映画『ディオールと私 (原題: Dior et Moi)』。

老舗ブランド「クリスチャン・ディオール」全面協力のもと、オートクチュールの裏側に迫ったドキュメンタリ作品。
監督は『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』で共同監督を務めたフレデリック・チェン。

画像: 映画『ディオールと私 (原題: Dior et Moi)』。

2012年、空席だったディオールのアーティスティックディレクタの座に就任したラフ・シモンズ。
自身の男性ブランド「ジル・サンダー」で活躍するシモンズだがその認知度は低く、オートクチュール界での経験は皆無でこの大抜擢は世界中のファッション関係者を驚かせた。
通常のコレクションでは半年近くの準備期間が必要とされる中、ディオールでの最初のコレクションまでに与えられた時間はわずか8週間。

ミニマリスト(最小限主義者)のシモンズが老舗ブランドのオートクチュールに挑戦する中での重圧と葛藤、そしてディオールのお針子たちのプロフェッショナルで熱心な仕事ぶりが見どころ。
うわあ、素晴らしいドキュメンタリだよ。よくもまあこの撮影をオッケーしたもんだ(驚)。

もの凄いプレッシャーの中、妥協することなく自分流を追求していく勇敢なプロセスはボクまで息苦しさを覚えるほど緊張感たっぷりでスリリングだけれど、どんな無理難題も拒絶することなくむしろ創作意欲を掻き立てられ、笑顔で「何とかするわよ」と答えるその道40年のベテランお針子さんたちが自信たっぷりに経験、プライド、技能、情熱などを総動員して具現化して行くところ、お互いの才能を信じ、プライドをぶつけ合うところにしびれた。
組織やマネジメントとして興味深いんだよね。
相棒ピーター・ミュリエーの名調整役ぶりも際立ってたなあ。

そしてクライマックスのコレクションは、匂いまでしてきそうなほど花で埋め尽くされた会場、エレガントなドレスたち、美しいモデルたちで目も眩むほど美しく感動的だ。
素晴らしい仲間たちとそれぞれの素晴らしい仕事を通してものすごい感動を共有し合っているところがうらやましかった。なんか感動して涙出ちゃったよ…。

ラフ・シモンズの才能に加え、物作りの魅力を遺憾なく伝えるドキュメンタリとしても成功していると思う。
どうも監督はディオールとシモンズの共通点を強調したいような構成だったな。

シネフィル編集部 あまぴぃ

『ディオールと私』予告編

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http://dior-and-i.com

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