国立新美術館で6月13日(月)まで、デザイナー・三宅一生氏の展覧会を開催しています。2007年の開館以来、「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動理念とする国立新美術館では、デザインは重要な展示テーマの一つと考えてきました。今回の展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」は、三宅氏が活動を開始した1970年から現在に至る約45年間の仕事を紹介する、これまでにない規模の展覧会です。

三宅氏は常に次の時代を見据えながら、新しい服づくりの方法論と可能性を示しています。それは、1960年に日本で初めて開催された世界デザイン会議において、当時、多摩美術大学在学中であった三宅氏が、衣服デザインが含まれないことに疑問を持ち質問状を送ったことに始まります。既にそこには、衣服は時代と共に移ろう「ファッション」として存在するのではなく、より普遍的なレベルで私たちの生活と密接に結びついて生まれる「デザイン」であるという三宅氏の思想が見て取れます。

画像: MAKING THINGS / MIYAKE ISSEY EXHIBITION: The Work of Miyake Issey www.youtube.com

MAKING THINGS / MIYAKE ISSEY EXHIBITION: The Work of Miyake Issey

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展覧会のきっかけについて三宅氏は「21_21 DESIGN SIGHTを開館をしてすぐに国立新美術館にご挨拶に来ました。その時に、こんなに大きな美術館でいつか展覧会をやってみたいな、とつぶやいたことが現実になりました」と話しています。

みどころ

三宅氏の服づくりの考え方を展示

三宅氏は時代や社会が求めるものを敏感に感じ取り、何よりも人間を中心に置いた服づくりを行っています。それは、「ジーンズやTシャツのように多くの人が自由に着られる服をつくりたい」という三宅氏の言葉にも表れています。

伝統 × 最新テクノロジー

三宅氏は伝統技術や職人技を自身の衣服デザインに生かすとともに、新しい素材の開発や服づくりの方法を探求してきました。このような取り組みにより、PLEATS PLEASEやA-POCのような従来の服づくりとは異なる画期的なデザインが生み出され、人々の生活をより一層彩ってきました。本展では初めて三宅氏独自の「製品プリーツ」の制作過程を展示します。

画像: 左:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 1ドレス》《No.1 ジャケット》2010年 撮影:岩崎寛 右:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 1ドレス》2010年 撮影:岩崎寛

左:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 1ドレス》《No.1 ジャケット》2010年 撮影:岩崎寛
右:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 1ドレス》2010年 撮影:岩崎寛

画像: ISSEY MIYAKE《葉っぱプリーツ Spring/Summer 1990》1989年 撮影:岩崎寛

ISSEY MIYAKE《葉っぱプリーツ Spring/Summer 1990》1989年 撮影:岩崎寛

グラフィック・デザイナー、佐藤卓(さとう たく)氏による会場およびヴィジュアル・デザイン
デザイナー、吉岡徳仁(よしおか とくじん)氏による「グリッド・ボディ」を用いた空間デザイン

佐藤卓氏による会場デザイン(ルームC)は、楽しみながら三宅氏の服づくりを理解する発見の場となります。さらに佐藤氏によるヴィジュアルも三宅氏の衣服のもつ魅力を伝えます。 吉岡徳仁氏が空間デザインを手がけたルームA及びBにおいて、今回の展覧会のために、新たにデザインされた「グリッド・ボディ」を用いた展示を行います。

画像: 左:ISSEY MIYAKE《フライング・ソーサー Spring/Summer 1994》1993年 撮影:宇戸浩二 右:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 10 スカート》2010年 撮影:宇戸浩二

左:ISSEY MIYAKE《フライング・ソーサー Spring/Summer 1994》1993年 撮影:宇戸浩二
右:132 5. ISSEY MIYAKE《No. 10 スカート》2010年 撮影:宇戸浩二

画像: 132 5. ISSEY MIYAKE《スクエア・ウール Vol. 4》2015年 撮影:岩崎寛

132 5. ISSEY MIYAKE《スクエア・ウール Vol. 4》2015年 撮影:岩崎寛

展覧会の構成

本展は、大きく三つのセクションで構成されます。
デザイナーの吉岡徳仁氏が空間デザインを手がけたSection AとBでは、今回の展覧会のために新たにデザインされた「グリッド・ボディ」を用いた展示を行います。
また、グラフィック・デザイナーの佐藤卓氏によるSection Cの会場デザインは、楽しみながら三宅一生氏の服づくりを理解する発見の場となります。さらに、佐藤氏による展覧会ヴィジュアルも三宅氏の衣服のもつ魅力を伝えます。その他、インスタレーション、映像作品、ライブラリーコーナーもあります。

