岩井俊二監督の助監督だった行定勲監督。スペシャルトークショーが開催

1月9日(土)より全国にて公開され、現在、動員30万人突破、
興行収入4億円を超える大ヒットを記録している『ピンクとグレー』の行定勲監督と、
原作小説がすでに話題沸騰!そして、黒木華を主演に迎えた
待望の実写長編作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開が3月26日に控える岩井俊二監督。

行定勲監督が助監督時代、岩井俊二監督作『Love Letter』(95)、『スワロウテイル』(96)に
参加していたこともあり、20年以上の付き合いで、師弟関係ともいえる間柄のおふたり。
この度、2人の最新作の公開を記念して、『リップヴァンウィンクルの花嫁』×『ピンクとグレー』
スペシャルトークショーを実施いたしました。

当日は、立ち見もあるほど満席中、岩井監督と行定監督が登場。
行定監督は、岩井監督の助監督をしていたこともあり、“僕の片腕だった”と絶賛しながら、
気心が知れた様子でトークがスタート。観客は真剣な眼差しで聞く中、2人は当時を
振り返るエピソードやお互いの作品について、現在の映画業界について熱を込めて語りました。
貴重な2人の対談に時間はあっという間に過ぎ、短い時間を惜しまれながらも、
イベントは幕を閉じました。

画像: 岩井俊二監督の助監督だった行定勲監督。スペシャルトークショーが開催

岩井俊二監督×行定勲監督 登壇スペシャルトークショー 詳細


【日程】 2月11日(木・祝)
【登壇者】 岩井俊二監督、行定勲監督
【場所】 Apple Store,Ginza (東京都中央区銀座3-5-12 3Fシアター)

MC:それでは、岩井俊二監督、行定監督からお一言づつ、お願いいたします。

岩井俊二監督(以下、岩井監督):行定は一番優秀で、大切な片腕でしたからね。
いなくなってから大変でしたよ。彼はキャスティングが天才的で、連れてくる子が
みんないい子ばかりだった。彼の存在は非常に助かっていましたね。

行定勲監督(以下、行定監督):昔、岩井さんに「お前は監督になるんだろうからさ、
それまではうちでやってよ」って言われた一言が、今でも支えになっているんです。
この人は日本映画を変えるなって思っていたし、負けない監督になれてるかなって思いますね。
キャスティングする時も、求められていることと違ったものを出すと、「なるほど」って
それが採用って意味で。こっちがしっくりきているキャスティングを出すと
しっくりしすぎているって却下されることもあって…
今回の岩井さんの作品でキャスティングは絶妙でうまいですよね。悔しいです。

MC:岩井監督は、行定監督を見守られてんですか?

岩井監督:彼は時々ハラハラしつつも、自分のテイストを上手くエンターテイメントに
加えていて、こだわり続けているなぁって思います。
彼の作品は”主人公不在”という永遠のテーマを掲げている気がして、
この作品はその中でもひとつも到達点かなって思いますね。

MC:行定監督は、助監督として働いていた頃と見方は変わりましたか?

行定監督:変わりましたね。『リリイ・シュシュのすべて』を観た時に、
これが岩井美学かって改めて感じました。スクリーンからはみ出すくらいの
圧を感じるんですよね。それが心地いい。岩井さんの癖が内側と外側から見るのとじゃ
全然違う。敵わないなって思いますね。岩井さんの作品は社会派のものが多いですが、
だからって10年経っても古くならない。この間、娘と『スワロウテイル』を観る機会があって、
「すごい面白かった」って言ってました。

MC:まずは、3月26日に公開を迎えます『リップヴァンウィンクルの花嫁』に
ついてお話を伺いたく思います。なぜ今この作品なんでしょうか?

岩井監督:僕は海外にいて感じたのは、3.11が起こる前の日本は、どこかイジメが
蔓延している教室のような雰囲気でした。そんな中で何を表現したらいいのか、
みんな何が起こさなきゃいけないってわかってはいても、前に進めないような
感じでした。そんな時に3.11が起こって、そこで何が描けるかって、
この作品が生まれました。

MC:行定監督は『リップヴァンウィンクルの花嫁』をご覧になっていかがでしたか?

