売券、または20名以上の団体料金
※65歳以上で「神戸市すこやかカード(老人福祉手帳)」持参の方は当日一般料金が半額
※障がいのある方は身体障がい者手帳・療育手帳などの提示で無料。
※神戸市および隣接6市1町、篠山市、淡路3市、鳴門市、徳島市の小中学生は、「のびのびパスポート」の提示により無料。
※小学生未満は無料。

■アクセス
阪急神戸線・神戸三宮駅下車、南西へ徒歩約10分

神戸開港150年プレイベント 「松方コレクション展 ー 松方幸次郎 夢の軌跡 ー」 @神戸 cinefilチケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、神戸開港150年プレイベント 「松方コレクション展 ー 松方幸次郎 夢の軌跡 ー 」チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo

*応募締め切りは2017年11月13日 24:00 日曜日

記載内容
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2、年齢
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