若手映画監督が描く香港の近未来 希望か絶望か---香港の若手監督5人による5つの短編アンソロジー。『十年』が最優秀作品賞に---

香港が直面する重要問題についての決断と葛藤を描き、十年後の香港を問う話題作『十年』がなんと、歴史ある映画祭 香港電影金像奨で最優秀作品賞に選ばれた。

ツイ・ハーク監督『タイガー・マウンテン~雪原の死闘~』や『イップマン葉問 3(Ip Man 3)』『踏血尋梅(Port of Call)』などのメジャー作品を押しのけのの快挙である。

『十年』は、もともとボランティアが中心になって制作した自主製作映画で、2015年12月17日に公開され、当初は単館で上映から、じわじわと口コミで広がり、最終的には「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」に匹敵する興行成績を上げた。

ストーリーは、今から約10年後の2025年を舞台にして、中国政府の影響力が一段と強まる香港社会をテーマに 5つの短編で構成され、た近未来ディストピアの世界を描いています。
日本では、今年開催の大阪アジアン映画祭でも上映され、話題になった作品。

画像: ツイッターより

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今年2月のノミネート発表時から何かと、話題になっていた作品で、”香港社会に与える悪影響が強い”として中国政府に危険視され、このために例年、中国でも放送する、今年の金像奨授賞式について、ポータルサイトやニュースサイトでの生中継を禁止したという。

その他受賞者は、監督賞に『タイガー・マウンテン~雪原の死闘~』でツイ・ハーク監督。
最優秀主演男優賞はアーロン・クォック8回目のノミネートで初受賞。
「踏血尋梅」からは、女優チュンシャー(春夏)が最優秀主演女優賞他、その他演技賞を独占。
撮影賞には、クリストファー・ドイルが『2046』以来の、11年ぶり7回目の受賞。

残念ながら、日本からノミネートされていた、オリジナル作曲賞 岩代太郎、美術賞の種田陽平は受賞はなかった。

画像: 『十年/TEN YEARS[十年]』 予告編 Trailer youtu.be

『十年/TEN YEARS[十年]』 予告編 Trailer

youtu.be

2015年/香港/103分
監督:クォック・ジョン(郭臻)、ウォン・フェイパン(黃飛鵬)、ジェヴォンズ・アウ­(歐文傑)、キウィ・チョウ(周冠威)、ン・ガーリョン(伍嘉良)

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