16年末の27日に、米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス最高経営責任者の発言にハリウッドに激震が走った。ついに、正式に映画も頂点を目指す事が発表されたからだ。
それも、当初噂された12本を上回り、年間16本のペースで制作し、「アカデミー賞を狙う」という事も宣言。
かたやNETFLIXは、来年、自主映画を10本公開し、テレビシリーズも今年の約2倍となる31本製作する計画を進めている。
今後ますます、NETFLIXとの攻防が激しくなっていくととともに、YouTubeがどう動くか?
そして、amazonは劇場公開から最短で配信を予定しているだけに、既存の映画館とのやり取りがどうなっていくかも、目が離せない状況となる。
既に米動画配信サービス大手、ネットフリックスが制作したアフリカの内戦を描く戦争映画「ビースト・オブ・ノー・ネーション」が来年のアカデミー賞の候補作にと取り沙汰されるなど、ネット企業が大手映画会社を凌駕(りょうが)する状況が続くが、アマゾンでは自社作品を最短で劇場公開の約1カ月後から自社で有料ネット配信する考えで、業界の構造を大きく変える可能性が出てきた。
制作はアマゾン傘下の映像制作会社で、2010年設立の「アマゾンスタジオ」が担当。独立系が手掛けるような1作当たり500万ドル~2500万ドル(約6億円~30億1000万円)の小~中規模の作品を制作するという。
好評なリドリー・スコット監督総監修のamazon制作の『高い城の男』
アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞でも今年1月、性同一性障害が題材の「トランスペアレント」がテレビ・コメディー部門で作品賞と主演男優賞を初受賞し、作品賞の受賞経験がないネットフリックスに勝利した格好だ。
スパイク・リー監督、テリー・ギリアム監督、トッド・ヘインズ監督!?
すでに、まずテレビシリーズではリドリースコット監督が総監修の SF 作『高い城の男』を製作しており、他にもウディ・アレン監督の初のテレビシリーズや『オーシャンズ11』のスティーブン・ソダーバーグ監督らの作品が控えている。
さらに今回の映画の方のラインナップとしては、、スパイク・リー監督の新作映画「Chi-Raq」やテリー・ギリアム監督作「ドンキ・ホーテを殺した男(原題)」、監督は未定だが、エリビス・プレスリーとリチャード・ニクソン大統領を描く「エルビス&ニクソン(原題)」。他にも噂の段階だがトッド・ヘインズ監督、ジュリアン・ムーア主演の最新映画「ワンダーストラック(原題)」を製作することになりそうだとも海外メディアが報じている。
客観的にみても、大物を揃えており、映画制作に本腰を入れ「アカデミー賞を狙う」といったベゾスCEOの宣言は決してハッタリではない。
今後のハリウッドにとっては大きな脅威であることは間違いない---。