『アクト・オブ・キリング』ジョシュア・オッペンハイマー監督来日。
続編では、加害者と今も隣人として生活することを強いられている被害者たちの苦悩に迫った。

今作を製作した動機についてオッペンハイマー監督は、「目に見えない沈黙と恐怖を見えるようにしたかった」と、インドネシアの人々が50年に渡り抱えてきた問題を可視化するためと明かす。「恐怖は被害者が感じること、沈黙は加害者が感じることです。また、加害者は罪悪感に対しての恐怖も持っています」といい、「被害者と加害者が、隣人としてお互いを恐れ合って生活している。それについて語ることができれば、その問題に対峙できるのではないかと思った」と、当時の大量虐殺を正当化しているインドネシア社会にメスを入れた。

オッペンハイマー監督は、今作がインドネシア社会に与えた影響について「主流メディアが1965年に起きた事や、殺りく者をそれまではヒーロー扱いしていたが、虐殺を虐殺であったと言えるようになった。この2部作は『裸の王様』の少年の様なもので、『王様は裸だ』と言えるようになったのです」と話す。続けて、「この映画は遠い異国で起こっていることへの“窓”ではなく、自らを映す“鏡”。人は過去から逃げ出すことはできない。だから過去の失敗から学ばなければいけないし、平和的に立ち止まり、振り向き、言い訳をせず理解し、受け入れることが大事だと思います」と、これから映画を見る世界中の人々に向けて訴えかけていた。

画像: http://eiga.com/news/20150604/9/

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