行定監督:絶望の中に幸せって必ずあるってところに胸が打たれましたね。
絶望のままじゃいられない。だから小さな幸せを見つける。
岩井さんは壮大な何かに繋げようとしているんだって思いました。

岩井監督:みんなが正しいと思っていることが本当に正しいのか。全く嘘をつかない
人がいれば、その人は人を傷付けますよね。昔はテレビの前で呟いていたことが、
今はSNSで呟くことができる。加害者は自分の意見を言っているだけだけど、
それが一塊になった時、恐ろしいし、それは一瞬にして人の生活を踏みにじってしまう。
だから、そうゆう意見が規定になってしまうことが、僕たちには死活問題で、
試行錯誤しないと太刀打ちできなくなってしまうんですよね。

MC:現代の若い方にぜひ見ていただきたいという映画だと伺っております。

岩井監督:作ったばかりなので、これからじっくり検証するところです。
昔よりは嘘の質が求められている気がします。真実であればいいってわけではなく。

MC:それでは、大ヒット公開中の『ピンクとグレー』についてお話を伺いたく思います。
行定監督:ちょっと、やっちまった感があります。(笑)今までに他の監督の
前例があったら安心なんでしょうけどね。キャストや原作を考えた時、
若い子たちが観るだろって思って、いかに飽きさせずに見せるかって考えました。
他がやらないことでこんな映画があるのかってみせたかったし、
映画ってこんなに自由でいいんだって思ってもらいたかった。
岩井さんがメールをくれて、意外と楽しんでもらえたんだなってわかった時は嬉しかったです。

岩井監督:思っていたところから一変して、「えっ」って驚いた。
大林宣彦監督の『北京的西瓜(ぺきんのすいか)』みたいに、たまによく途中で
画面が切り替わって、映画をやめちゃう作品ってあるんですが、そうゆうのとは
また違って今までにないものだった。あまりにもよくできたトリックでした。
ヨーロッパ映画のようなテイスト感で、ビター&スイートな世界でしたね。

行定監督:映画って新しい人が感化されていくものだと思っていて、
最近は破綻された作品が少ない気がします。今回、岩井さんの作品は3時間って聞いて、
やらかしてくるなぁ~って思いましたね。でも、その3時間は今までこれほど純度の
高いものってないんじゃないかってくらいです。
                                             

画像1: 岩井俊二監督×行定勲監督 登壇スペシャルトークショー 詳細

画像2: 岩井俊二監督×行定勲監督 登壇スペシャルトークショー 詳細

画像: 映画『ピンクとグレー』予告編 youtu.be

映画『ピンクとグレー』予告編

youtu.be

<映画『ピンクとグレー』 作品概要>

【STORY】
大人気スター俳優・白木蓮吾が、突然、死んだ。
第一発見者は幼い頃からの親友・河田大貴。蓮吾に何が起きたのか?
動揺する大貴は、6通の遺書を手にする。
遺書に導かれ、蓮吾の短い人生を綴った伝記を発表した大貴は、一躍時の人となり、
憧れていたスターの地位を手に入れる。
初めてのキャッチボール、バンドを組んで歌ったこと、幼馴染のサリーをとりあった初恋・・・。
いつも一緒で、いつも蓮吾が一歩先を進んでいた―。輝かしい青春の思い出と、
蓮吾を失った喪失感にもがきながらも、その死によって与えられた偽りの名声に苦しむ大貴は、
次第に自分を見失っていく。
なぜ、蓮吾は死を選んだのか?なにが、誰が、彼を追い詰めたのか?
蓮吾の影を追い続ける大貴がたどり着いた“蓮吾の死の真実”とは―。

芸能界の嘘とリアルを現役アイドル加藤シゲアキが描いた問題作を、
『GO』『世界の中心で愛をさけぶ』の行定勲が、
映画初出演・中島裕翔を抜擢し、映画化。
幕開けから62分後の衝撃。ピンクからグレーに世界が変わる“ある仕掛け”に、あなたは心奪われる―。

出演:中島裕翔 菅田将暉 夏帆 岸井ゆきの 小林涼子 宮崎美子/柳楽優弥
監督:行定勲 脚本:蓬莱竜太・行定勲 原作:加藤シゲアキ「ピンクとグレー」(角川文庫) 
音楽:半野喜弘  製作:「ピンクとグレー」製作委員会   
配給:アスミック・エース  
(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会  
大ヒット公開中!!

画像: 映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」予告編  www.youtube.com

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」予告編

www.youtube.com


監督・脚本 岩井俊二
出演 黒木華 綾野剛 Cocco 他  
制作プロダクション ロックウェルアイズ
©RVWフィルムパートナーズ

3月26日(土)全国ロードショー

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