京都文化博物館フィルムシアターで特集上映中の、「脚本家・依田義賢の世界」も、
いよいよ、あと2日となりました。
フィルム上映という、貴重な機会に、ぜひお出かけ下さい!


10月16日は『恋や恋なすな恋』(1962)の上映がありました。
内田吐夢監督の古典芸能四部作の最終作です。
「葛の葉」と「保名」より、安倍晴明の父母=陰陽師と狐の異類婚姻譚。
内田時代劇独特の力強い骨格はそのままに、歌舞伎の舞台やアニメーションまで映像表現に導入して古典王朝物のファンタジックな雰囲気が表現されています。
山田五十鈴の娘で将来を嘱望されながら、芸術作品に恵まれなかった瑳峨三智子も、本作では、娘役では可憐さを、白狐役では妖艶さを存分に発揮し、哀切感漂う演技で生涯の代表作となりました。

島津香蘭@シネフィル編集部

‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

画像: 『恋や恋なすな恋』 1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー 製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 (C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 
(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

京都文化博物館フィルムシアターで特集上映中の、「脚本家・依田義賢の世界」。
10月16日は『恋や恋なすな恋』(1962)の上映がありました。
内田吐夢監督の古典芸能四部作の最終作です。
「葛の葉」と「保名」より、安倍晴明の父母=陰陽師と狐の異類婚姻譚。
内田時代劇独特の力強い骨格はそのままに、歌舞伎の舞台やアニメーションまで映像表現に導入して古典王朝物のファンタジックな雰囲気が表現されています。
山田五十鈴の娘で将来を嘱望されながら、芸術作品に恵まれなかった瑳峨三智子も、本作では、娘役では可憐さを、白狐役では妖艶さを存分に発揮し、哀切感漂う演技で生涯の代表作となりました。

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画像1: 『恋や恋なすな恋』 1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー 製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢
京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive 

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『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 


『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 撮影:吉田貞次 照明:山根秀一 録音:東城絹児郎 美術:鈴木孝俊 音楽:木下忠司 助監督:鈴木則文、鳥居元宏、清水彰、野波静雄


出演:大川橋蔵(阿倍保名)、瑳峨三智子(榊の前・葛の葉・狐葛の葉)、宇佐美淳也(加茂保憲)、河原崎長一郎(櫻木の宮)、

加藤嘉(庄司)、原健策(藤原仲平)、柳永二郎(藤原忠平)、日高澄子(後室)、毛利菊枝(狐の老婆)、松浦築枝(庄司の妻)、天野新二(芦屋道満)、山本麟一(悪右ヱ門)、明石潮(勅使)、高松錦之助(治部卿)、小沢栄太郎(岩倉治部大輔)、薄田研二(狐の老爺)、月形竜之介(小野好古)

画像2: 『恋や恋なすな恋』 1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー 製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
製作:大川博 企画:玉木潤一郎 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 
京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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『恋や恋なすな恋』
1962(昭和37)年東映京都作品/109分・カラー
 脚本:依田義賢 監督:内田吐夢 


宮廷陰陽師の加茂保憲には、阿部保名と芦屋道満という二人の高弟がいた。
後継者には、娘の榊を愛する勤勉な保名をと考えていた保憲であったが、それを知った道満は師を暗殺し、秘伝書・金烏玉兎集を奪った上、その罪を保名と榊にきせた。

苦しさのあまり榊は自殺し、師と愛する人を奪われ、無実の罪を着せられた保名は発狂した。
恋人の面影を求めてさすらう保名は、榊とそっくりな妹・葛の葉に出会い、恋に落ちる。
だが、幸せも束の間、またもや道満によって、激しく痛めつけられ、葛の葉は連れ去られた。
傷ついた保名は森の狐たちに助けられ、彼に恋をした娘狐が葛の葉の姿となって手厚い看護をした。やがて二人は夫婦となり、赤ん坊が生まれるが・・・。


内田吐夢監督による、近松門左衛門原作『暴れん坊街道』(1957)、同『浪花の恋の物語』、河竹新七原作『花の吉原百人斬り』(1960)に続く“古典芸能四部作”のうちの最終作。

竹田出雲の「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」(1734年初演、通称「葛の葉」)と、それに取材した変化物「深山桜及兼樹振(みやまのはなとどかぬえだぶり)」(1818年初演)の清元「保名(やすな)」を下敷きにして、前作同様、依田義賢が脚本化する。

「恋しくば 尋ね来て見よ和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」

で有名な、宮廷陰陽師・阿部保名と、信太の森の狐との悲恋を描いた異類婚姻譚(ここで生まれたのが阿部清明と言われている)を、内田時代劇独特の力強い骨格はそのままに、歌舞伎の舞台やアニメーションまで映像表現に導入して古典王朝物のファンタジックな雰囲気を表現する。

演技陣も、当時娯楽時代劇のアイドル的存在であった大川橋蔵が、保名役に抜擢されて熱演、また月田一郎と山田五十鈴の娘で、将来を嘱望されながら芸術作品に恵まれなかった瑳峨三智子も、本作で、娘役では可憐さを、白狐役では妖艶さを存分に発揮し、哀切感漂う演技で生涯の代表作となっている。

画像: 依田義賢氏スナップ(場所:大映京都撮影所) 京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

依田義賢氏スナップ(場所:大映京都撮影所)
京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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脚本家・依田義賢


 京都木屋町で生まれ、京都を拠点にして活躍し、140作品以上のシナリオを手がけた依田義賢(1909~1991)。
『浪華悲歌』以来、20年近くに渡って溝口健二作品の脚本を担当し、その全盛期を支えた。「溝口あっての依田」とされる一方、「依田あっての溝口」とも評価される。一方、伊藤大輔、内田吐夢、今井正ら巨匠の作品から娯楽映画や左翼系映画にまで幅広く最高品質の脚本を提供している。
今回の特集では、映像学会関西支部での依田義賢回顧特集にあわせ、溝口以前からその後まで、幅広いジャンルで上質な脚本を練り上げた依田義賢の実績をふりかえる。

画像: 京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

10月14日(水)13:30~・18:30
16日(金)13:30~・18:30~
『恋や恋なすな恋』
1962年東映京都作品(モノクロ・109分)/監督:内田吐夢/
出演:大川橋蔵、瑳峨三智子、宇佐美淳也

10月15日(木)13:30~・18:30
17日(土)13:30~・17:00~
武士道残酷物語
『武士道残酷物語』
1963年東映京都作品(カラー・123分)/監督:今井正/
出演:中村錦之助、東野英治郎、森雅之、有馬稲子

10月18日(日)17:00〜のみ
ある映画監督の生涯
『ある映画監督の生涯』
1975年近代映画協会作品(カラー・150分)/監督:新藤兼人/
出演:伊藤大輔、田中絹代、依田義賢


京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive


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