「SOUND OF SILENCE 中国無声映画と音楽の会」が、9月7、8日に東京・ザムザ阿佐谷で開催されることとなった。
中国無声映画の傑作に、ミュージシャンの生演奏、活動弁士による解説付きで上映する。
1920~30年代を代表する8作品がデジタル修復でよみがえる。
現存する最古の中国映画「八百屋の恋」をはじめ、30年代を代表する「漁光曲」、凌波主演で元代の戯曲を映画化した「西廂記」、「西遊記」を映像化した「盤絲洞」、阮玲玉の代表作「女神」は中国のアーティスト、悲恋物語「桃花泣血記」はスウェーデンの映画音楽作曲家Lars Akerlundの音楽が、物語を盛り上げる。
【上映作品紹介】
『漁光曲』(1934年/56分/監督:蔡楚生)
幼くして父を亡くした漁師の娘とその兄は、貧しさに耐えながら母を支えるのだが、母が失明し、金を稼ぎに上海へ出るも、次々と不幸に襲われる。主題歌も大ヒットした、30年代を代表する作品。
『八百屋の恋』(1922年/22分/監督:張石川/原題『勞工之愛情』)
現存する最古の中国映画。下町の八百屋の男と医者の娘が恋をする。男は医者に会いに行くが、結婚を許してもらえない。そこで男は知恵を絞って……。当時の庶民生活を垣間見せるラブコメ調短編。
『西廂記』(1927年/42分/監督:候曜、黎民偉)
元代の同名戯曲を映画化した、アクション、恋愛、コメディてんこ盛りの一本。書生と宰相の娘が、親の反対に遭いながらも侍女の助けを借りて恋を成就させる物語。主演は人気女優の凌波。
『盤絲洞』(1927年/43分/監督:但杜宇)
『西遊記』のエピソードの映画化。三蔵は旅の途中、盤絲洞という洞窟でクモの妖怪の魔の手に陥り、八戒も美人に化けた妖怪に捕まってしまう。悟空は孤軍奮闘するも敵わない。そこに観音様が現れて……。
『紅い剣士』(1929年/100分/監督:文逸民/原題『紅侠』)
土匪に村を襲われ、家族を殺された少女・芸姑は、復讐のために白猿老人の弟子となり、武術を習得。数年後、再びその土匪が村へとやってきたとき、少女が立ち上がる。中国武侠映画誕生の記念すべき作品。
『女神』(1934年/76分/監督:呉永剛/原題『神女』)
娼婦に身を落としながらも、一人で健気に息子を育てる女。だが身元がバレたことで息子は学校を追放されてしまい、新しい土地での再出発を願うのだが……。人気女優・阮玲玉の代表作。
『桃花泣血記』(1931年/94分/監督:ト萬蒼)
地主の息子と小作人の娘は愛し合っていたが、身分差のため周囲に引き裂かれてしまう。度重なる不幸の中で娘は子供を産むのだが……。阮玲玉と金焔コンビによる、社会性も織り込まれた悲恋物語。
【日時(タイムテーブル)】
2015年9月7日(月)
15:00-『漁光曲』×曹羊 『八百屋の恋』×張宣蘇
17:00-『西廂記』×孫大威 『盤絲洞』×陳睦璉
19:00-『紅い剣士』×大友良英
2015年9月8日(火)
15:00-『女神』×顔峻
17:00-『桃花泣血記』×Lars Akerlund
19:00-『おもちゃ』×片岡一郎(弁士)上屋安由美(ピアノ)藤高理恵子(筑前琵琶)
【チケット】
一般1,200円/シニア・学生1,000円/一日券3,000円
※当日券のみ、各日14:30より販売開始。(全席自由・各回入替制)