ゴダール、ヴェンダース、ファスビンダー、スコセッシらが惚れた異才(偉才)フラー。
その誰にも真似できないエモーション!

現在、37回ぴあフィルムフェスティバルで特集上映されている7作品。
ドイツで撮られた『ベートーヴェン通りの死んだ鳩<ディレクターズカット版>』とサミュエル・フラー監督のひとり娘のサマンサ・フラーが撮った『フラーライフ』は日本初上映!

『ストリート・オブ・ノー・リターン』Street Of No Return
監督:サミュエル・フラー

最後の映画となったフラー流メロドラマを堪能
「メロドラマとはアクションのあるドラマのこと」と語ったフラー。
主人公のフラッシュバックや馬で駆けるシーン、暴動の迫力など、無国籍アクション映画の薫り立つ、その若さとエモーションに眩暈がする、最後の映画作品。

Street of No Return (1989).mpg

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[1989年/フランス・ポルトガル/93分/カラー/35ミリ]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:ジャック・ブラル/製作総指揮:ジャック・エリック・ストロース、パトリック・ドゥロノー、アントニオ・ダ・クンハ・テレス
出演:キース・キャラダイン、ヴァレンティーナ・ヴァーガス、ビル・デューク、アンドレア・フェレオル、ベルナール・フレッソン

『ホワイト・ドッグ』White Dog
監督:サミュエル・フラー

アメリカで公開禁止となった問題作
今では邦訳を読むことが難しくなってしまったフランスの小説家ロマン・ガリ(ジーン・セバーグと結婚でも知られる)の自伝的物語の映画化。
フラーは、「人種差別主義者の猛獣使いが黒人を襲うように犬(ホワイト・ドッグ)を調教する」部分を芯に映画として新たな命を吹き込む。衝撃の結末が話題になるが、米国では公開されなかった。

White Dog (1982) Theatrical Trailer

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[1982年/アメリカ/90分/カラー/35ミリ]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:ジョン・デイヴィソン/製作総指揮:エドガー・J・シェリック、ニック・ヴィノフ/脚本:カーティス・ハンソン
出演:クリスティ・マクニコル、ポール・ウィンフィールド、バール・アイヴス、ジェイムソン・パーカー、クリスタ・ラング

『東京暗黒街・竹の家』House Of Bamboo
監督:サミュエル・フラー

画像: 『東京暗黒街・竹の家』

『東京暗黒街・竹の家』

戦後初の米メジャー映画日本ロケ作品
アメリカ人ギャング(ロバート・ライアン)が暗躍する昭和30年の東京。夫を殺された女(李香蘭=山口淑子=シャーリー山口)、は捜査員(ロバート・スタック)と恋に落ちる。
日本で撮影され、多くのアジア人役は白人がメイクアップで成りすますのが常識だった時代に、本当に日本人が演じるということを実現し、更に男と男の愛と暴力についても描き、アメリカメジャー映画の常識を破った意欲作。

House of Bamboo trailer

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[1955年/アメリカ/102分/カラー]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:バディー・アドラー/脚本:ハリー・クライナー/撮影:ジョー・マクドナルド/色彩監督:レオナード・ドス
出演:ロバート・ライアン、ロバート・スタック、山口淑子、キャメロン・ミッチェル、ブラッド・デクスター

『フラーライフ』A FULLER LIFE
監督:サマンサ・フラー

フラーを通してアメリカ史を、映画史を体験
日本でも発売予定の自伝『サミュエル・フラー自伝 わたしはいかに書き、闘い、映画をつくってきたか』刊行時に、ひとり娘サマンサ・フラーが父を敬愛する人々と共に制作したドキュメンタリー作品。ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、ジェイムズ・フランコ、ジョー・ダンテ、ウィリアム・フリードキンなどフラー心酔者や出演俳優たちが自伝のリレー朗読をしつつ語るフラー像。

