海外サイトの選んだ日本映画歴代ベスト40（後編）21位~40位
より、深く見直されている増村保増と鈴木清順。

日本映画ベスト21~40

新年初の海外サイトによる、日本映画ベスト40。
数があるので、２回に分けて掲載します。

「taste of cinema」の今回の選定者は João Braga氏。12年前にはバーグマンに魅せられ、黒澤、トリュフォーから映画狂になったとのこと。現在は、フランス映画を中心に5カ国語での、訳および著述をこなしている方が選んだベスト40です。
今回の選定に、あたってのルールは、日本のアニメは作品の善し悪しではなく排除している。また、同一の作家は3作品までという事も、決めた上での選考だということ。

この20位~から40位までで、目立ったのは、成瀬巳喜男『女が階段を上る時』が海外で、わりと流通していること。また、石井克人監督『茶の味』が物故歴史的巨匠の中で、健闘していますね。

山田洋次監督『武士の一分』や、松田優作主演の森田芳光 監督作品『家族ゲーム』も懐かしい。
世界で再評価が進んでいる、増村保増と鈴木清順両監督も、ちょっと普段と違う作品がランクインしていて興味深いです。逆に、この二人に関しては、より色々な作品が研究されているという事なんでしょう。

21. 『飢餓海峡』内田吐夢
A Fugitive from the Past (Tomu Uchida, 1965)

22. 『浮雲』成瀬巳喜男
Floating Clouds (Mikio Naruse, 1955)

小津安二郎は「俺にできないシャシンは溝口の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だけだ」と語ったという作品。高峰秀子の代表作。

23. 『女が階段を上る時』成瀬巳喜男
When a Woman Ascends the Stairs (Mikio Naruse, 1960)

音楽嫌いの成瀬監督だが、この作品は黛敏郎を起用。

24. 『茶の味』石井克人
The Taste of Tea (Katsuhito Ishii, 2004)

なんであれ、このメンバーの中に、現存監督としてランクインされていると嬉しいですね。

25. 『御用金』五社英雄
Goyôkin (Hideo Gosha, 1969)

26. 『楢山節考』今村昌平
The Ballad of Narayama (Shôhei Imamura, 1983)

1983年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞作

27. 『天国と地獄』黒澤明
High and Low (Akira Kurosawa, 1963)

28. 『トウキョウソナタ』黒沢清
Tokyo Sonata (Kiyoshi Kurosawa, 2008)

第61回カンヌ国際映画祭、「ある視点」部門審査員賞

29. 『原爆の子』新藤兼人
Children of Hiroshima (Kaneto Shindô, 1952)

30. HANA-BI　北野武
Hana-bi (Takeshi Kitano, 1997)

日本の40年ぶりのヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞作

31. 『武士の一分』山田洋次
Love and Honor (Yôji Yamada, 2006)

32. 『人情紙風船』山中貞雄
Humanity and Paper Balloons (Sadao Yamanaka, 1937)

作品がパブリックドメイン化されておりますので、全編。山中貞雄監督の遺作となります。

33. 『二十四の瞳』木下恵介
Twenty-Four Eyes (Keisuke Kinoshita, 1954)

34.『鬼婆 』新藤兼人
Onibaba (Kaneto Shindô, 1964)

35. 『上意討ち　拝領妻始末』小林正樹
Samurai Rebellion (Masaki Kobayashi, 1967)

36. 『巨人と玩具』増村保増
Giants and Toys (Yasukô Masumara, 1958)

近年、海外でも多く上映されている。増村作品では意外な作品。開高健原作。海外では、出回っているのかも---

37. 『麦秋』　小津安二郎
Early Summer (Yasujirô Ozu, 1951)

38. 『ビルマの竪琴』市川崑
The Burmese Harp (Kon Ichikawa, 1956)

39.『野獣の青春』鈴木清順
Youth of the Beast (Seijun Suzuki, 1967)

鈴木清順も、海外で再評価中で、現在全米でレトロスペクティブ開催中

40. 『家族ゲーム』森田芳光
The Family Game (Yoshimitsu Morita, 1983)

松田優作主演の森田芳光監督の代表作

海外サイトの選んだ日本映画歴代ベスト40(前編）1位~20位現在、サイトでは海外の日本映画ファンが、自分ランキングを競って掲載中---。 - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン

このサイトは、 João Braga氏による、日本映画のベスト40。
基本ルールとしては、日本のアニメ作品は取り上げずに、同じ作家は、3作までというルールでランキングしている。
このランキング1位から20位の特色としては、小林正樹監督と勅使河原宏監督が、非常に高い位置に作品が上がっていることだろう。
もちろん、両監督ともわりと海外で作品が見やすい状況があるのかもしれないのだが---。
次に現存監督で山田洋次監督と是枝裕和監督が2作品づつランクインは嬉しいところ。
もう一つ、今、面白いのはこ...

cinefil.tokyo

The 40 Best Japanese Movies of All Time

The Japanese cinema industry is one of the few industries that still has a huge impact on the world cinema, keeping its own brand and characteristics while

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