現地時間25日、ロンドンの第23回レインダンス映画祭でコンペティション部門に選出されている『野火』のイギリスプレミアが行われ、塚本晋也監督が登壇した。
上映後、最初の質問となったのは参議院で可決されて間もない安全保障関連法についてだった。

本作のため10年前に戦争体験者へのインタビューを始めたという塚本監督は、「3年くらい前から日本が戦争に向かっているのははっきりしていたので、映画ができるのが先か、法案が先か、追いかけっこのように作り始めました。決まってしまったのは残念ですが、まだ諦めないで、廃案にしようという動きもありますので、何とかストップをかけたいと思っています」と穏やかな口調ながらきっぱり答えた。

製作がこの時期となったのは「何十年も前に作りたいと思ったときは、戦争が絶対悪というのは当たり前でした。その頃ならもっと普遍的なテーマの映画になるはずでしたが、日本の状況が全く変わってしまった。これ以上待っていたら、誰にも観てもらえなくなるのではという危機感と、そういう状況に映画をぶちあてたいという思いがありました」と予算が十分ではない状態で撮り始め、主演を自分が務めたのも予算の都合上と明かした。

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