120年になろうとする映画の歴史―その誕生の瞬間から、書物は映画とともにありました。
 映画はそれまでの諸芸術やテクノロジーを貪欲に吸収し、あらゆる人々に開かれた大衆性を持ったことで、20世紀以降の文化をリードするとともに数えきれないほどの言葉と書物を生み出しました。《映画》と《映画の本》は、離れられない運命的な仲といえるでしょう。
 国内最大の映画専門図書室を擁するフィルムセンターは、この度こうした映画の書物をめぐる展覧会を開催いたします。映画史を知るための基本文献、明治・大正期の貴重書や無声映画時代の“映画文庫”、豪華な大型本・愛らしい豆本、こども向けの本や優れたデザインの書籍、映画という職業をめぐる本まで、映画史と寄り添って脈々と生み出され、さまざまな魅力を放つ日本の映画書を一堂に集めて展示し、併せて、映画の本を収集している日本各地の映画図書館をご紹介します。

画像: 展覧会 『シネマブックの秘かな愉しみ』展開催中!!!

第1章 映画書のABC

無声映画時代から、活動写真は新しい知と芸術の体系として探究の対象となってきました。日本映画文献史研 究家本地陽彦氏が所蔵する明治・大正期の貴重書のほか、日本の映画史を変えた一冊や、映画史を学ぶ際の 指針となってきた名著を紹介します。

第2章 映画書は美しい

動くものである映画を、一冊の本にすることは容易ではありません。大衆性と美との調和など、映画書に与えら れる課題にはきりがありません。映画に造詣の深いデザイナー和田誠や鈴木一誌の仕事をはじめ、数々の装 丁家・ブックデザイナーが取り組んできた映画書を集めました。

第3章 映画をめぐる仕事

映画作りに携わる人々が著した本も、映画書の中で魅力にあふれる分野です。連綿と出版されてきた俳優本、 様々な職能の映画スタッフを取り上げたインタビュー本のほか、活動写真弁士や映画検閲官など映画史の中で 独自の役割を担った人々の本にも焦点を当てます。

第4章 映画書アラカルト

ユーモラスな本、意表を衝いた企画の本、こどもと映画をつなぐ本、無声映画時代のストーリーブック、全国各地 の映画史を語る本など、映画史 120 年の中で出現した特徴的な国内の図書を、多彩な切り口で紹介します。

シネマブックの秘かな愉しみ 英題:The Discreet Charm of Film Books

主催
東京国立近代美術館フィルムセンター
会期

2015 年 4 月 14 日(火)-8 月 2 日(日)
休室日
月曜日、5 月 26 日(火)-28 日(木)
開室時間
午前 11 時-午後 6 時 30 分(入室は午後 6 時まで)
会場

東京国立近代美術館フィルムセンター 7 階展示室

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