『大統領の陰謀』や『スポットライト 世紀のスクープ』など、ジャーナリストを主人公にした傑作は少なくないが、本作はそこに連なる一作でありながら、「ジャーナリズムの陰の部分」を描く異色の感動作でもある。

04年9月8日、アメリカ大統領選の真っ只中、再選を目指すブッシュ大統領を脅かす一大スクープが報じられた。ベトナム戦争中、大物政治家だった父親の力を使って兵役を怠ったという疑惑の決定的証拠を入手した、と一大センセーションを巻き起こしたのは、CBSの看板番組「60ミニッツⅡ」。
だが、渾身のスクープのはずが、「新証拠」に「偽造」の疑いをもたれたことから、CBSは激しく糾弾され、ついに上層部は内部調査委員会を設置する…

この<21世紀最大のメディア不祥事>と言われる事件の一部始終を、当事者の目線で克明に描いたのが、『ニュースの真相』である。
スクープから一転、激しい非難の的となる主人公たち。それでもなお、信念と矜持を失わずに、圧倒的に不利な闘いに臨む彼らの姿に心揺さぶられると同時に、ジャーナリズムが抱える「失敗の恐ろしさ」に震撼せずにはいられないだろう。

本作は、米国最大のネットワークを誇る放送局CBSのニュース番組をプロデューサーとして長年手がけたメアリー・メイプスの自伝に基づく実話である。
ジャーナリストたちの運命を大きく変え、皮肉にもブッシュ再選につながったあるスクープ報道。
その裏に秘められた真相を知ることは、今の不穏な世界情勢のルーツを知ることにつながるだろう。

画像: https://www.facebook.com/shinsou.movie/photos/?tab=album&album_id=1746768868898470

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メアリー役には『アビエイター』『ブルージャスミン』でアカデミー賞®を2度受賞した美しき演技派ケイト・ブランシェット。敏腕プロデューサーらしい颯爽とした姿から一転、後半では弱さも含めた人間味を垣間見せながら、毅然として不利な闘いに臨むメアリーを演じ、世間からの批判を一身に受けてもなお心が屈することのない清廉なジャーナリスト魂を体現している。

伝説的アンカーマン、ダン・ラザー役には『大統領の陰謀』の名優ロバート・レッドフォード。取材チームには、『エデンより彼方に』のデニス・クエイド、『インターステラー』のトファー・グレイス、『オン・ザ・ロード』のエリザベス・モスが顔を揃え、さらに『シン・シティ 復讐の女神』のステイシー・キーチが重要な鍵を握る人物を演じている。

監督は、『ゾディアック』『アメイジング・スパイダーマン』などの脚本家として知られ、本作で監督デビューを飾ったジェームズ・ヴァンダービルト。

画像: 映画『ニュースの真相』予告篇<ロングVer.> youtu.be

映画『ニュースの真相』予告篇<ロングVer.>

youtu.be

ジョージ・W・ブッシュ米大統領が再選を目指していた04年。
アメリカ・CBSニュースのベテランプロデューサー メアリー・メイプスは、伝説的ジャーナリスト ダン・ラザーがアンカーマンを務める番組で、ブッシュの軍歴詐称疑惑を裏付けるスクープを放送し、センセーションを巻き起こした。
だが、「新証拠」を保守派のブロガーが「偽造」と断じたことから、CBSは激しい非難を浴びる。

同業他社の批判報道もとどまるところを知らず、ついに上層部は事態の収束を図り、内部調査委員会の設置を決定。
そのメンバーにはブッシュに近い有力者も含まれている。肝心の軍歴問題は取材打ち切りとなり、もはや疑惑は存在しないも同然だった。
メアリー、ダン、そして取材チームは会社から切り捨てられるのか? 出来レースのような委員会との闘いを前に、メアリーは勇気を奮い起こす。圧力に屈することなく、真実を伝えることを使命とするジャーナリストとしての矜持と信念を示すために―。

2016年8月、TOHOシネマズシャンテほかにて公開決定!

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