Brick Lane Japan Film Festival(BJFS)主催者インタビュー 

先日シネフィルでも紹介した 1 月 29 日〜31 日にロンドンで開催されるBrick Lane Japan Film Fes tival に迫る主催者の林健太郎さんのインタビューを二弾にわたり掲載致します。

Brick Lane Japan Film Festival(以下、BJFS)は、熱量と実力のある若手監督の作品と、日本ならではの表現で味わい深く人気のある作品を織り交ぜながら、「日本映画らしさ」にフォーカスした「生き 様」「女の友情」「発見」「愛と悲劇」の 4 つのテーマに分けて 3 日間に渡り、合計 7 作品を上映します。
イギリスの下北沢 とも言えるイーストロンドンのブリックレーンで上映することにより、今まで日本映画に触れた事のない一人でも多くの人に魅 力を発信することが、本イベントの目的です。
当日は日本酒やビールの配布も予定しており、お酒を飲みつつ日本映画の世界に 浸るひとときをお届けします。

前篇は・・・開催のきっかけや、その工夫を紹介!

映画祭開催のきっかけは何ですか?

きっかけは、留学先の大学で受講していた企画の授業です。通常はグループを組み、主に絵画などの展示会を企画•実施するのですが、周りに自分の好みの企画がなかったので個人で行うことにしました。ロンドンでは小津安二郎、黒澤明、ジブリといった世界的に有名な作品は毎週のように流れているのに対し(かつ毎回満員近い)、それ以外の日本映画はたまに特集される程度だったので、それら以外の映画をどうにかして紹介したいという想いがあったので、これを機に映画上映イベントを企画しようと思いました。

日本でもそのような企画を手掛けることがあったのですか?

何度か企画を考えていましたが、権利関係や金銭面の問題をクリアに出来ず、また留学直前ということもあり踏み切れませんでした。しかし今回は、イギリスに ”とびきり最高な” 日本映画を配給するThird Window Filmsアダム•トレルさんの協力のおかげもあり、映画館の代わりにギャラリーをレンタルすることで、なんとか自腹をきれる範囲の予算で企画を立てることができました。

開催にあたってどのような壁があったのでしょうか。

既にロンドンでもThird Window Filmsがソフト化し、配給実績もある状況の中で、新しく何が出来るか考えることが初めの課題でした。一緒に運営する友人と夜な夜な寮で語り合いながら、最終的には自分たちが学生であり、住んでいる場所がイースト地区(オールドストリートの寮)であることを活かし、今まで日本映画に触れてこなかった若者層の新規開拓を目標にしました。
その後、ターゲットをイースト地区によく訪れる流行に敏感な若者に設定し、お金を使わずに宣伝を行う工夫について再び夜な夜な話し合いました。この段階が一番苦労しました。

日本映画に触れたことのない若者に興味をもってもらうためには多くの苦労がありそうですね。

映画祭名にも入っている開催地のBrick Lane地域はロンドンの下北沢のようなエリアで、週末には毎週マーケットが開催され、若いアーティストやデザイナーが集い賑わっています。映画のコアファン以外をターゲットとする中で、この地域は絶好のロケーションだと思いました。コアな映画ファン向けの上映会、という雰囲気は出したくなかったので。金銭的にも不可能でしたし(笑)
単館系映画館での実施ではなくギャラリーを借り、格安エアベッドを購入し椅子として使用、空間を電飾でデコレーションし、「手づくり感」「インディペンデント感」で惹き付けようと試みました。

DIYで色々な工夫をされたんですね。

他にも映画祭の4つのテーマに分けた宣伝材料作成や、協賛で入手した日本酒の無料提供など、全体として映画作品だけではなく空間や他のコンテンツ込みで総合的にワクワクさせることを心がけました。参考にしたのはロンドンでは夏場に週2-3あるほど流行しており、日本でも近年話題になりつつある野外上映会です。

具体的な宣伝の方法としてはどのように行っていったのでしょうか。

フライヤー設置やHP、Facebookイベントページや映画祭トレーラーの作成など、出来る限り幅広くお金のかからない活動をしていました。その甲斐あってか、年末のある朝に「1スクリーン30席だからお早めに!」とせかす文章とともに映画祭のトレーラーをFacebookイベントページに投稿したことをきっかけに、それまで50人だった「興味あり」の人数が1日で3500人を超え、1ヶ月が経った現在約13000人と日本映画上映イベントとして異例の盛り上がりとなりました。

Facebookのイベントページでのレスポンスが盛り上がるというのも海外ならではな感じがします!
上映テーマは4部門あるということですが、部門設定はどのようにしたのでしょうか。

初めは部門等を考えていませんでした。ロンドンの人に是非見て欲しい作品をインディペンデントとメジャー、ジャンルなどのバランスを考えて数本選びました。その後、作品の認知度が低いことを考え数本を「日本映画らしさを示すテーマ」に分け、残り作品を選出しました。全体を通して、現地の人が日本映画にハマるエントリーとなるような作品選出を意識しました。

実行委員会はどのように形成されているのでしょうか。

実行委員会のようなちゃんとした組織ではありませんが、主なメンバーは同じ留学プログラムに参加している日本人の大学生で、自分以外は皆広告やビジネスなどを学ぶ学科に通っています。現地で知り合ったイギリス人やフランス人の友人などにも要所で手伝ってもらっています。

( つづきます ) ▶第二弾へ

名称:Brick Lane Japan Film Festival
開催日時: 2016 年 1 月29日(金)、30 日(土)、31 日(日)
開催会場:5th Base Gallery URL:http://www.5thbase.co.uk
料金 :1 作品5ポンド/事前メール予約料金4ポンド
主催:Brick Lane Japan Film Festival 実行委員会(代表:林 健太郎)
協力: Third Window Films  URL:http://thirdwindowfilms.com/

画像1: Brick Lane Japan Film Festival ©Third Window Films

Brick Lane Japan Film Festival

©Third Window Films
画像2: Brick Lane Japan Film Festival ©Third Window Films

Brick Lane Japan Film Festival

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