映画『涙するまで、生きる(原題: Loin des hommes)』

「異邦人」「ペスト」などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの短編小説「客」をもとにしたヒューマンドラマ。
フランスからの独立運動真っただ中にある1950年代のアルジェリアを舞台に殺人の容疑者の男と彼を移送する男が友情を育んでいく。

画像: 映画『涙するまで、生きる(原題: Loin des hommes)』

監督・脚本はショートフィルムを中心に活躍してきたフランス出身の新鋭ダヴィド・オールホッフェン。主演は『危険なメソッド』などのヴィゴ・モーテンセン。
『ゼロ・ダーク・サーティ』などのレダ・カテブが共演を果たす。

うーん、心に重く残るなあ。
容疑者を移送する2日間というとっても単純でシンプルな話なんだけどさ。戦争の無意味さと生きることの意味、そしてそれらを知っていく2人の心情が重く心に残るんだよね。

2日間の2人の会話がとにかく面白い。ヴィゴ・モーテンセンは色気や強さも持った主人公の複雑な心情を繊細な演技で魅力的に好演。とはいえボクは主人公の言動に理解も共感もしづらかったけれど…。不条理っていうのかなあ。ロングショットの荒涼とした高地、砂嵐や雨、雲や空などの自然描写も広大で迫力たっぷりで素晴らしい。ニック・ケイヴとワーレン・エリスのコンビによる弦楽器主体の音楽も不穏な空気感や緊張感を表現していて素晴らしい。

なんだろ、生きてて良かったなあと思える感動作。
フランスの黒歴史を思ったり、アルジェリアの昔や今に想いを巡らせたりして---。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『涙するまで、生きる』予告

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