映画『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』
(原題: Om de wereld in 50 concerten)

ベルリン・フィル、ウィーン・フィルとともに世界3大オーケストラのひとつに数えられるオランダ王室御用達のオーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の活動を追ったドキュメンタリ。

画像: 映画『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』 (原題: Om de wereld in 50 concerten)

2013年、創立125周年を記念して世界30都市で計48回の演奏会を開くという大々的なワールドツアーに密着。楽団員たちは世界中の人々と触れ合う中で無限の可能性を持つ音楽の力を再発見していく。彼らが生み出す魂の音楽は、孤独を抱えるアルゼンチンのタクシー運転手や貧困に苦しむ南アフリカの少女ら、コンサートに集った世代も境遇も様々な人々の心を揺り動かす。

監督は『アンダーグラウンド・オーケストラ』などのエディ・ホニグマン。世界屈指の実力を誇る楽団の魅力に引き込まれる。いやあ、面白い!! いわゆる音楽ドキュメンタリとは違うんだよね。まあ、タイトルの通り、聴衆サイドの視点にも重きを置いてるっていうのが面白い。

ブエノスアイレスのタクシー運転手、南アフリカのソウェトの少女、南アフリカの黒人音楽教師、ロシアのサンクトペテルブルクの老人など、音楽が心の支えとなって、勇気付けられている人々。いや、もっとかな? 音楽がただひとつの生きる糧となっている人々が登場するんだよね。音楽というのは聴き手あってのものなんだなあとつくづく…。常々演奏会を観ていても思うことではあるけれど、本作でも1人の打楽器奏者が取り上げられていた。ブルックナーの「交響曲第7番」。シンバルを叩くただ1回のためだけにずっとステージで出番を待ってるんだよね。すごいよね。何人かの弦楽器奏者がお店に行って演奏するシーンは胸が熱くなったなあ。演奏する側も聴く側もみんなそれぞれの想いで曲が出来上がっていくっていうか、そういうところに改めて感動した。
フルではないけれど劇中で聴ける曲としては他にチャイコフスキー「交響曲第5番」「ヴァイオリン協奏曲」、ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、マーラー「交響曲第1番『巨人』」、ストラヴィンスキー「バレエ組曲『火の鳥』」、ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」、ブラームス「交響曲第1番」、プロコフィエフ「ピーターと狼」などなど。
フルで聴きたくなっちゃう。

シネフィル編集部 あまぴぃ

画像: 映画『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』予告編 youtu.be

映画『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』予告編

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