「新世紀映画論」(第1回)  林海象

 映画の誕生が何時であるかとするには諸説があるが、私はアメリカのエジソンがキネトスコープを発表し、同時にフランスのリュミエールがシネマグラフを発表した1893年を、映画誕生の年と考えている。

今からたった122年前のことである。そこで私は自作「彌勒 MIROKU」(2013年作品)のバンフレットの中にこう書いた。

   
 映画は誕生してから130年が過ぎました。
 映画1世紀は終わり、映画の新世紀が始まろうとしています。
 映画は死にません。
 映画はまさに今も誕生しようとしているのです。

映画は誕生して100年間で急速な発展を遂げ、映画1世紀には世界中で数々の傑作映画が創られ、現在の私たちが知るところの「映画」を人類は見事に完成させた。そういう意味において映画は、芸術としてはすでに完成形態に至ってしまっているかのように見えるが、絵画や音楽の誕生が約4万年前であることから比べると、映画はまだ誕生したばかりの赤子であり、やっと2世紀目を迎えた新参者である。

だから私はこの21世紀を映画誕生の2世紀目とし、自らの映画を「新世紀映画」と命名し、これから創られる全ての映画を「新世紀映画」と総称することにした。

この連載は素晴らしかった映画1世紀目の映画を振り返りながら、次々と生まれくる新世紀映画を紹介し、そして私自身の新世紀映画論について語りたいと思っている。
昨今、映画は滅びる芸術ではないかと囁かれているが、私はそんなことはまったくないと信じている。その根拠は、誕生してまだ100年しか経っていない映画が滅びるわけがない。映画は滅びるには若すぎる芸術である。

映画は芸術ジャンルの中で今だ最先端の芸術表現である。
映画はこれからますますの発展を遂げるが、その形は前世紀の形から変革していくであろう。それでは新世紀映画の変革の形とは何であろうか?

(第二回に続く)

画像: 林海象監督

林海象監督

林海象新作『Good Year』の全貌が明らかに!!

林海象監督作品“Good Year”が “SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015”
~アジア インターナショナル&ジャパン部門に出品される事が決定しました!
今回の上映がワールドプレミアです!

画像: 『Good Year』場面 永瀬正敏

『Good Year』場面 永瀬正敏

画像: 『Good Year』場面 月船さらら

『Good Year』場面 月船さらら

皆さん是非お越しください!!

《 SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015 》
~アジア インターナショナル&ジャパン部門(program E)

『Good Year』special Screening

@SHIDAX / 6/12 fri 15:40-17:30
@YOKOHAMA / 6/13 sat 20:00-21:50
@Laforet / 6/14 sun 17:50-19:40

http://www.shortshorts.org/2015/ja/program/aj-e.php

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