河内長野の山奥。
大阪芸術大学の卒業制作として、もちろん全員学生スタッフの体制で、ひっそりと始まった撮影、しかし監督をした私を含め、撮影隊全員が「この作品は何かを成し遂げるかもしれない。何か得体の知れない大きなものになるかもしれない」なんて高揚感を胸に秘めておりました。
ある種、社会も世界も何も知らない私たちの世間知らずな挑戦だったかもしれませんが、「何も知らない」私たちだったからこそ、湧き出るような真っ直ぐな創作へのエネルギーに満ち溢れていました。そんな撮影を経て、完成したのが『SLUM-POLIS』です。

お披露目後、様々な経験を経て、この度新宿武蔵野館という、私が大好きな、そして由緒ある映画館にて劇場公開が決まりました。こう話すと少し手前味噌な感じがしてしまい恐縮なんですが、今回の劇場公開が本当に嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいなのです。

南海トラフ大地震後に誕生した無法地帯“スラムポリス”を舞台に、そこで生きる青年ジョーとアス、そして絵を描く少女アンナの3人が出会い巻き起こす近未来の冒険劇を描いたこの作品には、アクション、ロマンス、サスペンスなど私自身が映画を観る時に感じる様々な興奮、感動を詰め込みました。そして、今回の劇場公開にあたり、まだ誰も観たことがない「新劇場版」という新たなスラムポリスを創りました。映画祭などでの上映を経て感じたことなどを基に、私の中で納得のいく形を追究したこの作品の最終形態です。
劇場のスクリーンで観て貰うためにこの作品を作ったのです。同じ空間でお客さんといろんな感情を共有する劇場の素敵な空間の中で、スラムポリスという特異な世界観の中に思いっきりダイブして欲しい。思いっきり浸って欲しい。そんな映画の歓びをこの作品にも感じて頂ければ何より嬉しいです。

今回の公開にいらっしゃるお客様は、ある意味で私にとって初めての観客になります。
私の人生の中でとても貴重な出会いになります。しかし、学生気分で浮かれている訳では決してなく、ひとつの映画作品としてお客様のもとへ届ける作り手としての覚悟は決まっております。逆に、その覚悟は撮影の時から決まっておりました。
是非、大阪で起こった学生たちの映画への挑戦を、観に来てください。
『SLUM-POLIS』という作品が、忘れられない映画体験になることを心より祈っております。
                                       監督 二宮健

9/26(土)公開 『SLUM-POLIS』 予告篇

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9月26日より、新宿武蔵野館にてレイトショーほか全国公開決定!

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