映画『海難1890』

日本とトルコの友好関係の礎となったエルトゥールル号遭難事件を題材に、日本・トルコ合作で映画化したヒューマンドラマ。
海難事故に遭ったトルコ軍艦エルトゥールル号への日本人による救援と、トルコ人によるイラン・イラク戦争時の在イラン日本人救出という、両国の絆を象徴する2つの出来事を見つめる。

画像: 映画『海難1890』

監督は『精霊流し』『サクラサク』などの田中光敏。『臨場』シリーズなどの内野聖陽、『許されざる者』などの忽那汐里、『孤高のメス』などの夏川結衣、永島敏行、竹中直人、笹野高史、大東駿介らが出演する。ヒロイン役の忽那汐里はそれぞれの時代に生きる女性を1人2役で演じた。

約100年という歴史をまたいだ展開はもちろん、日本とトルコの知られざる物語にも胸を打たれる。132分と長め…。国や言葉の壁を超えて人間として気持ちが繫がっていくところに胸が熱くなったなあ。「どこのもんでも構わん。助けなあかん」。この言葉がテーマだね。展開が遅かったり、全体的に浅さを感じたりしたけれど、何度か鳥肌が立つほど感動するシーンもあり、あまり知らなかった史実を知ることができたことも嬉しい。

タイトルから察するに1890年の海難事故を取り上げただけの物語かと思いきや、1985年の在イラン日本人救出劇に繋がっていったのには少し驚いた…。身体が冷え切った乗組員を人肌で温めようと夏川結衣が着物を脱ぐシーンにはドキッとした(変な意味ではなくね)。なかなか癖のある役者陣の中で、ヒロイン役の忽那汐里の透明感溢れる演技が良かったね。あまり印象に残る音楽がない中、音楽ではないけれど軍艦が壊れていくときの音と、村での宴会の音とがシンクロして大惨事に繋がっていくところは緊迫たっぷりの演出で迫力があった。
国同士の関係って政治ももちろん大事なんだろうけれど、民間から生まれるんだなあとしみじみ。国は違っても同じ人間なんだなあとも感じた。知らなかった史実を知ることができた作品。

シネフィル編集部 あまぴぃ

海難1890 予告2- A

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