11月14日公開が決定下映画『FOUJITA』。
エコールドパリの華やかなパリとそこでの成功を勝ち取ったFOUJITA。しかし、戦争のために母国に戻り、日本では戦争画を描いていたことは、あまり、知られてはいない---

監督を務めるのは、『死の棘』で第43回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ&国際批評家連盟賞をダブル受賞、『泥の河』『伽倻子のために』『眠る男』など海外でも評価の高い名匠小栗康平。10年ぶりに小栗がメガホンをとる本作には、藤田役のオダギリジョーの他に妻 君枝を演じる中谷美紀や加瀬亮、岸部一徳、フランス側は、大人気の若手俳優アナ・ジラルドなども出演している。

藤田をモデルの映画化に至っては、当初から日仏合作であるという条件が付けられていたらしい。
そして、小栗監督とも親しかったフランス側のプロデューサーとして、クローディー・オサールが名を列ねた。
『アメリ』で世界的大ヒットを飛ばし、エミール・クストリッツア監督『アリゾナ・ドリーム』ヴィム・ベンダース監督『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』などインディペンデント系の佳品を数多く手掛けている著名なプロデューサーだ。

「クローディーとはおつきあいが長く、企画書の段階から話し合いを始めたが、中身からしても合作だろうとは思っていた。フランスサイドは、藤田が日本で戦争画を描いていたということはほとんど知らなかったようだ。裸婦を描いていたフランス人の画家としか思っていないから、それはショックですよね。でも戦争画を見ることによって、藤田の再評価が始まるという感じでしょうか」

二つの国、そして戦争という時代に生き、画家を全­うしたフジタ。
西洋の絵画史においても重要なエコール・ド・パリ(パリ派。1920年代を中心にパリで活動し、出身国・画風も様々な画家たちが交流し、世界のアートの中心であった時代の総称)の代表的な画家であり、また戦争に翻弄された日本人でもある、藤田嗣治(レオナルド・フジタ)を題材に、小栗監督自身の脚本によりフジタの生きた時代を描きます

画像: 藤田を演じるオダギリジョー http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20140922-1370755.html

藤田を演じるオダギリジョー

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20140922-1370755.html

「第一次大戦後の解放感にあふれたエコール・ド・パリの時代に、藤田が日本画的な手法で乳白色の裸婦を描いて見事に売れた。片や大東亜戦争の聖戦遂行の中で、画壇のトップに上り詰めていた藤田が極めて古典的な西洋の歴史画のような陰影の濃い絵を描いた。いろいろなことが強くねじれて絡み合っていて、そこがとてもおもしろいなと思っている。それは現代の課題でもあって、僕らもねじれを抱えてはいないだろうか。藤田を手がかりにして日本の文化を照らし直すという形にできたらと思っています」

画像: http://www.sankei.com/premium/news/150125/prm1501250022-n1.html

http://www.sankei.com/premium/news/150125/prm1501250022-n1.html

「史実では、藤田は神奈川県の相模湖に近い藤野というところに疎開したことになっている。でも映画では特定していないんです。原風景ではないが、フランスから戦争中の日本に戻ってきた藤田を手のひらに載せるためには、ある村というのが必要だった。僕らが今、改めて敗戦から70年を振り返るとき、いったい僕らの文化ってどこに載せたら一番わかるのか。そんな抽象的なものがほしかった」と、小栗監督は満足そうな表情で語る。

11/14公開:映画『FOUJITA』予告編

youtu.be

映画『FOUJITA』(フジタ)
公開日:2015年11月14日(土) 全国ロードショー
場所:角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか
出演:オダギリジョー、中谷美紀、アナ・ジラルド、アンジェル・ユモー、マリー・クレメール、加瀬亮、りりィ、岸部一徳
製作:井上和子、小栗康平、クローディー・オサール
監督・脚本:小栗康平
音楽:佐藤聰明
配給:KADOKAWA
2015年/日本・フランス/日本語・フランス語/カラー/126分
© 2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド

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