来年2016年に没後10年を迎える実相寺昭雄監督が、日本アート・シアター・ギルド(ATG)に遺した、『無常』、『曼陀羅』、『哥(うた)』、『あさき夢みし』の4作品を、 撮影監督監修のテレシネによる最新のニューマスターで、「atg 実相寺昭雄ブルーレイBOX」として初ブルーレイ化、また単品DVDを再発売として、11/18(水)に発売することが決定しました。

画像: © 1970 實相寺知佐子

© 1970 實相寺知佐子

実相寺昭雄監督は、「ウルトラマン」シリーズや「怪奇大作戦」などの特撮で知られ、TBS出身の異色TVディレクターとして活躍後、1970年にTBSを退社、そして、満を持してATGで制作したのが長編映画第一作『無常』(’70年)です。
仏教の原点となる”無常感”をテーマに、姉と弟の近親相姦という反社会的、反倫理的なタブーをドラマ化。独特のカメラワークによるエロティシズム、大胆な性描写で、当時、成人指定を受けるも、映画は興行的に大ヒット。さらには、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ映画祭とされるロカルノ映画祭グランプリを受賞(’70年)し、大きな話題を巻き起こしました。

画像: 『曼陀羅』 (1971年) パートカラ―/日本/1971年公開/約135分 © 1971實相寺知佐子/ATG

『曼陀羅』 (1971年)
パートカラ―/日本/1971年公開/約135分
© 1971實相寺知佐子/ATG

画像: 『哥(うた)』 (1972年) モノクロ/日本/1972年公開/約120分 © 1972實相寺知佐子/ATG

『哥(うた)』 (1972年)
モノクロ/日本/1972年公開/約120分
© 1972實相寺知佐子/ATG


その後、『無常』の大ヒットをうけ、『曼陀羅』(’71年)、『哥(うた)』(’72年)を立て続けに発表。
『曼陀羅』は、実相寺監督のATG3部作とも呼ばれる石堂淑朗脚本作品のうち唯一のカラ―が登場する作品(パートカラ―)。
あるモーテルの支配人夫婦のエロスと農耕によるユートピアの実現へ、性に奔放なカップルが次第に巻き込まれていくというストーリーです。前作以上に全篇的エロティシズムで溢れた作品となり、当時“芸術ポルノ”とまで騒がれるまでに。桜井浩子ら実相寺監督の常連といわれる俳優陣も出演。
『哥(うた)』は、『無常』『曼陀羅』から、日本および日本人の原点を探ることをテーマにした3部作の完結作。旧家の没落とそれに抵抗する青年の姿を通じ、日本人の故郷とはいかなるものかを追求した作品です。
そして『あさき夢みし』(’74年)は、詩人の大岡信脚本により、日記「とわずがたり」のヒロインを主人公に、13世紀後半の王朝貴族の女の生き方を描きだしています。当時のATGの予算を遥かに上回る制作費で豪華絢爛なセットも見どころ。
70年代前半に制作された実相寺昭雄監督4作品を、撮影監督である、稲垣涌三氏(『無常』『曼陀羅』)と中堀正夫氏(『無常』『哥(うた)』『あさき夢みし』)立ち会いのもと、オリジナルネガから作成されたテレシネ専用ローコントラストプリントを使用して23.98Psfのフレームレートにてテレシネ作業を実施。実相寺ワールドを堪能できる超高画質デジタルニューマスターにて甦ります。

「atg 実相寺昭雄ブルーレイBOX 」(KIXF-90314~90317)
収録タイトル:
①『無常[HDニューマスター版]』
②『曼陀羅[HDニューマスター版]』
③『哥(うた)[HDニューマスター版] 』
④『あさき夢みし[HDニューマスター版]』
収録時間:4作品合計 約 521 分
(①:約146分/②:約135分/③:約120分/④約120分)  
■発売日:2015年11月18日(水) 
■価格:ブルーレイBOX ¥19,200+税/DVD各¥3,800+税
■特典:解説書封入 ※予定
■発売・販売元:キングレコード 

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