A Fuller Life trailer

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[2013年/アメリカ/80分/カラー]
監督・プロデューサー:サマンサ・フラー/エグゼクティブ・プロデューサー:クリスタ・ラング・フラー/プロデューサー:ジリアン・ウォレス・ホーバット/撮影監督:シーマス・マッガーベイ
出演:ジェームズ・フランコ、ジェニファー・ビールス、ビル・デューク、ジェームズ・トバック、ケリー・ワード、ケリー・ワード、ペリー・ラング、ロバート・キャラダイン、マーク・ハミル、ジョー・ダンテ、ティム・ロス、ヴィム・ヴェンダース、モンテ・ヘルマン、バック・ヘンリー、コンスタンス・タワーズ、ウイリアム・フリードキン

『ベートーヴェン通りの死んだ鳩<ディレクターズカット版>』
Tatort : Tote Taube in der Beethovenstraße
監督:サミュエル・フラー

画像: 『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』

『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』

ドイツで撮られた噂の傑作、遂にヴェールを脱ぐ!
発表から40年あまりを経て遂に日本に登場!
本物のカーニバルを使っての伝説的なシーンなど、テレビシリーズの一遍となる低予算を逆手に、アナーキーに自由奔放に創りあげた幻の傑作。CANの楽曲をテーマソングに使用するなどドイツらしさも---元犯罪記者フラー得意のクライムサスペンスは、後に本人が小説化し日本でも翻訳された。

第37回PFF 招待作品部門『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』予告編

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[1972年/ドイツ/123分/カラー]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:バヴァリア・アトリエ/プロデューサー:ヨアキム・フォン・メンガースハウゼン/撮影:イエジー・リップマン/特殊効果:カール・バウムガートナー/音楽:CAN
出演:グレン・コーベット、クリスタ・ラング、アントン・ディフリンク、エリック・P・カスパー、ウィリアム・レイ

『最前線物語』The Big Red One
監督:サミュエル・フラー

戦争とはつまり“個人”なのである
フラーの代表作に挙がることも多い他に類のない美しい戦争映画。自身が第二次世界大戦で志願した歩兵師団の名前をそのままタイトル(原題)に置き、「生きながらえる」ことをテーマに、戦場を強行軍で前進することの本当の過酷さを土地と肉体の力を使って描く。劇場公開版での上映。

The Big Red One 1980 Trailer

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[1980年/アメリカ/113分/カラー/35ミリ]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:ジーン・コーマン/撮影:アダム・グリーンズバーグ/美術:ピーター・ジャスミン/音楽:ダナ・カプロフ
出演:リ・マーヴィン、マーク・ハミル、ロバート・キャラダイン、ボビー・ディ・チコ、ケリー・ワード

『殺人地帯U・S・A』Underworld, U.S.A.
監督:サミュエル・フラー


自分の手は汚さずに父の仇をとると男は誓った
フラー自身は嫌いだという「復讐」という設定を用い、売春、賭博、麻薬からなる犯罪組織の構造と、組織撲滅を目指す連邦政府の役人の間を行き来する一匹狼の主人公を通じて、アメリカの暗黒面を浮かび上がらせた野心作。
フラーが生まれて初めて観たギャング映画『暗黒街』(27年/ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)の思い出から着手したと語っている。※国内未ソフト化

Underworld U.s.a. - Trailer

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[1961年/アメリカ/98分/白黒/35ミリ]
監督・脚本・製作:サミュエル・フラー/撮影:ハル・モア/音楽:ハリー・サックマン/編曲:レオ・シューケン、ジャック・ヘイズ
出演:クリフ・ロバートソン、ドロレス・ドーン、ビアトリス・ケイ、ロバート・エンハート、リチャード・ラスト

サミュエル・フラー監督

1912年生まれ。アメリカ出身。
新聞記者、小説家、映画脚本家などを経て、1949年に『地獄への挑戦』で監督デビュー。ジャーナリスティックな感性や第二次大戦従軍経験を活かし、常に脚本も自身で執筆。強烈な暴力描写・登場人物の心理探究・社会的不正に対する抗議を織り込んだ自由で独特な低予算娯楽作品を大プロデューサーの運営するメジャースタジオ下でありながら数多く生み出し、後年、多くの映画作家に強い影響を与えた。フランスでは特に人気が沸騰。ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』での自身の役以降、ヴィム・ヴェンダース、スティーヴン・スピルバーグら若手監督の作品に俳優として多数の出演も。1997年没。

下記会場は、上記作品より一部の上映となります。

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