兵庫県立美術館は、前身の近代美術館時代から数えて約45年にわたり収集活動を続けてきました。
現在9,000点を超える作品を収蔵しており、それらはこれまでの収集方針を反映して、国内外の近代彫刻と版画、日本近代の名作、兵庫ゆかりの作品、関西の現代美術に大別されるとしても、内容は実に多岐にわたり、一瞥しただけではその総体をとらえきれません。そこで、当館では、1年を3期に区切り、個々に展示のテーマを設けることによって、横断的にコレクションを紹介し、変化ある常設展示室の演出を心がけています。

<小企画>
美術の中のかたち―手で見る造形
つなぐ×つつむ×つかむ:無視覚流鑑賞の極意
展示室4

普段は目で見るだけの美術作品に、手で触って鑑賞する展覧会です。全盲の文化人類学者・広瀬浩二郎さんによる「触るための音声解説」を聞きながら鑑賞します。視覚を用いない新たな美術鑑賞の可能性を探るとともに、誰にでも備わる知覚の潜在力を引き出す試みです。

「美術の中のかたち-手で見る造形」開催趣旨

 1989年に始まった「美術の中のかたち一手で見る造形」展。作品に触れることで、視覚に障がいをもつ人々に広く作品鑑賞の機会を提供し、また視覚に偏りがちな美術鑑賞のあり方を問い直すことを目指した当館の恒例企画です。
 27回目となる今年は、全盲の文化人類学者・広瀬浩二郎さん(国立民族学博物館准教授)の声によるガイドで、視覚を使わずに作品を鑑賞します。「無視覚流」とは、視覚障がい者の美術鑑賞の疑似体験ではなく、触覚、さらには全身の感覚を総動員して作品を「みる」行為です。広瀬さんとともに手を伸ばし、作品にじっくり触れてみましょう。あなたの手のひらから、「目に見えない」作品の魅力を探る新しい美術鑑賞が始まります。

広瀬浩二郎氏 略歴
 自称「座頭市流フィールドワーカー」、または「琵琶を持たない琵琶法師」。
 1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在は民族文化研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。
 主な著書に『さわる文化への招待』(世界思想社)、『身体でみる異文化』(臨川書店)、『さわって楽しむ博物館』(編著、青弓社)、『知のバリアフリー』(共編著、京都大学学術出版会)などがある。また、これまでに民博では「さわる文字、さわる世界一触文化が創りだすユニバーサル・ミュージアム」(2006年)、「点字の考案者ルイ・ブライユ生誕200年記念‥・点天展‥・」(2009年)などの企画展を担当。

◆◆◆関連イベント◆◆◆

◇ワークショップ①
   「触る感動、動く触感一触角人間になろう!」
       講師:広瀬浩二郎氏
       7月23日(上)10:30~(約90分)
       会場:アトリエ2
       参加無料
       対象:大人(中学生以上)
       要事前申込(定員20名):申込方法の詳細は美術館のHPをご覧ください
       兵庫県立美術館「芸術の館友の会」支援事業
◇ワークショップ②
   こどものイベント「テでさわる、カラダがさわる、ココロにさわる」
       講師:広瀬浩二郎氏
       8月6日(土)10:30~(約90分)
       会場:アトリエ2
       参加費:400円(税込)
       対象:小学生(※小学1・2年生は保護者の同伴をお願いします)
       要事前申込(定員20名):こどものイベント係(tel.078-262-0908)
       にお電話ください。7月6日(水)10:00より受け付けます。
       兵庫県立美術館「芸術の館友の会」支援事業
◇講演会「人生の触り方ー『無視覚流』の極意を求めて」
       講師:広瀬浩二郎氏
       9月19日(月・祝)15:00~(約90分)
       会場:レクチャールーム
       参加無料(定員100名)
       兵庫県立美術館「芸術の館友の会」支援事業

特集
時間をひらく 新収蔵品を中心に
展示室1 展示室2 展示室3

佐伯祐三など近代洋画の名品から、やなぎみわなど現代作家による斬新な表現まで、2015年度以降、新たに当館のコレクションに加わった作品より約40点※を一堂にお披露目します。
※会期中、一部の作品を展示替えします[前期8月28日(日)まで、後期8月30日(火)より]。前・後期の各期ごとに約40点、両期を通じ総数約60点の新収蔵品の展示を行います。
新収蔵品のみならず、既存のコレクションからも絵画、写真、版画、立体など幅広いジャンルの名品を加え、作品の中の時間というテーマに沿って展示。日常とは異なる、美術作品ならではの特別な時間を味わっていただく機会です。

画像: やなぎみわ《案内嬢の部屋B1》1997年

やなぎみわ《案内嬢の部屋B1》1997年

「時間をひらく-新収蔵品を中心に」開催趣旨
 兵庫県立美術館では、9,000点を超える収蔵作品を、1年をⅢ期に区切り、テーマを設けて紹介しています。2016年度第Ⅱ期は、作品の中のさまざまな時間というテーマで、昨年度以降、新たに同館のコレクションに加わった作品群を中心に構成します。 
 たとえば昔の肖像画を見て、まるで目の前にその人がいるように思えたことや、あるいは時間を超えた永遠の存在であるかのごとく感じられたことはありませんか。どうやら美術作品には、日常とは全く違った時間がぎゅっと詰まっているようです。そしてその時間は、誰かが作品を見るたびに、見る人の中にひらかれるのだとも言えるでしょう。 
 展示の核となるのは、2015年度から2016年度にかけて、新たに同館所蔵品となった作品群です。すでに同館のコレクションとして長い時を歩んできた作品も織り交ぜ、時間をめぐる5つのキーワードに沿ってご紹介します。
 しばし日常を離れ、美術作品がひらく特別な時間の体験をお楽しみください。
※会期中、一部の作品を展示替えします[前期8月28日(日)まで、後期8月30日(火)より]

