物語は、実在するクルド系イラン人の詩人サデッグ・キャマンガールの体験にもとづいて描かれたもの。1979年のイスラム革命時に不当に逮捕され、30年後に釈放されるも、政府によって「死んだ」ことにされていた詩人・サヘルと、夫の死を信じ込まされながら、運転手の男・アクバルとの関係を断ち切れないサヘルの妻・ミナ、ミナへの異常な執着と恨みからサヘルを陥れるアクバルの3人による30年間の屈折した三角関係を描く。
『第37回トロント国際映画祭』でプレミア上映され、『第60回サン・セバスチャン国際映画祭』で最優秀撮影賞を受賞。その後も様々な国際映画祭で上映されているほか、マーティン・スコセッシが称賛の意を示すために「提供」として自身の名をクレジットしている。