◎ Section A

1970年に三宅デザイン事務所を創設して以来、既成の枠にとらわれない自由な発想のもと、三宅一生氏は常に次の時代を見据えながら、新しい服づくりの方法と可能性を探求してきました。Section Aではその初期の仕事を紹介します。この時期の仕事は、その後の比類なき足跡を形成する原点となっています。

画像: 「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(グイリッドボディを使用したSection A) photo©cinefil

「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(グイリッドボディを使用したSection A)
photo©cinefil

◎ Section B

三宅一生氏は、衣服とそこに生命を宿す身体との関係を探求し、1980年秋冬コレクションでは「プラスティック・ボディ」と呼ばれる、それまでの衣服の概念をくつがえす全く新しいタイプの衣服を発表しました。Section Bでは、1985年まで様々なかたちで展開された「ボディ」のシリーズを展示します。

画像: 「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(グイリッドボディを使用したSection B) photo©cinefil

「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(グイリッドボディを使用したSection B)
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◎ Section C

人々に着るよろこびを与え、私たちの生活を豊かにしてきた三宅一生氏のものづくりは、三宅氏の着る人への敬意や環境を敬う心から生み出されたものです。「日々発想し、それまでにないものをつくり、新しい現実をつくる」――三宅一生氏は常に進化し続けているのです。Section Cでは、三宅氏の最も革新的な側面を「素材」、「プリーツ」、「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」、「A-POC」、「132 5. ISSEY MIYAKE」と「陰影 IN-EI ISSEY MIYAKE」という5つのテーマに分けて展示します。

※Section Cでは、開館日の毎朝11:00-12:00(金曜日は11:00-12:00、15:00-16:00、18:00-19:00の3回)にスタッフがプリーツマシーンを動かし、制作実演を行います。三宅一生氏のプリーツの制作プロセスを、ぜひご覧ください。

画像: 「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(Section C) photo©cinefil

「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展示風景(Section C)
photo©cinefil

全作品完全撮り下ろしの展覧会カタログ

『MIYAKE ISSEY: 三宅一生の仕事』
監修:三宅一生 企画:北村みどり
編集:国立新美術館、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団、株式会社求龍堂
アートディレクション:佐藤卓/撮影:岩崎寛
発行:株式会社求龍堂(国立新美術館および全国の書店で販売)
発売日:2016年3月16日(水)
定価:2,800円(本体:2,593円) 日本語・英語2ヶ国語表記(一部中国語、フランス語)

立動アプリ(iPhone/iPad/Android対応)

展覧会チラシのオモテ面にスマホをかざすと何かが動きだす!!
※MIYAKE ISSEY展立動アプリ(無料)は展覧会ホームページからダウンロードできます。

http://2016.miyakeissey.org

展覧会概要

展覧会名:『MIYAKE ISSEY: 三宅一生の仕事』
会期:2016年3月16日(水)~6月13日(月)
休館日:毎週火曜日 ただし、5月3日(火・祝)は開館
会場:国立新美術館 企画展示室 2E 東京都港区六本木7– 22–2
開館時間:10:00~18:00 金曜は 20:00まで ※入場は閉館の30分前まで

主催:国立新美術館
共催:公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団、株式会社 三宅デザイン事務所、株式会社 イッセイ ミヤケ
協賛:株式会社 資生堂、株式会社マリ・アート、三井不動産株式会社
協力:Artemide S.p.A.、株式会社NTTドコモ、キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社、セーレン株式会社、株式会社丹青ディスプレイ、東リ株式会社、株式会社 七彩、ヴィトラ株式会社、吉忠マネキン株式会社

観覧料:当日/1,300円(一般)800円(大学生)
展覧会に関する問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ:http://2016.miyakeissey.org

「MIYAKE ISSEY: 三宅一生の仕事」  cinefilチケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「MIYAKE ISSEY: 三宅一生の仕事」チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いしております。

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2016年5月31日 24:00 火曜日

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
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   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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