映画『罪の余白』

第3回(2011年)野性時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央の小説をもとに、娘の死の真相を知ろうとする父親と人気者の女子高生との攻防を描くサスペンスドラマ。

画像: 映画『罪の余白』

男手一つで育てた娘が学校で転落して亡くなり、どうして死んだのかを調べている男が、美しく邪悪な女子高生に振り回される様を映す。

監督は『Girl's Life』『スープ 生まれ変わりの物語』などの大塚祐吉。出演は『臨場』シリーズなどの内野聖陽と第13回(2012年)全日本国民的美少女コンテストグランプリ受賞の吉本実憂の他、谷村美月や加藤雅也ら。

繊細かつ過激な女子高生の行動に衝撃を受ける。もぉイライラするなあ、不快感たっぷりだよ…。
ここ数年良く見かける救いのない物語というか…、誰も報われないというか…。吉本実憂がとにかく美しいんだけれどね。彼女が演じる女子高生(可哀想なほど極悪過ぎ&根性曲がり過ぎ)の背景やイジメに至る経緯がイマイチ描かれ切れてなかったり、突飛な展開や演出もなかったり、サスペンス部分が弱い気がしたかな。その分、女子高生たちやその学校生活の描写は活き活きとして透明感がたっぷりなんだけどさ。そういった意味ではサスペンス的にジワジワ来るとも言えるのかな?

吉本実憂はキレイでカワイイのにイヤなヤツ感全開で表情ひとつひとつがイヤな感じで憎々しくて目力もハンパなくって惚れ惚れするほど良かった(実際好みのタイプだわ)。
内野聖陽演じる父親は行動心理学者にも関わらず、衝動的な行動ばかりで全く共感できないんだけれど(笑)、弱々しく繊細な人柄が喪失感で壊れていく様や執念で復讐心に燃えていく様などの演技は素晴らしい。谷村美月も存在感あって良い役だ。音楽も叙情的で効果的。

いつの間にこんな世の中になっちゃったんだろうか、ボクの時代もこうだったんだろうか、そんなことを考えさせられた。中2の娘がいるんでね、心配だわ…。ところで、タイトルの“余白”は何を意味しているのかしら? モヤモヤ…。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『罪の余白』予告編

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