映画『アリスのままで(原題: Still Alice)』

若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々を綴った全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じたジュリアン・ムーアが第87回(2015年)アカデミー賞主演女優賞はじめ数多くの映画賞を席巻したドラマ。

画像: 映画『アリスのままで(原題: Still Alice)』

自身もALS(筋委縮性側索硬化症)を患ったリチャード・グラツァーとワッシュ・ウェストモアランドのコンビが監督を務めた。

アリスを見守る家族をアレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、ケイト・ボスワースが演じる。
ジュリアン・ムーアの怪演すごい。ボクは彼女をずっと贔屓にしてるんだけどね。
今回は特にすごいね。101分間で患者の症状や心理を表現仕切って、しかも病気というよりも“人間そのもの”を表現してるんだよね。
ものすごい不安と恐怖の中でも自分の尊厳を大事にしようともがき苦しむ感じがすごいんだ。

意志の強さや魂を演じたと言っても良いんじゃないか。
余計な演技をしてないっていうか、白々しくなってないっていうか。
言ってしまえば、脚本は救いのないお話という意味で想像通りだし、演出もすごく優等生的で(病気の症状の恐ろしさを体感させるカットバックやピントをボカしたりするのは良かった)、音楽も控え目で全体的に品が良いというか、綺麗(過ぎ?)にまとまってるんだよね。

夫を演じたアレック・ボールドウィンの演技も随分身勝手な役ドコロながらもすごく自然で上手だし、末娘を演じたクリステン・スチュワートも素晴らしいんだよ(戸惑う家族の中で唯一「どんな感じがする?」とアリスと同じ目線に立とうとするところとか感動)。

でもね、でもね、やっぱり何と言ってもジュリアン・ムーアなんだよね。
最初から最後まで目が離せないのは彼女の演技のせいに違いないんだ。

ラストは温かい愛情を感じつつも、涙が止まらないの…。
自分だったら? 家族だったら? と全然他人事じゃない。
記憶を失っても自分を失わずにいられるのか? 現実にはこんな綺麗事ではないんだろうけれど、この病気についての理解は深まったなあ。
静かに穏やかにジワジワと感動できる作品。
うーん、人間とは何か? と問いかけられてるような…。

シネフィル編集部 あまぴぃ

『アリスのままで』ジュリアン・ムーア コメント付き予告編

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