画像: 佐伯祐三《タラスコンの遺跡》1925年    田淵銀芳〈流氓ユダヤ〉より《男》1941年(2012年プリント)

佐伯祐三《タラスコンの遺跡》1925年    田淵銀芳〈流氓ユダヤ〉より《男》1941年(2012年プリント)

近現代の彫刻/安藤忠雄コーナー
展示室5

同館の収集の柱のひとつである彫刻から、西洋近現代の作品を展示します。また、同館の設計者である建築家・安藤忠雄の関西でのプロジェクトを模型、写真、映像などで紹介するコーナーを併設します。
展示予定作品・点数:オーギュスト・ロダン《オルフェウス》など彫刻15点

小磯良平記念室 金山平三記念室
展示室5

神戸出身のふたりの洋画の巨匠を顕彰する記念室です。小磯良平記念室では、2015年度新規収蔵された作品を含めてご紹介いたします。
同館と広島現代美術館で開催予定の「1945年±5年 激動と復興の時代 時代を生きぬいた作品」展への作品貸出のため、《斉唱》(1941年)は10月中旬以降の展示予定です。
展示予定作品・点数:小磯良平《中禅寺湖》など小磯作品16点、金山作品15点

画像: 金山平三《秋の庭》1909年

金山平三《秋の庭》1909年

コレクションの逸品~生と業のプロセス
展示室6

「生」(生きること)と「業」(行為)をテーマに据え、人間の表現・創造的行為の意味を再考します。近現代の人間像、風景、オブジェにみる、作家の身体・思考・技術・行為といった多様な制作プロセスの様相・痕跡を読み解き、「生」と「業」の本質を問いかけます。
展示予定作品・点数:村上華岳《秋の山》(前期展示)、橋本関雪《山陰訪雪図》(後期展示)など絵画・版画・工芸・彫刻およそ40点(展示替含む)

画像: 橋本関雪《山陰訪雪図》1916年

橋本関雪《山陰訪雪図》1916年

◆◆◆ 関連イベント ◆◆◆

◇ ミュージアムボランティアによるガイドツアー
     会期中の金・土・日 13:00~(約45分)
     エントランスに集合 参加無料(要観覧券・定員なし)
◇ 学芸員によるギャラリートーク
     7月2日(土)[時間をひらく]、9月3日(土)[小磯・金山記念室]、
     10月1日(土)[コレクションの逸品]
     いずれも16:00~(約40分)
     参加無料(要観覧券・定員なし)
◇ こどものイベント「夏休みスペシャル2016」
     7月30日(土)、31日(日)
     受付場所:アトリエ2
     対象:こども優先・入退場自由・先着順
     ※混雑時に入場制限することがあります。
     申込み・問合せ先:(078)262-0908 こどもプログラム係
   ◎「のりちゃん先生の夏休みの工作相談室」
       時間:11:00~15:00(受付10:45~14:30)
       参加費:無料
   ◎「つないでつないで‥・あっち向いて、キャップ!」
       時間:11:00~16:00(受付10:45~15:30)
       参加費:無料
   ◎「昼下がりのバッジエ場(ファクトリー)」
       時間:14:00~16:00(受付13:45~15:30)
       ※材料がなくなり次第終了します。
       参加費:100円~300円
   ◎「展示室でわいわいわい」
       時間:30(土)14:00~14:30
          31(日)11:00~11:30
    (受付は開始時刻の15分前から)
参加費:中学生以下は無料
申込不要・先着順(5家族程度)
※高校生以上の方がご一緒される場合は別途観覧料(団体料金)が必要です。

開催概要

会 場 : 兵庫県立美術館 常設展示室(1階・2階)
会 期 : 2016年7月2日〔土〕-11月6日〔日〕
休館日 : 月曜日
     (ただし7月18日〔月・祝〕、9月19日〔月・祝〕、
      10月10日〔月・祝〕は開館。7月19日〔火〕、
      9月20日〔火〕、10月11日〔火〕は休館。)
開館時間: 午前10時-午後6時      
      特別展開催中の金・土曜日は夜間開館(午後8時まで)
      ※入場は閉館の30分前まで
観覧料金:      当日   団体  セット
     一 般   510円  410円  306円
     大学生   410円  330円  246円
     高校生   260円  210円  156円
     中学生以下   無料
     団体料金 …… 20名以上の料金
     セット料金 …… 特別展とのセット割引料金
     ※ 65歳以上は一般料金の半額
     ※ 障がいのある方とその介護の方1名は無料
住 所 : 〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号[HAT神戸内]
お問合せ: TEL:078(262)0901

アクセス


   阪神岩屋駅(兵庫県立美術館前)から南に徒歩約8分
   JR神戸線灘駅から南に徒歩約10分
   阪急神戸線王子公園駅から南西に徒歩約20分
   神戸市バス・阪神バス「県立美術館前」下車すぐ
   地下駐車場:乗用車80台収容・有料
     ※ご来館はなるべく電車・バスをご利用ください
     ※団体バスでお越しの場合は、バス待機所の予約をお願いします

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