3月17日 は「聖パトリック・デイ」なんだそうです。
映画『逃亡者』で主人公のハリソン・フォードが、聖パトリック・デイのパレードのなか、群衆に紛れて逃げる場面も印象的でした…。
聖パトリックとは、アイルランドにキリスト教(カソリック)を広めた聖人で、シンボルは三葉のクローバー。
これは、彼が「神と子と精霊」の三位一体の喩えに三葉のクローバーを使ったためで、また、精霊のことをアイルランドに古くから伝わる「妖精」だと言ったので、アイルランドに妖精が生き残ることになったといわれています。
司馬遼太郎は『街道をゆく~アイルランド編』のなかで、「アイルランド人はテーブルから転げ落ちる豆のようにアメリカ大陸になだれこんだ(大意)」という表現をしています。
また「アメリカでは、アイルランド人は大統領か乞食位にしかなれない」という言い方があるそうですが、ケネディ大統領はいわゆるWASPでなく、アイルランド系なんですよね。
アメリカで禁酒法が施行されたのも、喧嘩っ早いアイルランド人たちがよく酔っぱらって暴れたからだともいわれています。
『風と共に去りぬ』のヒロイン、スカーレット・オハラもアイルランド系で、ラストで「タラに帰ろう」という台詞がありますが、タラとはアイルランド人にとっての聖地でもあります。
ジョン・フォードの映画のヒロイン、モーリン・オハラもフォードと同様、アイルランド系で、フォードの作品でも喧嘩の場面が多いことに、アイルランド人気質を見ることができます。
仁科 秀昭
・写真は聖パトリック・デイのパレード(ダブリン)。wikiより。
仁科 秀昭:天井桟敷、東宝撮影所などで、美術を担当後、現在はミュージアム・プランナー。